この作品は2007年8月18日より公開しているフルCGアニメーション映画です。
舞台は2077年。
他国を圧倒するほどのハイテク技術を身に付けた日本は、人工細胞を含めたアンドロイド製作を発表し、市場の独占を図ろうとするのですが、諸外各国より「国際協定に違反する」との事で大きな反発を受けます。
これを不服とした日本は2067年に鎖国政策を取る事を決定します。
日本の情報遮断は徹底していて、強度のジャミングによりサテライトシステムからの衛星写真でも日本国土を撮影する事が出来ず、日本の領海内に入る船舶もレーザーによる厳しい荷物チェックが行なわれるほどでした。
貿易そのものも全て日本人が携わっていた様なので、鎖国政策開始より10年間、日本を訪れる外国人は皆無に等しいものでした。
そんなさなか、ヒロイン「ベクシル」が所属するアメリカの特殊部隊SWORDが日本に潜入し、当時の日本を牛耳っていた企業「大和重機」を初めとする日本の機密情報を入手しようとするのですが。。。
何となく映画を観たかったのですが、いつも通っているシネコンで他に目を引く物が無かったので、、と言うのがこの作品を選択した理由でした。。笑。。
CGアニメについて俺は元々否定的でした。
CGアニメ作品は常に「リアル」を追求しているものだと思っていたのですが、その行き着く先は実写と変わらないものではないかと感じていたからです。
以前はそれを題目に掲げていても、決して「リアル」にはならなかったのですが、先端技術を駆使すればそれが決して無理ではなくなってしまった現在、敢えてCGアニメと言うカテゴリーにこだわるのはどうだろう、、と思っていました。
製作者側は、技術的にも予算的にも実写で映像化出来るスケールではない、と言ってはいますが、いずれにしても俺はCGアニメの位置付けって意味あんの?と感じているのです。
俺のCGアニメに対する意識は今も変わっていません。
ただこの作品に限って言えば、実写だろうがアニメだろうがCGだろうが、そんな事は関係無い、、そんなの関係ねえ(By小島よしお)でした。
驚愕の真実と物語の展開。。。そして設定。
全てが全く新しいものでした。
監督の曽利文彦氏が
「ベクシルは何にも似ていない全く新しいアニメ」
と公開前のインタビューで語っていました。
それを読んだ俺は
「へっ。。言ってくれるじゃん。。でも大概そんな事言ってても何か別のアニメに似てたりするモンなんだよねぇー。もしくは、似ている作品は他に無いけど全然内容がつまらないなんて事も良くあんだよねぇー」
とナメきってたのですが、これには完全にヤラれました。
監督の言う通り全く新しいアニメです。それもかなりレベルの高い。。。
マッドマックス2に情景が似ているシーンはありましたが、それは自然に受け入れられる許容範囲内の事です。
設定上、舞台となっているのは日本ですが、アメリカ目線で物語が進行している事から、当作品が米国を初め世界各国で上映されようとしているのも頷けます。
ただ、内容的に日本映画として見られる事は無いのかなぁ、、と思えてしまうのは残念なところですが。。。
また、主役級のキャラクターの声当てにプロの声優を起用していないのが物語のクオリティを下げる大きな要因であった事は否定出来ません。
しかし、それらをマイナスしてもこのアニメーションの出来は凄いと思いました。
あくまでも私見なので実際のところそこまで褒められる作品であるかどうかは不明なのですが、個人的には「まだ開けられていない扉」があったのだ、と思える衝撃的な映画でした。
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