これは2007年9月までTBS系列で放送されていたアニメ作品で、現在3巻までDVDが発売されています。
舞台は現代の東京です。
「契約者」と呼ばれる特殊能力を持った人間達(正確には人間では無い)が影に潜む社会。
彼ら絡みの事件が度々発生するも、民衆のパニックを抑制する為にそれらは常に隠蔽され、警察当局の中でもごく一部にしか彼らの存在が知られていない状況でした。
そんな中、ある組織に所属する「契約者」の主人公『黒(ヘイ)』があらゆる密命を敢行していくストーリーです。指令を伝達する役で特殊能力を持たない普通の人間『黄(ホァン)』、事情により猫の体を持たざるを得なくなった「契約者」『猫(マオ)』、ほとんど言葉を発しないドールと呼ばれる「契約者」『銀(イン)』。
この4人がひとつのチームとなって様々なミッションを遂行していきます。ターゲットのなるのは同じ「契約者」が多いです。

最初この作品を観た時、今時のアニメらしくない人物の線の粗さが目立つ構図で、なかなか受け入れる事が難しかったのですが、ストーリーの面白さからそれは直ぐに気にならなくなりました。
あらゆる謎が回数を追う毎に解けていく展開と、菅野よう子の独特で質の高いBGMが観ている自分を作中にどんどん引き込んでいく感じがしました。
あまり感情を持たず常に合理的に物事を進める「契約者」が、少しずつ悩みや悲しみを感じていく描写が上手く表現されています。
何より、俺が一番面白く、また悲哀さを感じたのが「契約者」が特殊能力を発揮する為に支払わなくてはならない「契約の対価」です。
彼らはそれぞれ持っている能力が違います。主人公ヘイは電気を自在に操る能力を持っているのですが、他には液体を瞬時に凍らせる能力、超音波を用いて物体を破壊する能力、空間重力を操って空中浮遊する能力、時間軸を操って時を戻す能力等々があります。
しかし、彼らはその能力を発揮する為に対価を支払わなくてはなりません。
これもまた「契約者」によって様々で、主人公ヘイの対価は大量なカロリー摂取です。ギャル曽根並みに食べます。。笑。。
他には、タバコが嫌いなのに喫煙、アルコールの摂取、植物の捕食、と言うものから、自らの指を折る、人間の子供の生き血を吸う等の痛々しいもの、また石を均等に並べなくてはならないユニークなもの、能力を使う度に年齢が退行していくものまで色々です。
無理の無い背景設定と演出。にもかかわらず新しい要素が組み込まれている作品です。
テレビ放送されている際にレビューを書こうかと思ったのですが、あまりにも謎が多く掴みどころが無かったのでDVDを購入して再度観てから書くことにした次第です。
タイトルにもある様に暗い内容ではありますが(笑)、これまで観てきたアニメ作品の中で、これは俺にとって最高ランクに位置されるほどのものでした。
お金と言う対価を支払って(笑)DVDを揃える価値が十分にあると思える作品です。


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