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朝鮮半島出身「慰安婦」
14万人死亡説を追う
1.─2000.3.4.
先の戦争で、日本は、植民地・朝鮮出身の人たちを連行して、90万人を死なせたとする情報がある。
この情報では、90万人のうち、14万人余が「慰安婦」とされている。
情報は、少なくとも、数字、その最初の出所などを具体的に示している。
だからといって、すぐに事実だとして受け入れられるものではない。
目を引くのは、14万人以上の朝鮮半島の女性が「慰安婦」とされ、死んでいった、という数字である。ただのデタラメと片づけるわけにいかない。デタラメの数字だとしても、人が信じうる範囲で数字を出すだろう。実際に、この情報は、かなりの人数の人たちに受け取られたと思われる。
これから時間をかけて、その真偽を突き止めるため、可能なかぎり取材調査していきたい。
2.─3.25
情報の存在を浮かび上がらせたのが、一条の糸のように取り出された、「慰安婦」14万人が死んだ、という部分だった。
ある人がそれを引用して取りあげたのである。埋もれていた情報をその人が発信元となり、増幅させたことになる。それは、とんでもない公的な機関の関係者だった。
国連人権委の特別報告者、ゲイ・マクドゥーガル氏である。「慰安婦」死亡者14万5000人とアラフネ・セイジュウローがいっている、と報告書に書いたものだから、突如、権威づけられた情報となってしまった。
「慰安婦」問題にも触れた、いわゆる「マクドゥーガル報告」である。だから、情報はまたたく間に、「慰安婦」問題に関心をもつマスコミ人や運動にかかわる人たちの間にひろがっていった。
具体的に14万人以上の「慰安婦」が死んだ、というたぐいの情報など、かつて出たことはない。「慰安婦」総数についても諸説あり、確定的なことがいわれていないのに、死亡者が特定の数字で出て、国連文書にのった。放っておけないはずだ。具体的な数字だけに、マスコミは見逃さず、取り上げそうなものである。しかし、不思議なことに、それ自体をどこかのメディアが大きく報道した痕跡はない。
この「不思議」を、こんどは、追わなければならない。
3.─10.14
マクドゥーガル カレン・パーカー
荒船清十郎