この間、とある所へ出張に行く際にバスを使ったんです。
で、俺の住んでいる所を走っているバスは、乗る時に料金(200円くらいかな)を払えば何処まで走っても終点まで追加料金は取られないんですよ。
でも、その時乗ったバスもそうですけど、別の地域に行くとバス停を通過する度に料金がアップしていくシステムっていうのがありますよね。アレって何か騙されている気がしていつも納得出来ないんですよ。定額に馴染んでしまっている俺にとって、距離を刻んでいくごとに料金が上がっていくってのはタクシーと同じじゃねえか、と思ってしまうんです。もちろん実際はタクシーより格段に安いんですけどね・・。
俺は料金後払いバスに乗る時まず気にするのは小銭なんです。出来るだけピッタシに出したいと思うからですね。だから、停留所を過ぎる度に料金が変わっていく予測不能なシステムに対抗する為に財布の中は小銭でジャラジャラです。以前、お札しか持っていない時に運転手の横にある謎の精算機で両替をしようとしたところ、運転手が抑揚のない冷たい言い方で
「両替の際は車が停止してからおこなってくださぃ〜」
とアナウンスするモンですから、信号待ちのチャンスを狙って行かなくてはならなかったんです。降りる時に両替をして料金を払うというやり方もありますけど、それは周りのお客に数秒のロスを生じさせる事になりますので、俺の様なクールな男には出来ないんです。
しかしこの運転手の横にある謎の精算機って、物によっては「お札の両替」と「お札で料金を払い、お釣りだけ返ってくる」の違いがあったりして、不慣れな俺には非常に解り難いんです。時には運転手の操作する切り替えスイッチでそれが変わったりする事もあったような・・・・・。
・・てな事で迷っているうちに信号が変わってしまってバスが動き出してしまい、結局チャンスを逃がしてしまったりして。
あと降りる際にブザーを押すじゃないですか。で、目的停留所に近付いたモンだから席を立つでしょ。するとまた運転手が冷めた口調で
「車が停止してから席をお立ちくださぃ〜」
と注意するんです。こっちとしちゃあですよ、降車ドアが開いてから立つのってとっても心配なんですよ。以前それでドアを閉められて降りられなかった年輩の女性を見た事があるモンですから。でもそんな事運転手はお構いなし。その名の通りのワンマンぶりを発揮している訳です。バスに乗ったら命を預けている運転手の機嫌を損ねる訳にいかないから、彼の言う事には従うしかないというのは解りますけどね。確かにあの空間において絶対の権力者は誰でもない運転手なんですから。
例え暴漢に銃を突きつけられて
「次の停留所は客が居ても通過しろ!」
と言われても
「走行中は危険ですので銃を下ろして下さぃ〜」
と言うだろうし、何なら運転手のサジ加減ひとつで危険な運転をする事だって出来るんですよ。
「これより危険走行に入ります。乗客の皆さん及び犯人の方々、手すり等にお捕まり下さぃ〜」
ってな具合で径のデカいハンドルをグルングルン回しそうですよね。
例えムカつく態度を取られても命が懸かっているんだから運転手の言う事は素直に従わなくちゃなりません。
ところで、例の謎の精算機なんですけど、アレって各車両に一機しか搭載されてないじゃないですか。あの中の小銭が無くなってしまったら一体どうするんでしょう。ワンマン運転手が
「ご乗車のお客様の中で千円札を両替出来る方はいらっしゃいますでしょうかぁ〜?」
ってアナウンスするんですかね・・。両替出来るんだけど、あとでジュース買う為に小銭はとっておきたいんだよなあ・・なんて思って無視していると、
「いらっしゃいませんかぁ?ではこれよりご乗車のお客様のお財布の中身をチェックさせて頂きますぅ。もし崩れるお財布のある事が解りましたらご承知の通り危険走行に入りますぅ〜」
なんて強行手段に出たりして・・。怖いですねえ、後払い料金制のバスって。
やっぱり何でも前金制が良いですよ。
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