<リアルロボットアニメ>
素性の分からぬ博士的な人物が作り上げたロボットを、これまた何だか分からぬ理由で選抜された主人公の操縦士が「正義の為」と言うある意味ざっくばらんな道理で、ドロドロした感じの如何にもな悪と戦っていく作品がロボットアニメなのに対して、後付けであってもロボットの存在する根拠がそこにはあり、そのロボットをちゃんと兵器として扱い、加えて戦争の背景もしっかりしていて大人でも無理なく作品に感情移入が出来るのがリアルロボットアニメである。
「機動戦士ガンダム」以降のロボットアニメと言えばこのカテゴリーに含まれる作品が多い。
上記に記した通りリアルロボットアニメではあくまでもロボットを兵器として扱っているので、「光子力ビーム!」とか「超電磁ヨーヨー!」とか武器名を絶叫する事はない。その代わり「ちいっ!」とか「やらせるか!」とか情緒不安定的な雄叫びは多い気がする。
<リアル過ぎロボットアニメ>
機動戦士ガンダムに端を発したリアルロボットアニメ。そこにエスカレートし過ぎた感のある「太陽の牙 ダグラム」と言う作品が日本サンライズ制作で放送された。
まず度肝を抜かれたのが、「ダグラム」と言う名の主役ロボットが放送開始から10話近く経過して初めて登場する点。物語のスタートが必ずしも主役メカの露出と一致する必要は無いと言う考え。 −リアルだ−
そして、ロボットのモニタカメラではリアクションが鈍く精度が低い事から、ダグラムの操縦は常に目視で行っていた点。よって視界を明瞭にする為にコクピットである頭部はガラスで囲まれておりダグラムには顔が存在しない。人間と同じ様にロボットまで顔を作る必要は無いと言う考え。 −とてもリアルだ−
更に、鉄のかたまりが二足歩行するにはその速度にも限界があると言う観点から、ダグラムの走行スピードは最高でもたった時速55km。一般道路の自動車に設けられている法定速度もきっちり守れるセーフティスピードとなっている。 −なんとリアルだ−
また、ひとつの国家の内紛からレジスタンス活動による独立までを詳細に描いた派手さの無いストーリーにおいて、突き詰めればそこにロボットなぞ存在する必要すら無いとも取れるストーリーが、当時の小・中学生にとっては非常に理解に苦しむ点だった。勧善懲悪は実際この世に存在しないと言う世界観をこれでもかとばかりに前面に押し出した内容だった。 −確実にリアルだ−
主役はレジスタンス側の人物なのだが、ゲリラ兵と言えばやはり薄着で砂っぽい格好をしているもので、統一された戦闘服なぞある訳がなく、主役はもちろん登場人物の多くが日に焼けて薄汚い格好をしていた。 −乳首表現が実にリアルだ−
上記の度が過ぎる数々のリアル感に当時のアニメファンの多くが付いて行けなかった事に加え、同時間帯の裏番組で同じロボットアニメながらファンタジー色の濃い「六神合体ゴッドマーズ」と言う作品に多くの女性視聴者を持って行かれた事も相俟り、飛ぶ鳥を落とす勢いだった当事の日本サンライズ(サンライズ)にしてはこの太陽の牙ダグラムの視聴率は芳しくなかった。
<リモコン・ラジコン>
リモコン:リモートコントロール
ラジコン:ラジオコントロール
の略。
それぞれ方式の異なる無線機器の名称。
これを利用したオモチャの自動車をラジコンカー、リモコンカーと呼ぶ。
昭和50年代初頭、この区別が出来なかった俺は「ラジコン=無線」、「リモコン=有線」と勝手に認識していた。
今の子供達には信じられない事かも知れないが、当時本当に手元操作する機械から自動車までが線でつながっている「リモコンカー」なる玩具が存在していた。発売当初は子供が歩く程度の速度しか出なかったので、実際操作しながら車の後を付いて行く事が出来たのだが、後の改良によって全速力で走っても子供の脚ではとても追い付けないほどに性能がアップしてしまった。スピード向上に尽力するより有線を無線にする事の方が先だろう、と今なら確実にツッコミを入れるところだが、与えられる物が全てと考えていた少年の俺は、有線で走るリモコンカーに付いて行く為に脚を鍛えようとさえ思った事があった。
<両雄並び立つ>
英雄的実力を持つ者は二人同時に存在出来ない「両雄並び立たず」と言う言葉が変異したもの。
ライバル関係にある者同士は互いに切磋琢磨し実力を高め合っていく、と言う意味で使用されている。
野球で言えば「阪神VS巨人」、ガンダムで言えば「シャアVSアムロ」、最近の女子フィギュアで言えば「浅田真央VSキムヨナ」と言ったところだろう。また異例な部門として元男性の「椿姫彩菜VSはるな愛」が挙げられるが、これは正確には色々な意味で違っているかも知れない。
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