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愛知県新城市

鳴子網架設地

2012年05月04日

鳥居強右衛門と鈴木金七は5月14日の夜、城の西、岩石を伝わって滝川へ入った。武田勢は幾重にも取り巻き、瀬ごとに番人を置いた。大野川(宇連川)・滝川(豊川)に鳴子をかけて置いたので、通り様がない。然し、鳥居と鈴木もともとは水泳が達者で、川の案内もよく知っていた。長走(※1)と云う所にも鳴子網があって、番人が居た。網を切り抜く所を番の者共が、怪しいと言って調べようとしたが、番人の中に今井新介という者があって言うのには、このような大川には、五月時分には大鱸が居って、網を切るものだ、と言って調査しようともしなかった。

長走(※1)
宇連川の合流点は度合と呼ぶ淵で、度合を下って最初の瀬が長走である。鳴子網を張ったのは長走の瀬頭あたりと考えられている。
(長篠日記より)

 

 
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