地球温暖化クライシスですよホントに。
ずいぶん前から問題にされていたものの、正直言って俺は個人的に今まで何もしていませんでした、地球の為に。
去年はこの暑い時期何かと言えばエアコンでした。
家に帰ったらまずエアコン。
シャワーから出て直ぐエアコン。
ご飯の前に即エアコン。
小脇にかかえてほらエアコン。。。
と言うか、家に居る間は常にエアコンかけっぱなしだったんです。
環境破壊省の大臣クラスに匹敵する行いでした。
それに呼応する格好で7・8月の電気代は2万円オーバー。。。
ありえん事だ。。
地球とお財布に優しいクールasamとしてそれではイカン。と言う訳でこの夏は心を入れ替える事にしました。
決めた。。ぜってーにエアコン使わねぇ。。。
で、実家で使わないからと言う事で頂いた扇風機が押入れにしまってある事を思い出したので、早速そのダンボールをえっこらと取り出したんです俺。
でも、なんかそのダンボールって凄い薄いんですよ。
うーーん・・?
薄型冷蔵庫や薄型洗濯機と言うのは聞いた事あるけど、薄型扇風機なんて知らないぞぉ。。。
だって幅が15センチくらいの平べったいダンボールに入っているんですモン、彼。。。
でも開けてみて分かったんだけど、実は組み立て式だったんですね。
なるほどぉ。。。ついに扇風機もコンバトラーVや鋼鉄ジーグの世界に追い付いて来た訳だな。。
でも感心したのも束の間、直ぐに俺は呆然としてしまいました。
バラバラの彼はかなりの数の部品点数だったんです。
しかも取り扱い説明書が見当たらない。。。
よって正確な組み立て方法が分からない。。。ってなモンです。
勘を頼りにやるしか無いんだけど、俺ぁプラモデルとかスゲエ苦手なんですよ。
ガンダム大好きでもガンプラにだけはハマらなかったくらいですから。
そんな半信半疑の状態で俺は組み立てにかかりました。
でも持ち前の手先の器用さで何とかいい線まで行ったんですね。
ところが持ち前の詰めの甘さで何か変な丸い輪っかが1個だけ残ってしまったんですよ。
ただ見た目バッチリだったのでこれでOKと言う事にしました。
ふっ。。。これで地球に優しいクールasamの本領発揮だぜ、、、とニヒルに笑いながら俺は扇風機のスイッチを入れようとしたんだけど、なんかこの扇風機ってばスイッチが無いんすよ。
そんなバカな、と思うじゃないですか。
こんな実物大の扇風機のイミテーションなんて知らない。。。
パスタに絡まってフォークが浮いているスパゲティーの見本しか知らないっすよぉ。
ところが彼の台座部分を良く見てみると、ポッカリとビスケットサイズの窪みがあったんです。
で、そこにセンサー受信の様なものがあったんですね。
はっは〜〜ん、なるほどぉ。。。
つまりこの扇風機はリモコンなのかぁーー。この窪みにリモコンをハメ込むんだなぁー?
へぇーー。。
でもなんかアレだな。
生意気だな。
何たって俺たち昭和一桁世代にとってリモコンと言ったら、夢の近代兵器ですよ。
それに対して扇風機なんつったら明治時代辺りに発明されていそうですよね。
そんな古典的なマシンにリモコンが付いてるとは。。。。
戦国武将の鎧かぶとにインターネット機能が標準装備されている様なモンですよ。。何じゃそりゃ。。
まぁ良いや、それは良いや。
とにかくリモコンだ。
と思ってダンボールをあさってリモコンを探したんだけど、それらしき物が入ってないんです。
あっれー?
一瞬この扇風機を組み立てている時に、部品と間違えて一緒にリモコンも何処かにくっつけてしまったのかと思ったんだけど、俺だってもう直ぐ40になる大の男ですよ。
いくら何でもそこまで天然では無いです。
こりゃひょっとしたら実家かも知れないなぁ・・・。親に電話して確認してもらわなイカンなぁ。。とか考えていたんだけど、ここまでリモコン捜索活動に力を注いでいたモンだから、一気に体から汗が吹き出て来たんですね俺。
いや、リモコン無くたって本体の何処かに主電源らしきものがあるだろうと思って、俺は扇風機本体の隅から隅までを探したんです。
でもスイッチは何処にもありませんでした。
うぇ〜?
そんなんあり?
リモコンと言うワイヤレス的な物なんて、絶対に失くす可能性大じゃないっすか。。
アレか?
電機メーカーはそうやって敢えて失くしやすいリモコンのみに主導権を握らせて、実際紛失させてしまった客から新たなるリモコンを購入させようと言う計画か?
リモコン・ワンマン主義推進者か?
ナメてやがるな。。。
とか色々とメーカーの魂胆を考えていたらムカムカしてきて、体が余計に熱くなってきてしまったんすよ。
うっぎゃぁーーもう我慢出来ん!!とばかりに、さっきの固い決意はどこへやら、俺は一気に地球を裏切る形でエアコンをガンガンに掛け捲りました。
そして暫く頭と体を冷やした後、再度リモコン捜索活動に取り掛かろうとしたんだけど、その前に一応実家に問い合わせてみよう、と思ったんです。
したら母親が電話に出て
「あーー。なんか小さいのがあるわよぉ・・」
とか言ってきたんです。
よっしゃーー!!
別に翌日でも良かったんだけど、意地になっている俺は即座に実家へ走りました。
しかし
「はい。これでしょ?」
と母親から渡されたそれは、20年以上前に俺が愛用していたステレオデッキのリモコンでした。しかも長いコードを本体に差し込んで操作すると言う、何とも古き良き時代を思い起こさせる代物だったんです。
いやぁー。懐かしいなぁー。。そうコレコレ。これをね、扇風機のプロペラに差してね。グルグルグルグルグルグルグルグル。。。って回るかぁ!!!
「何言っちゃってんだよもぉー! これコードが付いているじゃんか! しかも小さくねぇし!」
と俺は文句を言ったところ母親は
「いや、扇風機って言うからさぁー」
とどう突っ込んで良いのかサッパリ分からないリアクションをかましてくれました。。
老いたな。。母上。。。
俺は肩を落として家に帰りました。
でもって押入れだ何だを探した挙句、やっとこ引退した携帯電話達が集まるガラクタ箱の中にそれらしきリモコンを発見したんです。
全く面倒かけさせやがって。。。
リモコン電池が切れていたので、それを交換して何とか扇風機は無事に動きだしました。
ところが最初は快調に動いていた彼が、ガラララララ!!!とか言う音を立て始めたんです。
何だ何だ!?
ビックリして彼を良く見てみたところ、安全カバーの中でプロペラが見事に外れていました。
どうやら組み立て時に余った部品はそれを止めるモンだったのです。

ああ、そう言えば数少ないプラモデル経験の中で戦艦大和を作った時、作業工程を端折って艦体の魚雷発射口の作りをいい加減にしたところ、地元プールでの進水式において発進後間も無く艦内に浸水し始め、10秒と経たずに俺の大和は沈没してしまい、正に大戦中の本物の大和よろしく全く役に立たずにその一生を終えると言う、非常に悲しい思いをした事を思い出しました。

作業工程はしっかりと。。。
改めて教訓となりました。

で、それ以降は今のところエアコンを使わずに何とか頑張ってますわ。。えっへっへっ。。。


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