自閉症の脳容積
  AY.Hardan(ピッツバーグ大学)他
  J Child Neurol2001;16(6)421-424

 脳の大きさの増大はこれまで、認知機能を有する自閉症児では認められてきた。本研究の目的は、知的発達遅滞をもたない自閉症例での脳容積を測定することである。知的発達遅滞をもたない自閉症例16例と正常対照例19例にMRIを施行し、以下の部位について計測した。第三脳室、第四脳室、側脳室、頭蓋内容積、脳容積。頭蓋内容積で補正すると、自閉症例では、平均脳容積と第三脳室が正常対照に比べ有意に増大していた。それ以外には有意な差はなかった。今回明らかとなった自閉症における脳容積の増大は、これまで報告されていた所見に一致する。さらに経時的な画像の経過観察と、さらに重要な神経病理学的検討は、自閉症の脳容積増大の病態を理解するのに役立つと確信する。