大腿骨大転子部滑液包炎
(だいたいこつだいてんしぶかつえきほうえん)

●脚の外側に荷重をかけると、大腿から股関節にかけて痛い。
●慢性的ではなく、動作の始めが痛い。

 股関節の、大腿骨の外側の出っ張りを大転子と呼びます。この大転子と大臀筋腱(おしりの筋肉の大腿骨側の腱)の間には、潤滑液のようなものを包み込んだ袋があり、腱の滑りをよくする働きをしています。これを大転子部滑液包と呼んでいます。滑液包の前方には大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)という、腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)に連続する筋肉があります。

 この滑液包に炎症が起こると、大腿から股関節の外側に痛みが出ます。

 スポーツ等の運動を控え、湿布をしたり鎮痛消炎剤を服用して安静にしていると数日〜数週間で症状が軽減します。

 なお、弾発股(だんぱつこ)という類似した疾患もあります。

弾発股=大腿骨の外側部と靭帯との間で引っかかりがあるため、そこで炎症を起こし、股関節の動きで激痛を伴うことがあります。炎症が治まると無症状になったりします。
 運動に伴って「ポキッ」、「クリッ」などと音がしたり、バネのようにひっかかる現象を「弾発(だんぱつ)現象」といいます。この現象が股関節で生じた場合を「弾発股」と呼んでいます。
 腸脛靱帯のストレッチングをする、患部へのステロイドの注射等で症状が改善する場合があります。