年齢



年齢というのは手強い相手だ。
昔は仲良く手を繋いでいたのに、ある時から後ろに回り私を監視し追いかけてくる。
「まだ、そんなところにいるのか!」
と、叱り付けてくる。
「そんなに焦らせるなよ〜」
と、私は言う。
でも、断固として動じない時間と季節を味方につけて、
「ぼ〜っとしてないで進め!」
と、命令する。
偉そうに・・
私は恨めしく呟く。そして開き直る。
「年なんて関係ないでしょ!やることはやってるわ!放っておいてよ!」
そう言って自分を弁護する。

20歳になった時にはこんな自分でいよう!
25歳は・・30歳は・・60歳は・・
私は未来を形作って生きていけると思っていた。
自分が願った通りの未来を歩いていけると。
でも、そうはならなかった。
はっきり言って、私はまだ何も成功していない。
それでも、まだ信じている。何を根拠にかは知らないが、確信している。
私は思い通りの未来を生きて行く。
願い通りの未来を歩いていく。
逆にいえば、そう強く思わなければ生きて行けない。
諦めてしまったら死んでしまう。
もっと出来る!そう掛け声をかけることで、前へ進んで行ける。

年齢に相応しい言動、年齢に相応しい生活力、年齢に相応しい社会性、
全部落第点の私。
今更焦っても仕方がないことだけは確かだ。
亀の歩みのように少しずつ成長して大人への階段を上って行こう。
年齢に脅かされない強さを持って、行動力と思慮深さをやしなって、
綺麗で優しいおばあちゃんへの道を行こう。

全てが不均等な24歳の私。24歳に追いつけない私。
30歳らしい30歳は無理でも、40歳らしい40歳にはなる。
自分自身満足の行く、経験と実績を手に入れる。
一年一年を大切に積み上げていく事で、理想と現実、年齢と精神の隙間を埋めて行けるだろう。

たおやかに微笑んだ時に浮かぶ目じりの皺が美しい友香おばあちゃん。
その時、歳月は私を包み込み、緩やかに死へと導いてくれるだろう。