リコンディショニング

 治療の間使わなかった筋肉や腱は、血液の循環などがさまたげられたために、柔軟性が失われたり、筋肉の萎縮が起こったりします。そこで無理をするとまた怪我をする原因になるので、患部の状態をみながら機能回復のための運動を行います。
 必ず、患部の腫れがとまってから始めます。また、一気に行うのではなく、段階を踏んでリコンディショニングにつとめるようにします。焦りは禁物!

●関節可動域の回復〜クライオキネティックス〜
 まず患部を氷水につけ、10〜15分ていどアイシングします。感覚が無くなってきたらぬるま湯あるいは普通の水につけて、関節を少しづつ動かして可動域を広げます。この時、痛みが出ない程度に動かすことが重要です。2分ほど行ったらまた氷水につけ、3〜5分ていど動かします。2回目以降は、氷水に2〜3分つけてはぬるま湯につけて3〜5分動かすという事を繰り返します。
 温度差をつけることによって血流が促進され、患部の回復に効果的です。
 大腿部など、氷水につけられない場合は、普通にアイシングをして、休憩時間の合間に軽くストレッチングを行います。くれぐれも痛みが出ない程度に行って下さい。
 この方法は、通常の運動をする時にも使えます。慢性的に傷害をかかえている部分に対して、ウォーミングアップ前に少し冷やしておくと、血流が促進されて、より効率的にウォーミングアップができます。

●筋力の回復
 傷害箇所に体重をかけても痛みがでなくなったら、アイソメトリック運動やアイソトニック運動を開始し、筋力の回復につとめます。

●筋持久力の回復
 ある程度筋力が回復したら、一定時間、最大に近いレベルで筋肉の収縮を続けられるように、何度も反復して動作を行います。

●敏しょう性、神経や筋肉の連係・協調性の回復
 傷害箇所をすばやく動かせるように、また、走る、跳ぶといった一連の動作が淀みなくできるように、何度も反復して神経を活性化させます。