自閉症における血管作動性小腸ペプチド2型受容体遺伝子上流における新しい多型性の検討
  E.Asano(ミシガン州立大学)
  J Child Neurol2001;16(5):357-363

 自閉症原因遺伝子の候補である血管作動性小腸ペプチド2型受容体遺伝子(VIPR2)の遺伝子変異を検討し、自閉症例で10個の新しい多型性を発見し、そのうち3つを詳細に検討しています。多型性の生じる頻度は14例の自閉症例と52例の対照群を比較検討し、有意な違いは見いだされませんでした。一方、消化管異常のある自閉症群とない自閉症群とでは、3つの多型性のうち2つに差が認められました。さらに、3つの多型性の遺伝子型と定型的行動様式の重症度との間には相関がみられました。今回の検討では、対象症例が少数であった点が問題となりますが、著者らは、自閉症における消化管症状と定型的行動といった症状に、このVIPR2が何らかの関連がありうることを指摘しています。