忘れ物 2009.8.31

夏休みの終わりの日
なにをしてたっけ?

ただぼんやりしてたっけ?
一ヶ月分の絵日記を描いたっけ?

戻りたくなんてない
だけど、
懐かしい自分

わたしはわたしを
愛しているのか不安になる

忘れ物があってもいいのかな

今もまだ校門の前でしょんぼり

帰ることも行くこともできずに・・

そう、
つい空を見上げてしまうんだ



存在しないようなするような 2009.8.31

いろんな裏切りがあった
だから、なんだっていうんだ

別にいいよ
私はまだ死んでない
生きてる
だから、何かしらの肥しになった

あんたなんて
ポチの餌だ

自分の血肉を削るように
みんなが痛みに耐え生きてる

なんのために?
なんてまさか聞かないよね

意味なんてないんだからさ

欲しいなら自分で決めればいい

地球もあんたも
思い込みの産物

思い描けば増えて
死ねば消えるだけ

存在しないような
するような

小さなたからもの
思い込みでもいいじゃん
持ってるなら



サバイバル 2009.8.31

私なんて・・
なんて言ってられっかよ!

生きるか死ぬか

そういうことでしょう



誠意 2009.8.31

今までしてきたことを信じよう
今まで出会ってきた人を信じよう

せめてそれが自分に対しての
かけねなしの誠意だと思うから



寝言 2009.8.31

別の男の名前を寝言で言う

ごめんなさい

でも・・
寝てるから
わからない



蜘蛛の糸 2009.8.31

思いやりがあるから
信じられる

とあなたは言う

なるほど。

でも、
思いやりは
小さな嘘を孕んだ
柔らかな自己犠牲
信頼を得ようとする
したたかな策略

真実とは
ちょっと違うよ

蜘蛛の糸のようなもの



月のないしょ話 2009.8.31

ないしょ話
あなたに聴こえないように
本当は聴こえて欲しくて

名前を呼んで
愛を語って
すべては虚しく
肩から指先へ
すべりおちてしまう

なめらかな手のひらに乗る
光の玉
今宵 丸い月のよう


私の流す涙が空へ飛び
雲が上手にそれをすくえば
はじまる
愛の終わり
明日の影絵・・

ひとりで踏もうか
月のないしょ話

太陽に聴こえるように
ひめやかにひそやかに

まごうかたなき輝きで



流れ 2009.8.31

流されることの
気持ちよさに酔いながら
今さら帰れない場所まで
来たかな



男の背中 2009.8.22

私は男の人の背中を見るのが
嫌いです

そこにはその人の悲しみが
ふと見え隠れしているようで
肩に首筋に触れ抱きしめてあげたくなります

笑顔よりも涙よりも
雄弁に
愛を後悔を怒りを諦めを
物語り
ひとりの寂しさが
逃れられない業が
滲み溢れています

あなたの背中が嫌いです

愛しくて 愛しくて

嫌いです



道 2009.8.22

人は生きたいように
生きているようで

本当は
生かされているだけなのだ

過去の自分に
切り開いた道に
そこで出会った人に
期待に宿命に引っ張られ
どうしても
続きを生きてしまうのだ

生きたいように生きる

そもそも
生きるとは

道を歩くだけのこと



探し物 2009.8.22

ひとつの体なら
ひとつの心なら

あれもこれも出来はしない
誰も彼も愛せはしない

それなのに
動いてしまうのは
私の体は
ひとつじゃなくて
あちらこちらに浮遊するから
私の心は
目に見えなくて
遠く深くに霧散するから

ひとつの体
ひとつの心

探し物はなんだろう



夢 2009.8.22

子供のままの母に
女のままの妻に
なれたらいいと
思います



あなたが幸せであるように 2009.8.22

私はあなたを
幸せにしてあげることが
できなかったから

悔しいけど
あなたが
綺麗な女性の隣で
笑っていればいいと思う
温かな胸の中で
眠ることができればいいと思う

私にできなかったことを
誰か
あの人にしてあげて下さい

私の愛したあの人が
いつも幸せであるように



拷問 2009.8.22

なにも知らないうちに
一緒になれればよかった

何もかもを知った今も
愛しているのに
身動きできないなんて
拷問だ



遠い国 2009.8.22

叶わない愛を連れて
長いこと
生きてきてしまった

あなたはあなたのできることを
わたしにしてくれた
わたしはわたしのできることを
あなたにした

それは・・
せめて空気でもと
差し出す程度のことだった

繋がっている
それ以外に選択肢のない
ふたりは・・

これから
どこへどういくのだろう

ありがとうもさよならも
ない国へ
やってきてしまった



顔をあげれば 2009.8.22

顔をあげれば
そこに
雲がありました

ふわふわとふくらんで
柔らかくて大きいです

顔をあげれば
そこに
太陽がありました

きらきらと光を放って
縦横無尽な強面です

顔をあげれば
そこに
手のひらがありました

太陽の光を和ませ
雲の抱擁を連れて

私のおでこを撫でる
手がありました



白夜 2009.8.7

目覚めても
何一つ変わらない
現実だと思えば

寝る気もうせる



蚊 2009.8.7

あなたの足を刺した蚊が
私の足にとまる

黒の先に赤が広がって行く

殺さなきゃ

吸われる

それなのに

見入ってしまう



努力 2009.8.7

これでいいや
と甘やかすんじゃなことを
たまにはしよう

あなたのために
わたしのために

未来が見えるなら

そのために



掃除 2009.8.2

部屋を掃除した

滞った空気を
一掃してみたら

誰かと誰かが
出会えた気がした

行きたいところへ
行けた気がした



おまじない 2009.8.2

一緒に眠れるだけで
なんでこんなに幸せなんだろう
って言うあなたの

髪を優しく撫でる

魔法がとけない
おまじない

私を好きでいさせてあげる



電話 2009.8.2

久しぶりに聞いた
母の声にほっとなる

なんだ、大丈夫だ

そんな気がした



一滴 2009.8.1

言うに足らないことで
傷ついてイラついて
泣きそうになった

けれど
言えない
言うに足らないことだと
知っているから
バカだと思われたくないし

数々の原因が複合して
溢れる感情
最後の一滴が
あなたでよかった

バカだと思われても
よかった



逢摩のとき 2009.8.1

私はなにがしたいんだろう
どこでだれといたいんだろう

わからないことには
もう慣れた

慣れたはずなのに
泣けてくる
逢魔のとき

黄昏に誘われて
死にに行くんだ



ワイン 2009.8.1

まだ入ってるのにワインをいれてしまう
こぼれる
それは当たり前のこと



無知 2009.8.1

宇宙のこと
考えると
気がおかしくなる

私と社会のこと
考えると
虚しくなる

見失い
帰ってこれないのは

恐いからなんだ

わかりようのないことも
わかりすぎることも
知らないままが
よかったな



思考 2009.8.1

ちょっと欲しいと思えばすぐに手に入る

本当に欲しいものどんどんわからなくなる

わからなくなるのなら
最初から全部
わからなければいいのに

欲望ごと
自我ごと
消えてくれればいいのに

無駄な思考に疲れて
なくしたくないのなら
その中になにがあるんだろう



質問 2009.8.1

 なにになりたい?
と子供の頃よく聞かれた


誰も私に
なにになりたい?
とは言わない

聞いてくれませんか
誰か・・
答えようもないけれど

なににもなっていない私が
なにになりたいと思っているのかを

なににもなりたくないと思っている私が
なにになれそうかということを

聞いてみてくださよ





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