冬の空 2009.12.22

凍えながら
見上げた空に
大きなオリオン座

ねぇ、今日は星がすごく綺麗
あなたに教えてあげたい



手 2009.12.22

空を見て
あなたかもと感じるときもあるけれど
冬の空は
寒すぎて
夜の星は
強すぎて
やっぱり隣にいて欲しい

星になって
キラキラしてくれるより
ただ小さな手 握って欲しい



ひとりぼっち 2009.12.22

今日あった出来事
読んだ本の感想
テレビへの突っ込み
お天気の話
次の休みの相談

あなたとなんでも話してた
いつもいつも話してた
話してないときはキスしてた
それか眠ってた

ねぇ、どうしよう・・

ひとりぼっちじゃん

ただいてくれればよかったのに

あなたの笑顔が私の未来だったのに・・



祈り 2009.12.21

あなたと出会えた幸せ
あなたを失った不幸せ

シーソーに乗せようにも
あなたはいない

わたしひとり
地面についたお尻が冷える
見上げれば群青の空
颯爽と駆け抜ける
ほうき星

死に行く光
捧げたい愛

祈りがどうか届きますように・・



忘却 2009.12.21

死ぬと悲しいから犬は飼わないと母親は言っていた
死ぬと悲しいから恋人は作らないと私は思った

数年後、母は犬を飼いはじめた
笑いながら可愛いと言う

忘れてしまえばいい
悲しみも思い出も

いつか、私も恋人と笑うだろうか

掛け替えのないものを
掛け替えのないものへ
移して行くのだろうか



復讐 2009.12.21

あなたは私を愛せなくて苦しい?
私もあなたを愛せなくて苦しいよ
あなたが嫌がることをわざとしたい
倒錯的な思いにかられるの
ささやかな復讐でも企んでいるみたいに

バカでしょう



運命 2009.12.21

人が死ぬのは誰のせいでもないのかな
殺された人は殺した人のせいではないのかな
いろんなことが重なり合い消える運命なら
私という歯車がなければ命は繋がれていたのかな

わからない
なにもかわらずに
生きているのが
つらい



ともしび 2009.12.21

わたしはいるの?
あなたは死んだの?
わたしは生まれたの?
そしていつか死ぬの?

本当かな

なにもかもが作り話でも
おかしくはないよね

わたしの存在なんて・・
吹けば消える夢

ゆらめく炎
さぁ、蝋燭を消して



出会う 2009.12.21

あなたの光で
わたしは生きていた
あなたの声で
わたしは目覚めて
あなたの手で
わたしは感じて
あなたの体で
わたしに戻って
あなたの唇で
わたしに触れた

あなたの全てで
わたしはわたしを知り
愛の強さと美しさに
酔いしれた

あなたのいない今
わたしはわたしを
綺麗さっぱり見失った

手を伸ばしても
声をあげても
どこにも行き着かない

それでも
愛は消えない

わたしはもう一度
わたしと出会う

あなたの愛したわたしと出会う

わたしの中にあなたがと・・
ただひたすらに願いながら



ふくらむ寂しさ 2009.12.21

あなたがいないと寂しい
でも誰かで紛らわすこともできない

寂しさが八方塞がり
密室の中で
いったりきたり
行き場所がないのがわかると
どんどん容量が増えるんだ



新しい水 2009.12.19

猫が通っても
風が吹いても
太陽が昇っても
あなたかと思っていたけれど

わたし
ひとり
ゆっくりとひっそりと
生きかえった

地球にひょこんと
芽をだした

新しい水を飲んで
伸びをする



口づけ 2009.12.19

ワイングラスも
コーヒーカップも
お皿もお箸も
ふたつずつ

しまうにしまえない
なのに見ると悲しい

使われない食器に
そっと口づけ



あなたのぶんまで 2009.12.19

美味しいものは
二倍食べよう
あなたのぶんまで
嬉しいときは
二倍笑おう
あなたのぶんまで

そして
悲しみは寂しさは
朝日に溶かそう

あなたの微笑みに
そっと手を伸ばして

忘れよう



箱舟 2009.12.19

身をまかそう
大きな流れに

私になんの力があるというのだ

ただ目を閉じて
手足を伸ばし
浮かぼう

小さな草の箱舟として

青く深い海に
ぷかり
ひかる
いのち



クールな空 2009.12.19

命は命として
愛が愛として
死は死として

葉を落とした
枝と枝

間にはひやっとする
クールな空が



思い出すだろう 2009.12.14

人は慣れる
寒さに
暑さに
悲しみに
それしかなければ
慣れて行く

そして
なにも感じなくなる
寒さも暑さも悲しみも
わからなくなる

それでも時折思い出すだろう
木漏れ日が差せば寒さに震えていたと
風が吹けば暑さにうんざりしていたと

愛に出会えば
悲しみに包まれていたと

いつの日か思い出すだろう



いくよ 2009.12.14

あなたが呼んでいるような
気がする

だとしたら
行くよ
なんの躊躇もなく

あなたといくよ



右手 2009.12.11

右手が冷たい
指先から腐り始めた

私のつかむ林檎は変色し
私の弄ぶ花は異臭がする

目はぐるんとまわり
左目は空を
右目は地獄を見てる

唇はめくれ
赤いよどみが噴出す

私の見る夢にはナイフが刺さり
切れ目からは死が顔を出す

そこであなたに会えるなら
右手を置いてくるのに



誰の歌 2009.12.11

手がない
足がない
顔がない
胸がない
声がない
息がない
命がない

地球になにもなくなった

暗闇で揺れる篭

産み落とされたひなどりが
忘れ去られたひなどりが

餌を求める
目も開けずに
羽を閉じる
空を知らずに

暗黒から聞こえるのは・・
誰の歌?



傷 2009.12.11

傷つけたい
痛いなら
楽だろう

あなたのいない
苦しみが
紛れるだろう

傷つけたい
でも、どうやって?

あなたの愛した私を
あなたを愛した私を
どう
傷つけよう



どちら 2009.12.11

前向きに生きる
それはどういうことなのか

前とはどちら?
あなたの傍が私の
前のはずじゃないの?

私の少し前をあなたは
いつも歩いていたじゃないの

私の向かう先にあなたと
未来が待っていたじゃないの



あなたと 2009.12.11

あなたといきたかった
つらかろうとつらくなかろうと
楽しかろうと楽しくなかろうと
愛そうと愛されようと
死のうと生きようと

あなたといきたかった



誘惑 2009.12.11

悲しみから逃げることが
死に勝つことだった

逃げ切れるはずもなく
今もそれはとても魅力的に
わたしの隣で囁く



一心 2009.12.11

あなたの目が私の目に
あなたの手が私の手に
あなたの体が私の体に
あなたの心が私の心に
あなたの未来が私の未来に
これからなっていきますように



pianist 2009.12.11

いたずら好きな小人がpianistの肩にのる
僕が踊れるように
軽快にはねてと

さみしがりやな小人がpianistのを耳元で囁く
涙をぬぐう風のように
優しく弾いてと

甘えん坊の小人がpianistの膝にのる
子猫のように眠りたいから日だまりのような
子守唄をお願いと

pianistを愛する小人は
ただpianistを見つめてる
彼女の両手は
さざ波のようになめらかに
時には激しく
白と黒を行き来する

小人はpianistの指先に
春風ようなキスをする
星のようなキスをする
花びらのようなキスをする
朝露のようなキスをする

指先はさっきよりも軽やかにいきいきと音を編む

音楽が空へのぼるころ
小人たちは、またねと手をふって帰って行く
ウィンクからこぼれる音符をすくって
pianistは嬉しくて太陽のように笑う

朝日を浴びてPianoがきらきらと輝いてる

pianistを愛する小人は
ただpianistを見つめてる



会いたい 2009.12.3

どこかへ行きたい
どこかへ行けばあなたに会える気がしてしまう

どこへ行ってもいないとわかってるのに
あなたに会いたい

会って死にたい



ひと 2009.12.3

あのひとが
いなかったら
会わなかったひと

あのひとがいないから
出会うことに
なるひと

嬉しい
とかじゃなく

それが現実

わたしは
まだ
死ねない



あなたに抱きついて泣きたい 2009.12.3

誰かに抱きついて泣きたい
いや、違った
あなたに抱きついて泣きたいんだ



痛烈に感じながら 2009.12.3

なにもかもを
あなたと共有したかった

嬉しいことも
悲しいことも

だから
今わたしは
あなたのぶんまで
嬉しがり
悲しがるよ

あなたはいない
そのことを
痛烈に感じながら



不安 2009.12.3

あなた
わたしのこと
好きだった?

好きだったに
決まってるのに

なんだろう
遠いな
あなたの愛も
わたしの愛も
遠い

夜空に一番星
目を閉じたら
消える
もう一度
瞼をあげて
そこに
星があるのか不安で



笑うの 2009.12.3

あんなに愛してくれたのに
あなたはいない
わたしは生きていくための
水を飲み空気を吸い光を求める
誰かのぬくもりにすがり
一時の錯覚にあなたを忘れる

冷たい泉から
あふれ続ける涙を
隠しながら
笑うの



存在の不在 2009.12.3

先に進むことの無常
とどまることの苦悩

愛をしめす術は
どこにあるのか
もう
どこにも存在しないのか

明日へ行くならの残骸
振り返り抱きたい渇望

愛をしめす術は
どこにあるのか

私のどこかを切り刻めば
あなたは顔を出すのか



愛してる 2009.12.3

愛してる
見返りを求めない愛

あなたを感じるのは
わたしの妄想

それでも
愛してる



優しい人になりたいな 2009.12.3

優しい人になりたいな
頬を撫でる風のような
肩にとまる花びらのような
ふわり手をひく木漏れ日のような

優しい人になりたいな
涙をすくう木の葉のような
流れる血を癒す泉のような
気長に朝を待つ月のような

優しい人になりたいな
添い寝する夢のような
夢をゆらす揺りかごのような
乳飲み子が見あげる笑顔のような



光に包まれて 2009.12.3

太陽が眩しすぎるなら
月明かりでいいから

雨が冷たすぎるなら
傘ごしでいいから

見つめるのがつらいなら
香りの中からでいいから

まずは、新しい一歩を
光に包まれて
はじめてみよう



ひかり 2009.12.3

光を見よう
それは
どこにでもある

顔をあげれば
空が
木漏れ日のような
愛する人の眼差しが

光を見よう
それは
私の中にある

胸に手をあてれば
愛が
湧き上がる泉のように
今も昔も息衝く

私がいる限りの光
あなたの光

鏡に映る瞳の中に
未来が



二羽の鳥 2009.12.3

鳥が二羽飛んでいる
あなたとわたしだったら
よかった



最高の休日 2009.12.3

今日みたいな天気のいい日
ビールとひなたぼっこ
あなたと最高の休日

平日は忙しいふたりだから
日曜日は好きなだけ甘え合える
最高のご褒美

今日
お昼寝したの
夜は悪夢ばかりで疲れるから
木漏れ日の中でうたたね
あなたを近くに感じて

起きぬけ
絶望におそわれても
いいじゃない

ビールとひなたぼっこ
あなたと最高の休日

夢なら
せめて夢を見せて



愛してる 2009.12.3

あなたが明日いなくなるのを予期しながら
ふたりで並んで歩いている夢を見た

いつも通り小犬のようにはしゃぐあなた
あなたを引き止めたいと
はしゃぎかえすわたし

ねえ、愛してる?
とっても愛してる

いつも通りの会話
そしてキス

人は無力なものね
愛は健気なものね

夢からさめて
襲われる恐怖にさえ
はにかんで笑える

飛ばされる命を
つかまえることなど
誰にもできない

人は起こりうる全てのことをただ見つめるだけ

ぼんやりと風を見送り
絶望をひたかくしに前を向いて

ねえ、愛してる?
永遠に…
愛してる



優しい雨 2009.12.3

優しい雨
そう決め付けてみる
あなたが降らした雲の雫
あたたかに潤う街

なんて
なぐさめ上手

傘にかくれて
優しい雨




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