思い出の坂道



学校までの坂道を
いつもあなたと歩いた

ママと喧嘩した朝も
ポチが死んだ次の日も

おっくうな坂道でも
あなたが笑っていると
楽しくて仕方なかった

ランドセルの中の筆箱が
かたかたと音をたてる
ふたりの笑い声に合わせて

小さいのに
力持ちだったあなた
優しくて
泣き虫だったあなた

いつの間にか
綺麗な花嫁さん
誰かの愛しいひと