15染色体長腕近位側での祖母由来のinterstitial duplicationをもつ一家系

Boyar F(フロリダ大学)他
Clin Genet 2001;60(6):421-430

自閉症や広範性発達障害の約1%では15染色体長腕(15q11-q13)領域に重複(duplication)がみられる。これらの異常は通常染色体のGーバンドの検討でexra marker染色体として検出されたり、FISH法でinterstitial duplicationとして示される。今回、15q11-q13領域にinterstitial duplicationをしめす遺伝性の家系4例中3例について、分子生物学的検討および神経精神学的検討を加えた。罹患者には、言語失行、音声への注意障害、発達性言語異常、読字障害、肢節失行がみられたが、奇形などの形成異常はなかった。本家系の検討から、15染色体長腕近位側の表現型は、言語を基盤にした学習障害も持っていることが示唆された。

(コメント)第15染色体長腕での遺伝子異常の特徴の報告です。自閉症の症状のほかに言語を基盤とした学習障害がみられるとのことです。