・伯仲の戦い
11月第2週、ZAOカップが行われた。トーナメント決勝の横河電機戦第1セットは19−17から追いつかれ、デュースで粘ったものの先取され、第2セットはそのダメージを跳ね返せずストレート負けとなった。横河電機には予選リーグでも対戦して連敗となったが、内容としては見応えのあるラリーが多く、決定力、つなぎも向上している。
トップリーグ勢をお迎えして、楽勝ペースでお帰りいただいては申し訳ないところ、まあ何とかホストチームの役割は果たせたと言えよう。
11月第4週に全日本総合が大阪市で開催された。3年ぶりの開催となり、未だコロナウイルスの影響があって入場行進などの開会式は催されなかった。また参加チームが少なく、予選グループ戦が3チームのリーグ戦に変更された。
いつもは4チームのグループで2試合行い、敗者復活戦に勝ったチーム合わせて3チームが予選突破できるが、今回はリーグ1位のチームしか突破できない狭き門になってしまった。なお、同一コートで3チームのリーグ戦を一気に行い、次の3チームがまたリーグ戦を行う方式となった。午前の部と午後の部に分かれたと言ってもいい。これは恐らく会場内に長く滞在することを避ける対策かと思われる。
ただ、先に2連勝してしまうと、あとの1試合はもう予選突破できない同士の戦いになってしまうので、モチベーションに欠ける。この方式は今年限定になるだろう。
リーグ戦になったとしても戦い方に変わりはないが、1敗もできないというプレッシャーは強くなる。そのリーグ第1戦は日立金属ネオマテリアルと対戦。第1セットは4−3から4得点、8−4から5得点して圧倒、第2セットは序盤で8−2としたが4失点して9−7とされる。
しかし高城強打、佐々木連続サービスエースなどで再度引き離しストレート勝ち。
リーグ第2戦は四国電力と対戦、両者日立金属ネオマテリアルを下したので、この試合に勝った方が決勝トーナメントに進出するという状況となった。四国電力には負けたことがない実績というか、好事魔多しというか、初戦が良すぎて少しフワッとした入りだったのかもしれない…
第1セット前半にサービスエースを決められ2−7とされると、何とか12−13まで迫ったものの、東北のミスが続き5失点して16−21、サーブカットが乱れてコンビに展開できず、単独での決定力も落ちて後手に回ってしまった。
気持ちを切り替え、第2セットはダブルスコアに抑えてフルセットに持ち込むと、流れは第3セットも継続。長いラリーを高橋怜のAフェイントで8−3、これで主導権を握ると6得点で18−7。最後は高城強打21−11、無事予選突破を果たした。
◇ ◇ ◇
今回は決勝トーナメント組み合わせ抽選がYouTube配信された。当初18時開始予定が2時間ほど遅れてのスタート。アリーナでの抽選だったため、掲げていたRI東北の横断幕が常に映るような格好になり、これは予想外のアピールになった。
で、その抽選の動画だが…予想していたシードチームの配置になっていない。シードチームは全て2回戦スタートになるはずなのに、愛知ALL BLACKSは第9シードで1回戦からはありえない。そのまま抽選は続行され21時頃終了、RI東北はTHK甲府との対戦が決まり、勝てば第3シードの富士通と対戦…となった。
いや、これでいいはずがない。間違いなくやり直すはず………やはり再抽選するとの連絡があり、45分後に再抽選(配信なし)が行われた。「待つ身としては辛い」と永井がぼやくのも無理はない。江口は「過去の抽選でも色々…こういうことはよくある」と言っていた。…んー、こういうことあると、もう生配信やらないかもしれない。
再抽選は完全やり直しとなり、結果NTNとの対戦が決まり、勝てば第5シードの横河電機と相成った。え…横河? ZAOカップで対戦したばかりで、総合でも当たるかもねと冗談で話していたが、こんな形で現実になろうとしているとは。
さてさて、この変更が吉と出るか凶と出るか…少なくとも対戦成績から見て、悪くはない組み合わせになったのは間違いない。なので、気を緩めることなくまずは初戦だ。
それにしても、最初の抽選を観て寝た人もいるんじゃないか…朝起きて、さぞびっくりしたことであろう。
◇ ◇ ◇
1回戦のNTN戦第1セット、本田時間差、佐々木セカンドでサービスエース6−3とすると、一時追い上げられるものの10−8から一気の9得点で21−11の先取。第2セットも勢いは止まらず、3−2から6得点、11−4から5得点、21−9でストレート勝ち。
全日本実業団で大苦戦した印刷局小田原を、NTNは予選でストレート勝利しているので侮れないという思いと、四国電力戦第1セットのこともあったので、抜かりなく戦えたという感じ。
2回戦は横河電機との対戦。第1セット出だし快調で本田時間差、横河時間差タッチネット、高城強打、熊谷のサーブで崩し高橋怜ダイレクトで4−0。しかし横河は中盤で5得点して12−13と逆転。更に横河A、高城強打アウト、酒井フェイントがオーバーネットで16−19、終盤での3失点を取り戻せず、18−21で先取される。
|
第3セットは横河が5得点で3−7とリードするが、高橋怜A、高城強打、横河ライト強打アウト6−7、高城軽打、酒井セカンドで崩し高橋怜ダイレクト、酒井のサーブで崩し横河ライト強打アウト10−9と逆転。
更に佐々木強打、横河レフトが連続でアウトとし13−10と引き離す。横河も3得点で17タイとするが、高橋怜Aでマッチポイント、最後は高城が4枚ブロックを打ち抜き21−19と接戦を制した。
相手が初戦に対し、こちらはもう4試合目。現時点の好不調も確認でき、試合毎に自信を深めていくような状況だったので、その差も若干あったかもしれないが、見事シードチームを撃破! 横河最後の追い上げにも耐えた。
やはりトップリーグ勢は手強かったが、ZAOカップで苦杯をなめた経験も生き、リベンジを果たした。
これでベスト8進出、いつもならここで最終日へとなるが、残念ながらもう1試合ある。ただ、流れ的には翌日に持ち越すより今日やった方がいいかもしれない。
準々決勝は第4シードの住友電工伊丹との対戦となった。第1セット前半は伊丹のサーブに手こずり2−6、ここから徐々に挽回し、本田時間差、梅津のサーブで崩し高橋怜ダイレクトで7−9、酒井ダイレクト、ラリーから高橋怜プッシュで12−13、伊丹の強打が3連続でアウトになり、ついに15タイと追いついた。
しかし高城ダブり、梅津弾く伊丹サービスエースで16−18とされると、勝負どころで高橋怜ダブり、高橋怜A、佐々木ダブり、伊丹ライト強打18−21で惜しくもセットを落とす。
第2セットは伊丹レフト強打で3−5とすれば、高城強打、伊丹レフト強打はアンテナ、高城強打で7−6と逆転。中盤も激しい攻防ながら、梅津のサーブで崩し高橋怜のAで14−11とリード。伊丹はレフト強打、高城軽打をブロックなどで逆転するが、高城強打ですかさず17タイに持ち込む。
ただここから追い越すに至らず、伊丹FR強打、サーブカットの乱れから伊丹に強打を決められ19−21、ここも最後の詰めが甘くストレート負けとなった。
敗れたものの、第1セットは2−6から終盤まで食らいつき、第2セットは終盤まで1点を争う展開ができた。何とかフルセットに持ち込みたかったが、横河戦とは逆の展開をされてしまった。
1セット目終盤、ダブりからのサービスエースは痛かった。そしてダブり3連チャン…伊丹の3連続アウトで同点にできたように、何が起こるか分からない状況で無条件に点をあげたのだから、RI東北優しすぎる。上位との対戦はちょっとしたミスとか運が分かれ目になるようなギリギリの勝負なので、当たり前のことはしっかりこなせないと勝利は遠い。
とは言え、2セットとも競り合ったのは収穫ではないだろうか。ほぼがっぷり四つだったし、これを今後も続けられれば、ベスト8の壁突破も近い。中止になった2年間を除けば4大会連続ベスト8っていうのも凄いこと。
翌日、コロナ対策しているのに団体で観戦に行くのもよくないので、帰路についた。「体は全然…大丈夫じゃない(苦笑)。もうバキバキで…」と高橋怜。しかし、もし試合があったら全力全開で動けるのだろう。
若手とベテランの融合…本田や酒井はミスより決定力が目立ってきたし、鈴木勇は初戦で声が枯れたほど気合入れて引っ張っている。石川も「あまり練習してない…」と言っていながら、コートに入ればしっかり結果を残す。
主将の佐々木はライトに回って、つなぎ所と決め所の判断に磨きがかかってきたし、バック陣は長いラリーが続くようになり、右に左に繋いでくれている。
自信を胸に、残る最後の大会で最高に締めくくるしかない。
・まさかまさかの
12月17日から熊本で始まるトップリーグ・入替戦出場チーム決定シリーズだが、RI東北は不参加・出場辞退となった。インフルエンザなのか、コロナ感染なのか、他の病状なのか明確ではないが、体調不良や発熱している選手が続出しては、もう回復も間に合わないため参加を見送るのが妥当。
残念だがまた来年、更に強くなったチームをご覧いただけるよう、目標に向かって前進していくしかない。…出場辞退は2009年の櫻田記念以来2度目。ちょうどこの時期が東北地区の感染ピークと重なってしまうのか?…家庭を持つ選手が多くなったとか、いろいろ不可抗力なところもあるが、これはもう自己管理を徹底していくしかないだろう。
ちなみに入替戦出場チーム決定シリーズは1位・日本無線、2位・印刷局小田原となり、入替戦で日本無線はトップリーグ8位の富士通と対戦し、2セットともデュースで敗れ昇格ならず。印刷局小田原もパナソニック津にストレート負けで昇格できなかった。
あの富士通がリーグ最下位とは…そういう激しい群雄割拠の中にRI東北も割り込むべく、新たなる戦いに挑む。
To be continued...