パウダー状の殺菌消毒薬がスプレーされる商品がいくつかありますが、安易に使用すると、かえって傷の悪化を招くことがあります。
携帯にも便利なので、遠征に持っていく人もいるかもしれませんが、使う時には充分注意して使いましょう。
●傷口は充分に洗ってからつける。
細かいゴミや砂が残っていると、それに付着した細菌を
パウダーが一緒に封じ込めてしまうことになり、乾燥した表面の
下で、どんどん細菌が繁殖してしまいます。
●次にパウダーをスプレーするときには、前回つけた薬をきっちりと
落としてからつける。
パウダーが傷口をしっかり覆って乾燥してしまうため、その上から
重ねてスプレーしても、薬剤の効果がいきわたらないため、細菌の
繁殖は止まりません。「傷口がすぐ乾く」という宣伝文句のために、
浸出液などがしみ出してくると、「つけかたが足りない」と考えて
必要以上にスプレーしてしまいます。
そうするとますます薬剤が固着して落としにくくなり、
悪循環をまねきます。
●薬剤で傷口が覆われるため、傷の経過がわからなくなって、
もし悪化していても手当てが遅れてしまう可能性がある。
「じゅくじゅくするのは、つけかたが足りないから」
「なんだか痛むけど、まだ治っていないからだろう」
傷口が見えないので、悪化しているのに気づかず
適切な処置を行えないまま時間が経過してしまうことがあります。
●医師にかかるのであれば、スプレーはしない。
X線を通さない成分を含んでいること、傷口の状態が確認しにくいことから
医師にかかる必要があるような傷にはスプレーせず、
傷口を流水でよく洗い流し、清潔な布で押さえて診察を受けましょう。
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