模倣(Imitation)とmirror neuronと自閉症

Williams JH(Aberdenn大学)他

近年、自閉症者には認知機能にさまざまな異常があると報告されているが、これらの異常は自閉症のごく一部を見ているに過ぎない。我々は、動作の模倣ができないことと反響言語のような決まりきった真似を抑制できないことといった模倣障害に注目した。この障害の元となると考えられている神経系は、最近発見された前頭葉の一群の神経細胞(Mirror Neuron)である可能性がある。これらの神経細胞群は特定の自分の行動および他人の行動に合わせた行動、この行動は他人との心のかけ橋を表している、に関連して活動してる。Mirror Neuron(MN)系はもともと模倣の能力や「心の理論」能力とは無関係に存在していたが、我々はMNが社会的認知機能を行うために、キーとなる要素として、精巧な神経系がMNを進化させてきたことを指摘した。MN系の初期発達段階での障害が、自閉症の臨床症状に特徴づけられる一連の発達障害を引き起こしているのだろうと考えられる。