§ニッポンの9人制・ネットプレー編

9人制最大の難問不可解のルール、それがボールへの4回接触です。
え〜っと、ルール上では、「1チームは、相手方にボールを返すまでに、3回ボールに触れることが出来る」・・・ブロックでの接触も1回とみなしますが、これはバレーの大原則、ここまでは分かります。

で、「ただし、ボールがネットに触れた場合には、もう1回ボールに触れることが出来る」・・・つまり、最大4回触れることが出来るのです。

アタックミス
あ〜アタックミス! ネットに当たったボールをフォローせよ!

なにぃ!こんな変なルールあり? 6人制しか知らない方には考えられないようなルールですが、慣れるとこれがまた絶妙のルールなのです。攻撃と守りの幅がグ〜ンと広がり、ラリーも続くってわけ。
でも6人制もよくよく考えると、ブロックのワンタッチがあれば、4回触ってますけどね。
このネット4回接触ルール、誰の発案か分かりませんが、よく考えられてます。

さて、例を挙げてみると・・・
3回目でアタックをネットに引っかけた。それを拾って相手コートに返す。OK!
万事休すの場面でも諦めなければ、プレー続行の可能性があります。フォローが大事。

1回目、レシーブしたが低く速い球筋でセッターへ。
2回目、セッターはアンダーレシーブでそれをわざとネットに引っかける。
3回目、ネットに当たってふわりと浮いたボールをセッターがオーバーハンドでトス。
4回目、アタッカーが攻撃。
OK!
普通なら2段トスになるところをコンビネーションで攻撃可能。速攻も大丈夫。
こういう風にネットプレーをミスのフォローだけじゃなく、積極的に使用するチームは見ていて飽きません。

1回目、ブロックしたボールを吸い込む。
2回目、同一選手がアンダーハンドでネットに当てる。
3回目、同一選手がネットに当てて浮いたボールをトス。
4回目・・・
NG!
つまり1人の選手が3回触れたわけですが、ブロック後、同一人物がもう1回触れるのはOK。ボールがネットに当たる前後の接触は同一人物でもOK。
しかし、これを組み合わせて、ブロック後もう1回触れてネットに当てて、更にもう1回触れるのは反則です。 これ、以外と見落とされがちで、全国大会でもたまに見かけます。諦めないで当たり前のように続けると、通用する可能性の高いプレーです。(^_^)

これらを戦略として応用しているチームがあります。文字だと分かりにくいですが、
リバウンドして→それを拾い1→ネットにかけて→また拾って1→トス上げて2→またリバウンドとって3→拾って1→トス上げて2→またリバウンドとって3→拾って1→ネットにかけて→ツートス上げて1→トス切り返して2→スパイク3・・・

ここではネットに触った後をカウントしていません。こうすると必ず3回以内で返すことになります。3回か4回かより必ず3回で返すようにした方が、自分としては分かりやすかったです。


ブロック待機
両手を上げるポーズ。瞬時的ブロックの対応の他、相手にネットプレーをさせにくくする意味もある。(ただし現在は手に当たるとほとんどインターフェアに取られる)
自チームが万全の体制になるまで何回もリバウンドでボールをもらい、レシーブボールをネットにわざと引っかけたり、打つ振りをして2段トスを上げたり、4回触れるところをワザと3回で返したりしている内に、相手が混乱してしまいます(審判も)。またリバウンドだと思ってブロックしないと強打も打ってくる・・・
こんなことを実践しているチームもおり、初めて見たときは驚愕したものです。

ここまでとは言いませんが、上位チームは思わず“ウマイ!”と唸らせるプレーで魅せてくれます。
このネットプレー、使わなくてもそれなりに試合は出来ます。
しかし絶対不利の状況を一転好機にすることも出来る、ウラワザ的技術のネットプレーを使わない手はないでしょう。

こう考えると、ジャッジメントも6人制より複雑で大変です。
9人制をきちんとこなせる審判こそ、最高の審判と言えそうです。

  ☆ ☆ ☆

前衛は5人いたり7人だったり、レフトアタッカーがバックでサーブレシーブしたり、サーブレシーブ時にコートから出ている選手がいたり、やたらエンドラインに固まって守るチームがいたり・・・
一チーム毎、見てそれとわかるようなチームカラーがあり、バラエティに富んで奥が深い9人制。
「身長が低くても出来る」という言葉をよく聞きますが、それだけで広がった訳ではなさそうです。

様々な工夫、ローカルルールで地域に密着したバレーボール。
9人制に限らず、皆さんも地元の“なんとかバレー”に参加してみてはいかがでしょうか。
そして機会があれば、是非9人制を!


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