その3・各部位へのマッサージ〜腰背部・肩・首

腰背部 |  | 


〜腰背部へのマッサージ〜

背中は広いうえに、表面だけでなく深いところにも筋肉があるので 順序だててマッサージすることが大事です。
まず背中全体を軽くさする事から始めます。
首のつけねのほうから腰までを一気に軽く押さえるようにしてさすります。
これを何回か行った後、 肩甲骨の上のほうから肩までを何回かさすり、
全体の緊張がとれたところでもみほぐしに移ります。
いきなり強い力で押さえると、筋肉に反射的に力が入ってしまうので、
あくまでやわらかいタッチでさすりあげるようにします。

腰部は、肩甲骨の下から骨盤の上あたりまでを、手の根元を使ってマッサージします。
スポーツマッサージの基本は、心臓から遠い方から近い方へ向かいますが、
この部分は、逆方向にマッサージしてもかまいません。
前腕部を使って広い範囲に圧力を加えるのも気持ちよいです。
表層部の筋肉がほぐれて深部の筋肉の状態がわかるようになったら、
脊椎の横を両手の親指を重ねて徐々に圧力を加え、 位置を少しづつずらしながらマッサージします。
くれぐれも、直接脊椎を押さえないようにしてください。 炎症を起こす原因となります。
横向きになると表層の筋肉の緊張がゆるむので、 腰の深部の筋肉へのマッサージがしやすくなります。
親指を使って、ゆっくり揉みほぐします。

セルフマッサージ
○仰向けに寝転び、腰の下にこぶしを入れ、身体をゆするようにしてほぐす
○梱包用のウレタンフォームなどを棒状にまるめ、
 その上に寝転んで身体を移動させ、ほぐす。あまり柔らかくても効果がない。

臀部にもかかわってきますが、骨盤上部の大殿筋の付着部もよく揉みます。
そうすると、大臀筋の緊張がゆるんできます。
こちらも、骨の上をあまり強く押さえ過ぎないように。

セルフマッサージ
○後ろ手に手をまわし、手の届く範囲を揉む
○握りこぶしをつくり、とんとん叩く

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〜肩へのマッサージ〜

肩は、三角筋から僧帽筋にかけて、手でつかむようにして揉みます。
指先に力を入れすぎないよう、手のひら全体でつかむ感じでマッサージします。
座ってマッサージを行う場合、前後から両手のひらで筋肉をはさむように
ぎゅっと圧力をかけると気持ちが良いです。
肩甲骨の周囲にも、表面には見えてきませんが、筋肉がいろいろと付着していて、
これらが凝ってくると腕の可動範囲が狭くなったりします。
あまり凝りがひどいと、血流が阻害されて腕がしびれてきてしまいます。
うつぶせの状態でマッサージされる人の腕を内側に曲げさせ、手を背中の上に乗せて、
指先を背中の筋肉と肩甲骨の間に入れて、肩甲骨をひきはがすような感じで持ち上げます。
決して荒っぽくしないで、マッサージされる人に気持ちいいか確認して行います。
(脱臼歴がある人には、行わない方が無難でしょう)
手の側面を使って肩甲骨のきわも揉みます。

腕のつけねも、手の根元を使って揉みます。 腕を胴体から離し、圧迫するようにしてほぐします。
くすぐったがる人もいますので、コミュニケーションをとって行って下さい。
(腕の項も参照してください)

セルフマッサージ

○三角筋を大きくつかみ、揉む。
 大胸筋もセットにして揉むと、肩まわりがほぐれる

○腕を横にあげて脇を開け、
 脇の下のくぼみに手をいれて、はさむようにして揉む。
 前後ともに行う            (右図参照)

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〜首へのマッサージ〜

ここは、とても凝りやすいところです。 レースの後などに首のこりに悩まされる人も多いでしょう。
前傾姿勢をとりながら頭を引き上げて走るのですから、筋肉にかかる負担は相当なものです。
脊椎の両側を筋肉の走行に沿ってさすり、親指や四本指を使って丹念に揉みます。
僧帽筋は背中までつながっている大きな筋肉なので、背中が凝っていると
連係して痛みをひきおこすことがあります。逆に首の凝りから背中まで痛みが広がることもあります。
手の付け根で両肩をいっぺんにもみほぐし、首につながる緊張をほぐします。
筋肉が硬いからといって無理にほぐそうとすると、かえって揉み返しを起こすので 、
周囲の関連する筋肉も一緒にほぐし、ストレッチなどと併用しながら行うことが大事です。
頭蓋骨に僧帽筋などが付着している箇所や、首の前側の筋肉が付着する耳の後ろなどを
マッサージすると筋肉の緊張がとれます。 肩を大きくつかむようにして揉みほぐす時には、
首の近くをあまり強くつかむと マッサージされる人が苦しいので注意します。
細かい筋肉が集まっているので、指先で筋肉の流れを意識しながらマッサージするとよいでしょう。

セルフマッサージ

○僧帽筋を、逆の腕の手指をひっかけるようにして揉む
 (右肩を指圧したい場合は左手で。右図参照)
 ※筋肉を押さえた状態で、
  押さえた方と反対側に首を倒していくと、
  効果的に指圧できる

○両手の指で頚椎の両側を揉む

○首の前側も、四本指をあててこねるようにして揉む

○耳の後ろや、頭蓋骨のきわ、僧帽筋が付着する辺りを
 指で揉む。男性の場合、頭蓋骨の後ろに
 大きなでっぱりがあることが多いので
 そこから指1本下がったくらいの周辺をめやすにする。
 女性でも、男性ほど派手ではないが
 盛り上がっている部分があるので参考に。
 (ヒトが四足歩行だったころ、首を支えていた筋肉が
  付着していた場所のなごりだそうです)

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〜〜〜〜〜〜この項おわり〜〜〜〜〜