代表的知的発達障害を有する就学前児に対するリスペリドン単独療法
  G Masi(ピサ大学)他
  J Child Neurol2001;16(6):395-400

 この予備研究の目的は、就学前の自閉症児に対して非定型向精神薬であるリスペリドンの短期的効果と安全性について検討することである。対象は、自閉症児10例(男児7例、女児3例)、3歳9カ月から6歳6カ月である。この16週のオープントライアルでは、リスペリドン一日0.25mgから開始し、最大0.50mg(0.0027mg/Kg)まで増量した。結果の評価は、小児自閉症評価スケール(Childhood Autism Rating Scale)、小児精神機能評価スケール(Children's Psychiatric Rating Scale)、臨床包括評価(Clinical Global Impression)および小児包括機能評価(Children's Global Assessment of Functioning)を用いた。2例で副作用(頻脈、発赤、発熱、食欲不振)のため中止した。16週の時点で、トライアルを完了した8例で、小児自閉症評価スケール、小児精神機能評価スケールの総点数、小児包括機能評価で中等度の改善がみられた。臨床包括評価では、4例で著明あるいはきわめて著明な改善がみられた。行動的な悪化がみられた例はなかった。8例の小児で副作用は重篤でなかった。