羅生門
テレビ朝日系列で水曜日の夜9時から放送している刑事ドラマです。原作は漫画で、ビックコミックオリジナルに掲載されている様です。
これも俺は原作を知りません。
「羅生門」と呼ばれる東都警察署の刑事課が舞台になっているのですが、署内はとても警察とは思えない荒れ様で、働いている刑事達もヤクザやチンピラにしか見えません。
そんな所に転属となったのが主人公の女刑事である紅谷留美です。彼女は勤務中の事故で亡くした夫の意思を継ぐべく刑事になりました。幼稚園児の息子にとって彼女は何処にでも居る優しいお母さんという感じなのだけど、仕事に対する情熱は熱く徹底して正義を尊び悪を憎むという精神を持っている様です。
それに対して東都警察の刑事課には、勤務中でもキャバクラやサウナに行ってしまう刑事や元チーマーで雰囲気はそのままの刑事、多額の借金で返済に困っているにも関わらず「それが生き方」と訳の分からない持論を信条とする刑事、更には警察署の前でおでん屋の屋台を開く刑事課長という、およそ真面目な主人公にとっては理解し難い面々です。
そんな連中に苛立ちや怒りを覚える彼女でしたが、一見分からなかった彼らの高いスキルや根底に流れる刑事の血を、日を追う毎に感じ始め次第に打ち解けていく様になります。このドラマは原作者が脚本も手掛けているらしく、より話の内容も原作のそれに近いものになっているのではないかと思います。
設定が面白そうだった事と、演じる俳優陣が舘ひろし・森本レオ・佐野史郎・遠藤章造(ココリコ)・伊東四郎と何気に俺の好きな役者が揃っていた事で観ようと思いました。あ、主人公の役は木村佳乃が演じています。木村佳乃は個人的に好きでも嫌いでもないです(笑)。
テレビでは原作の何本かのエピソードを実写化していると思われるのですが、1クールに話を収めなくてはならない理由からか、真面目な刑事の主人公が東都警察の雰囲気やクセのある刑事課の連中と馴染む過程に無理がある様に思え、観ていても少し不自然に感じられます。
また、毎回気持ち的に感情移入をし易い登場人物をあっさり殺してしまう脚本も個人的にはどうかなぁと思いますが、これは作り手の作戦なのかも知れませんね。
他、物語の進行や背景に違和感を感じるなどの不満点はいくつかありますが、上手い役者が揃っているのでなかなか見る側としても入り込めます。
俺が一番注目しているのは、コテコテの関西人であるココリコの遠藤が如何に上手に標準語を喋るか、と言ったところです(笑)。今のところ完璧と言っても良いと思います。
刑事物としては特に新しいファクターが取り入れられている訳でもないのですが、出演者が豪華と言うところでドラマとしての見応えはあるのではないかな、と思います。