<遅延証明書>

公共交通機関でトラブルによる運行遅れが発生した場合に発行される証明書。これを会社へ提出すれば遅刻扱いにならなくなる。
俺の上司の課長はこの証明書を何故か数枚机の引き出しに忍ばせている。
その必要が無かったのか、その必要な時の為に取っておいているのか。日付が印字されているであろう事から後者は考え難いが、その場を切り抜ける為には偽造もやりかねない上司なので何とも言えない。


<チャック>

@漫画「ピーナッツ」の登場人物であるペパーミント・パティが、主役のチャーリー・ブラウンを呼ぶ時の愛称。
Aファスナーの通称。
B世界まるごとHOWマッチに出ていた口の悪い筋肉バカ外人。


<チェック>

普通に確認と言う意味で現在は使用されているが、20年ほど前はまだこの言葉はさほど頻繁には使われていなかった。
'80年代後半のバブル期、テレビ朝日の久米宏司会によるニュースステーションの番組内で「金曜チェック」と言う1コーナーが人気を博し、以降他局でもそのパクリ番組やコーナーが蔓延し、これを機に「チェック」と言う言葉は流行語となり定着した。
「金曜チェック」は、毎週「あなたの○○度チェック」と言うテーマが設けられ、視聴者が二十数項目のお題について○か×かを数えていき、○の数の量で「○○度数」を計る事の出来る、いわゆる心理テストの様相を呈したコーナーだった。
各お題項目がショートコント形式で作られており、演じる劇団「夢の遊民社」の演技の評判もあって非常に人気があった。
金曜チェック最終回は「あなたの玉砕度チェック」と言うもので、俺はほとんどの項目に当てはまり、自分がかなり玉砕的性質を持っている事を自覚したものだった。


<チャリンコ(チャリ)>

自転車の俗称。
自転車を趣味としている人に対してこれを言うと嫌な顔をされる事が多い。
更にストイックに自転車を崇高なるスポーツと考える人とは、この発言が発端で争い事にもなり兼ねないので注意が必要。
名古屋では自転車の事を「ケッタ」と呼ぶらしいが、この用語に対してはこの限りではない。


<中性子爆弾>

中性子を爆散させる事で建造物には殆ど被害を与えず生物のみを殺傷していく爆弾。中性子は鉄や鉛も透過するので戦車や装甲車に搭乗している人間にも効果がある。ただ、爆散範囲がだいたい半径1kmと狭いのが欠点。広げるために爆発力を高める事も出来るが、それでは建物を破壊してしまい本末転倒となってしまう。
この欠点を補っていたのがアニメ映画「宇宙戦艦ヤマト ヤマトよ永遠に」の敵方「暗黒星団帝国」が地球に放った「重核子爆弾」である。爆発による風圧や衝撃波は皆無にもかかわらず1発を以って地球の生命体全てを死滅させる事が可能だった。
これを見たヤマト乗組員の真田工場長は一瞬で上記の性能を完璧に言い当てた。初めて遭遇する異星人の最先端技術を一目モニタ越しに見ただけで全てを把握してしまう辺り、さすが自身の両腕両脚に爆弾を仕込ませているだけの事はあり、爆弾にかけてはお手の物なのだろう。


<超合金>

正式な名前は忘れてしまったが、昭和40年代初めに生まれた男子にとっては「超合金」と言えば玩具のロボットだった。恐らく玩具メーカーであるバンダイやタカラと言った企業が製作販売していたと思われる。
超合金ロボットの代表と言えば「勇者ライディーン」で、かく言う俺も所有していた。宣伝の触れ込みとしては「ゴッドバードにも変形!」と言うものだった。本編のTVアニメでライディーンはロボットから飛行形態に変形するので、それを忠実に再現した、と言う事を訴えたかったのだと思う。
しかし、実際超合金の方は人型ロボット状態のライディーンに最初からプラスティックの羽が背部にくっついており、ゴッドバードに変形させる際にその羽を折り込む、と言うテレビで目にする変形シーンとは大きく違うものだった。その不可解な点を自身に納得させるのは子供心にも苦労した。
どういった経緯での思い込みだったのか「超合金」は鋼鉄をも超える強度の金属で、火山のマグマに付けても溶ける事は無いと俺は信じていた。マグマとか溶岩と言うのは俺の中ではとっても熱くて恐ろしい存在だったので、その威力をも弾き飛ばす超合金の性能は誇らしくて堪らなかった。「もしこの金属に囲まれた空間に居られれば何も怖いものはない、俺は最強だ」と妙な妄想にふけってヘラヘラしていた。


<超電磁ロボ コンバトラーV>

昭和50年代初めに放送されていたロボットアニメーション。
5機の機体が合体してロボットになるシステムを取った初めてのアニメだったと記憶している。
ロボットアニメと言うだけでも当時はヒット間違い無しのところ、そこに「合体」なぞ言った子供にとって超魅力的な要素が加わったのだからウンチが我慢出来ないくらいに興奮してしまうのは俺だけではなかった筈である。
このコンバトラーVには、当時のヨーヨーブームに乗ってか「超電磁ヨーヨー」なる代表的な武器が搭載されていた。「ちょー、でんじヨーっヨーっ♪」と歌いながらヨーヨーを振り回していたのもこれまた俺だけではなかった筈である。
コンバトラーVは当然玩具としても販売されていたのだが(ポピーだったと思う)、合体可能な5機をバラ売りにしていた為、全機揃えなくてはコンバトラーVにならないと言う、一般中流家庭で育った子供にとっては非道とも取れる商法が行なわれていた。


<超ド級>

大艦巨砲主義の時代、英国は「ドなんとかかんとか」と言う名称の大型戦艦を建造したのだが、それを凌駕する為に日本海軍は大和や武蔵、長門等の巨大戦艦を造った。軍関係者はこれらの艦船が英国の「ドなんとかかんとか」を超える大きさから「超ド級」と呼称していた。
「ド迫力」や「ドでかい」と言う言い回しの「ド」も、元を辿るとそこから来ていると思われる。・・・たぶん。
確証が無く、あまつさえ由来と言われる英国戦艦の名称すらまともに覚えていないのに当語録に載せてしまうのもどうかと思ったが、ふと思い出した事でつい記載したくなってしまったド素人の俺の気持ちも理解して欲しい。


<「ちょっと一服」>

タバコを吸う人間が喫煙コーナーに居座る事は休憩とされるのに、タバコを吸わない人間がデスクでボーーっとしているのはサボり扱いされる事に納得がいかない。


<チンピラの立ち話>

日本一の漫才師と自称していた横山やすしが若い頃のダウンタウンの漫才をこう評価していた。
この事がよほど悔しかったのか、フジテレビの「ごっつええ感じ」で松本人志は「やすしくん」と言う、誰と言わずとも分かるキャラを登場させネタにしていた。視聴者からの支持を受けシリーズ化されていたのだが、ある放送の時「日本一の漫才師!死ぬ!」と言ってセットのセスナ飛行機から飛び降りると言うオチを敢行したところ、その放送から数週間後に本当に横山やすし氏が死去してしまい、以降やすしくんのコーナーが世に出る事は無かった。
松ちゃんの恨みは呪いに匹敵する様だ。



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