逆転 2010.1.18

マンションの花壇にあなたが座っている絵を想像
立ち上がりお帰りという仕草を想像
エレベーターに乗るまえに繋ぐ手のぬくもりを想像
愛してる、そうささやく声を想像
ベッドが待ちきれず首筋に触れる唇を想像

想像ならいくらでもできる
あなたは私のものだった

でも、もういない

あなたのすべてをいくらでも想像ができるのに
あなたのいない現実を想像できない

想像できず
逆転する

夢の中に閉じ込められた



探す 2010.1.18

眠る前にあなたを探す
夢の中であなたを探す
目覚めてあなたを探す

疲れる

どこにもいない

知ってる

諦めることができない
理由はなんだろう?

愛と言ってしまえば
陳腐だな



これから 2010.1.18

昨日まで笑ってた
その笑顔が
昨日までひとつになってた
その体が
忽然と消えて
実感をともなって
私を襲う

心だけは
残っているかもと探すけど
なにも見えない

愛する人を突然なくす悲しみとは
どんなものなのか

まだ、私にもわからない

これから
知っていくのが
こわい



未知 2010.1.14

汚い水で育ったと思っていた
けれどそれはまごうかたなき聖水だった

生きていればわかることがある
身をまとう清さも
視線のふがいなさも

わたしは
まだこれから

未知として
未知と出会う



こころ、ここに 2010.1.14

生きていて

生きていよう

投げやりでもなく

あきらめでもなく

ただ、それだけで
いい

と、祈る

こころ

ここに。



一瞬で 2010.1.14

赤信号で止まる
そのことで生きながらえる命
断絶する命

なにかが違い
すべてが変わる



消えない 2010.1.14

明日のことも
10年後のことも
死ぬときのことも
わからない

ただ、あなたに愛されたことが
わかる
ただ、あなたを愛したことが
わかる

愛は愛として
消えない



同化 2010.1.14

忘れられるはずがない
すべてが
わたしの一部なのだから



強さ 2010.1.14

わたしが強くなることで
だれかひとりが微笑むなら
いくらでも強くなろう



孤独 2010.1.14

なにも恐くない
そう思うのは
強いからではなく
孤独だからなのか



明かり 2010.1.14

あんなにもあった
離したくないものが
今 ひとつも見当たらない

なにも恐くない
なにも欲しくない

うわまわる孤独が
優しさに横たわる

微笑めば
月明かりが
手のひらに
おちてくる



宇宙 2010.1.2

生まれたことが
いつかもう一度
心から嬉しいように

あなたが解けた宇宙を見ながら
祈るよ



どこにでも 2010.1.2

タンスの中の
あなたの下着を
ぼーっと眺める

もう、ベッドに連れ込まなくても
眠れるようになったけど
だからって
あなたが近くになったわけでも
遠くに行ったわけでもない

あなたは見えない
だから、私が思う場所にいる
私が思えば
そこに
もう一度
生まれるんだ



影 2010.1.2

私の前と後ろに影ができてる
後ろの影
あなたかと思ったら
長い髪
私だった

あなた
着いてきてる?
私にしがみついてる?

しっかりいてね
傍に
もう片時も
離したりしないで



声 2010.1.2

おはよう
おはよう

行ってらっしゃい
行ってきます

お帰り
ただいま

おやすみ
おやすみ

おはよう
おはよう

何度繰りかえしたかな?
あと何度繰りかえせたはずかな?

今も
あなたに話しかける
目を閉じれば
耳元で聴こえる

あなたの声が
このごろ
すこし小さいみたい



元気? 2010.1.2

子供の頃
死んだ父親に
元気?
と、お線香をあげながら
話しかけていた

今も話しかける
ふとしたとき
あなたに
元気?って

一番元気でいて欲しい
あなただから



ありがとう 2010.1.2

あなたに会えるなら
死にたい
でも、死んだって
会えるかわからない

あなたに会いたい

「いつも愛してる」
最後の言葉に・・

ありがとうを言わせて



涙 2010.1.2

悲しみには限がないのかな
泣いても泣いても
涙が出るんだ

愛してる
変わらないその想いを抱いてできるのは
もう泣くことだけなんて
ね。




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