<味覚ゼロ>
セミハードチーズと言う種類のチーズがある。
外部のパッケージを剥がすとオレンジ色をした中身が現れるのだが、これはロウソクと同じ素材で出来ており、本体のチーズはこのロウの中に存在している。
初めてそのチーズを見た俺は、普通にそのロウごと食べてしまった。
オレンジの中に白いチーズ。なるほどセミハードチーズと言うのは2重構造になっているチーズなのだな、と納得しながらモグモグ食べていた。
しかし一緒に居た友人hiroはそんな俺をいぶかしげに見て「それ、剥がして中身だけ食べるんじゃないのぉ?」と言ってきた。
うっすらそんな気もしたのだが、いまさら負けを認めるのも嫌だったし、その時は決して不味いものとは思わなかった事から俺は「いや、結構イケるよ」と言ってのけた。
ところが食べ続けているうち、オレンジ部のロウを裂けと言わんばかりのヒモが出て来てしまい、果たして俺は有罪となった。
<ミクロマン>
玩具メーカーのタカラ(だったと思う)が1970年代中盤に発売した全長が10cmほどのソフト人形。関節が可動式なところとグリーンやオレンジの半透明ボディが特徴。元ネタとなるテレビ番組やコミックが存在しない玩具メーカーオリジナルのキャラクター。
痩せ細った体と妙にリアルな顔つきが俺からすればとても気味悪かったのだが、どういう訳か爆発的にヒットした。シリーズ化もされ、あらゆるタイプのミクロマンが続いて登場した他、乗り物や基地も追って発売された。
全く興味が無いながらも流行物に弱い何でも欲しがる俺は、例によって父親に買って貰う様ねだった。そしてある時サプライズ的にそれをプレゼントされた俺は、喜び勇んで箱を開けたのだが、中に入っていたのはアクロイヤーと言うミクロマンを更に不気味にした敵方の人形だった。
<「ミサイル発射!」>
アニメ「機動戦士ガンダム」のオデッサ作戦において、劣勢に立たされたジオン軍のマ・クベ司令が南極条約に違反する核ミサイルの発射を狂気に満ちた表情で言い放った時のセリフ。
この時はニュータイプの素質に目覚め始めたアムロ・レイ操るガンダムのおかげで何とか難を逃れたが、通常はこの様な事態を避ける為にどんなに相手を追い込んでも必ず逃げ道や妥協点を用意しておくのが外交政策を含めたひとつの戦術と言える。それは現在の北朝鮮に対する米国の手法を見れば明らかである。よってこの時指揮を執っていた連邦軍の最高司令官レビル将軍の作戦は完全に誤りである。
そんなだからソーラレイに焼かれてしまう。甘いのだよ。
<「湖の中にローマの町が眠っていたなんて・・」>
「ルパン三世 カリオストロの城」のラストシーンで、カリオストロ公国の長きに渡る謎が解けた際に王女クラリスが呟いたセリフ。
これを聞いた無学の俺は「つまりはイタリアの首都であるローマが沈んでいたと言う事になるから、あの話はだいぶ未来の話なんだよね。でもその割りにパトカーなんかは古臭いんだよねぇ」と友人のhiroに話したところ、hiroは「ローマと言ったってそのローマじゃないよ(昔のローマ帝国の話だよ)」と返してきた。
その意味が全く理解出来なかった俺は「じゃあローマって何だよ!ええっ!?」と烈火のごとく怒り狂いクールなhiroを呆れ返らせた事がある。
<「観てるんだよ・・!」>
居眠りをしていると思いテレビを消そうとした時のお父さんの発言。
何もそこまで意地になって起きている事を主張しなくても良いのに。別に怒っている訳じゃないんだから。
<「見なかった事にしておいてくれ」>
「さらば宇宙戦艦ヤマト」についてのプロデューサー西崎義展の心の声。
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