自閉症の脳磁図研究
  川崎葉子他
  臨床神経生理学2001;29(3):262-268

 自閉症で高率にてんかんを合併することが知られている。典型的なてんかん性脳波以外に、著者らは自閉症者の約半数でみられる前頭部の発作波(Paroxysm at Fと命名)を見いだし、この発作波の出現部位を脳磁図を用いて検討した。対象は、このParoxysm at Fを有する9例の自閉症者。Paroxysm at Fの脳内発生源は、左右の帯状回前部、上前頭回、眼窩回に同定された。現在、自閉症の異常として、扁桃体を中心とする大脳辺縁系から帯状回を中心とする前頭葉内側面の回路の異常が注目されていますが、今回の発表はそれを電気生理学的に裏付けする非常に興味ある報告です。