初めに記しておきますが、当レビューの要素としては「いきものがかり」の2007年ツアー最終日の東京公演に重点を置いた私見ですので、この内容を以って「いきものががり」の全てを網羅するものではない事をご承知願います。
「いきものがかり」と言うめずらしいネームのこのバンド。
ギター・ハーモニカ担当の山下穂尊とギター・ボーカル担当の水野良樹が小学校時代に受け持っていた係の名前がバンド名の由来になっています。
当初この二人で「いきものがかり」が結成され、その約1年後に二人の同級生の妹である吉岡聖恵がメインボーカルとして加入します。
音大生だった吉岡が在学中スランプになり一時活動を休止していた事もありましたが、活動拠点を路上からライブハウスへ移行していくなどしてバンドとしては大きくなっていきます。
そしてインディーズ時代を経て去年の3月にシングル「SAKURA」を引き下げてメジャーデビューを果たし、今年3月に1stアルバムを発売しました。
リリースされているシングルのそのほとんどがテレビCMやテレビ番組、また映画等々とタイアップを行っているので、一般的に彼らの曲を耳にする機会は多いと思います。
曲調としては少し特徴のあるポップ、と言う印象です。
さほど音楽に詳しくない俺でも結構耳に入って来やすいメロディでした。
ボーカル吉岡の声はなかなかパンチの効いた高音で、’80のロックバンド「レベッカ」のボーカルNOKKOに少し雰囲気が似ている気がします。
ただ、簡単に耳に残る曲と言うのは得てして離れていくのも早いもので、「いきものがかり」の曲の数々も結果的には軽いイメージかな、と言う印象を個人的には受けてしまっていました。
そういう中でのライブ鑑賞だったので、正直言って俺はそんなに期待はしていませんでした。
しかし、俺自身ライブに慣れていないからなのか生の演奏を聴く事で、CDでは伝わって来なかった彼らの思いがひしひしと感じられました。
吉岡聖恵の歌声は、CDでは良く聞こえても生ではイマイチ、と感じる「ありがち」な作られたボーカリストのそれではなく、なかなかの迫力を感じさせてくれました。
その辺りはさすが元音大生、と言ったところでしょうか。
アップテンポの曲、そして若い世代向けの歌詞は、俺の様なオッサンには少しくすぐったい感じもしますが、基本的にスローバラードのラヴソングに弱いので、何曲か涙腺が緩んだ時もありました。。笑。。
違和感を覚えた点として、曲間のMCのほとんどが明らかに台本だな、と言うところです。
心情を語るMCは、噛んでも詰まっても良いからその時に思った事を言って欲しいですね。
でも、リーダー水野君が自らヨゴレ役を演じ、それがハマっていたのでなかなか面白かったです。
全体的にとても楽しいライブでしたが、縦ノリの曲でピョンピョン跳ねる事を要求するのは、40目前にしたオッサンには酷な話ですよ。
Xジャンプ(※)をしていた頃も今は昔。。。笑。。。
(※)バンド「X-JAPAN」のメジャーデビューアルバム「BLUE BLOOD」内に「X」と言う曲が収録されており、ライブではオーディエンスがこの曲に合わせて両手を×字にしてジャンプをするのが定番でした。
ボーカルTOSHIの「オマエら跳べぇーー!」と言う絶叫が懐かしいです。
前のページへ