世の中「不毛だよなぁ・・」と思う事って良くありません?
例えば小学校時代の修学旅行の夜、脅迫観念的に敢行してしまう枕投げ大会や、「なぁ、クラスの女子で誰が一番好き?」とか、そんな事聞いてどうすんの?的な会話なんかもその最たるモンの代表ですよね。

結構前なんだけど、秋葉原にオタクの一員として出向いた時、時間が余っていたんで献血でもやっていくべかと思って駅前の献血センターに入ったんです。
俺は結構こういう感じで、ぶらり途中下車の旅の阿藤快がふらっと街の名産品を売るちょっと寂れた小さなお店に入って行く様に軽い気持ちで献血をやっていく事があるんですよ。いや、ぶらり途中下車の旅は「あ、ちょっとこの駅、気になるんで降りてみますか。なんだかなぁ〜」なんて如何にも思いついた風に言ってますけど、実際は台本通りだし、その寂れた名産品のお店の女将もお化粧バッチリだったりする訳だから、俺の方がよっぽど「ぶらり」なんです。ぶらり途中献血です。
秋葉原駅前の献血センターは初めて入ったんだけど、なかなかのベッド数を誇っていました。フロアに10台くらいの献血マシーンと専用ベッドが用意されていました。
で、所定の手続きを済ませて献血ベッドに横になった時、向き合う格好で寝ている男性(オタク風byメガネ)の靴の裏に、ガムとそこに付着する枯れ葉がへばり付いているのを発見してしまったんです。
何をやっておるのだキサマ。全然隙だらけではないか。ガムだけならまだしも、そこに枯れ葉のオマケ付きだなんて。
更に俺の横に置いてあった普通の簡易ベッドには、頭を抱えた顔色の悪い男性(オタク風by長髪)が寝ていたんです。絶対に献血して気分悪くなったんですよコレ。
何なんだコイツも・・。
暫くしたら献血センターのスタッフが担架を持ってきて彼を運んで行きました。
恐らく近場の病院にでも連れて行ったと思うんですけどね。
でも例えばその病院で「うん。彼は血が足りない」とか判断されて輸血なんかをしてたとしたら、彼の今日の献血行為は何の意味も無くなってしまうんです。プラスマイナスゼロライフですからね。何も貢献していないんですよ。まぁ「献血しようと思った彼の善意を買う」なんて言う人も居るかも知れないけど、実際「血がぁ〜。。血をくれぇー・・」と言っている人が善意だけで救われる事は無いっすから。
アレですよ。アニメのアンパンマンにおいても、お腹が減っている子供に対してはビジュアル的な問題で視聴者の父兄からクレームが出ようと、彼は自分の頭をポコっと取ってその子にあげるだろうし、貰った子供も例えアンパンマンが戦いの最中に大暴れして頭部が汗でメッチャ湿っていたとしても、また彼が勢い良く飛んでいる際に空気中の汚れや車の排気ガスでちょっと有毒的なパンに変化してしまっていたとしても、それは紛れも無いパンな訳で、その子はとってもお腹が減っているのだから貪る様に食べますよ。
つまりはそういう事なんです。名より実を取るのが人間の本能なんですってば。
そんな事よりどんな事より、献血センターのスタッフから言わせれば彼に対して「余計な仕事を増やしやがって」と思っているに違いありません。こちとら血を抜くサポートをするのが仕事なのに、何でその逆の手伝いをしなくちゃならんのだ。血を貰ってしまった後の人間に用なぞ無い。。ってのが正直なところだと思います。
でも何がツライって、献血センターのスタッフと言うと穏やかで優しいと言うイメージがあるじゃないですか。実際彼らは「血を下さい」とお願いする側の人間なのだから低姿勢で接して来ますモンね。でもって彼ら彼女らも自分がその様に見られている事を自覚しているから、内心では「チッ・・・。ったくよぉ、このボケ。自分の器量を考えろってんだ。血ぃ抜かれて貧血起こしてどないすんねん。しかも強制じゃなくキサマから進んで希望して来たんだろうが。根性見せろや」と思っているに違い無いんだけど、そんな表情は顔が裂けても出来ないのですよ。
だからねそれでね。俺が言いたいのはそういったところまで空気を読め、って事なんですよ、献血する側の人間としても。
ちょっとヒーロー的気分になって「献血でもするか。俺って優しさの塊りでカッコイイぜ、ィヤッフ〜」なんて自己満足に浸る前に、オマエちゃんと昨夜寝たんだろうな、ご飯しっかり食べてんだろうな、と。まずそういった事に注意しろって事ですよ。
だから足の裏にガムをくっ付けて献血しよう、なんてのは問題外です。
そりゃ献血センターのスタッフは表向き天使を演じているんだから、それに気が付いたら取ってくれますよ。でもね。きっと心の中では舌打ちしているんですって。
アレですよ。血を抜かれている時、俺らの側の立場の人間は完全にノーガード戦法なんです。血を抜かれている状態では手も足も出ないんです。
そんな時にスタッフの機嫌を損ねさせてみなさいよ。絶対に腹いせで通常の3倍の血を抜かれますから。「はい4リットル頂きました」なんて平然とした顔でシレっと言われるに違い無いんです。
まぁそう言った事も含めましてね。
つまりは自分の努力と気合いで出来るだけ不毛な行動はつつしもうじゃないか、って事が言いたかった訳ですよ。


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