企業の社会責任に関する情報

このページでは、コーポレートガバナンス(企業統治)、ディスクロージャー(情報開示)、コンプライアンス(法令遵守)、アカウンタビリティ(説明責任)に関して目についた内外の情報を随時ポストします。

住友金属男女差別裁判勝たせる会の声明文(06/04/25)

住友金属男女差別裁判―山の動く引きたる(06/04/25)

公益通報者保護法全文(04/06/16)

公益通報者保護法案(3月9日閣議決定)(04/03/09)

公益通報者保護法案の条文(内閣府原案)

「公益通報者保護法案」骨子についてのパブリックコメントに関する意見書(04/01/21)

公益通報者保護法案の骨子(案)の問題点(03/12/20)

三菱自工が株主代表訴訟和解金を「コンプライアンス基金」に(03/12/05)

今年の株主総会を振り返って(03/07/07)

イギリスの公益開示法に関する1999年7月27日の『東京新聞』記事(02/10/10)

役員報酬や退職慰労金を開示した企業の内容(02/08/25)

韓国PSPD−PECを訪問して(02/08/05)

ラルフ・ネーダー「法人社会主義」 (『ワシントン・ポスト』 02/07/18)

2002年のユニークな株主総会(『ダイヤモンドZAi』2002年9月号より)

韓国、参与連帯の小額株主運動(02/07/11)

食品の安全と安心をたしかなものとするための緊急提言(02/06/06)

神戸製鋼所株主代表訴訟事件の終結について(02/05/06)

イギリスの 内部告発者保護法について (02/04/14)

ノルウェー政府、取締役会の男女共同参画で大胆な政策(02/04/14)



三菱自工が株主代表訴訟和解金を「コンプライアンス基金」に(03/12/05)

12月2日、3日の各紙が報道しているように、三菱自動車工業のクレーム隠し事件の経営者責任を追及して株主オンブズマンが起こした株主代表訴訟で、旧経営陣が和解金として計1億8000万円を支払い、同社がこの資金で内部告発制度の創設などに活用する「コンプライアンス(法令順守)基金」を新たに作ることになった。株主代表訴訟の和解で、会社の法令順守のための基金が創設されるのは初めてのことである。

和解条項によれば同基金は和解金を(1)外部の専門家に社内の不正行為を通報する制度の創設(2)法令順守体制の整備・検討のための外部のコンサルタント委託(3)製品の安全や環境対策のための研究・開発――などの費用に活用することになっている。

和解条項には利害関係人である三菱自工は、外部の弁護士などの専門家に対する通報制度等の概要ついて、ホームページで公表することも盛り込まれている。和解条項はまた株主が株主総会においてコンプライアンス基金の活用状況・収支等について質問し、会社の取り組みをチェックすることを認めている点でも注目される。

今回の和解内容は、外部の専門家に社内の不正行為を通報する窓口(ヘルプライン)を創設することを認めている点で、近く国会に上程される公益通報者保護法案の審議にも影響を及ぼすものと考えられる。

本株主代表訴訟の訴状は
こちら、 訴訟時における株主オンブズマンのコメントはこちら



                    和 解 条 項

1 被告ら全員は、利害関係人(三菱自動車工業梶jに対して、連帯して、本件和解金として、金1億8000万円の支払い義務のあることを認める。

2 利害関係人は、上記和解金支払義務のうち金2000万円については、被告らの負担により既に補填され、現在金1億6000万円のみ和解金支払義務が残存していることを認める。

3 被告らは利害関係人に対し、前項の金1億6000万円を平成16年1月31日限り支払う。

4 利害関係人は、上記金1億6000万円をコンプライアンス基金として管理・活用する。すなわち、利害関係人は、本件を契機として、法令遵守態勢の強化、製品の安全対策向上のための施策等を実施してきているところであるが、コンプライアンス基金を、以下のとおり専らこれらの施策のなお一層の拡充を図るために活用する。
 ア 外部の専門家に対する通報制度を創設する費用
 イ 通報制度を担当する外部の専門家を既に利害関係人が設置している企業倫理委員会のメンバーとして委嘱する費用
 ウ 法令遵守態勢の整備・検討のための外部のコンサルタント費用
 エ 歩行者等の安全対策及びリサイクル等の環境対策のための研究・開発費用
 オ マニュアルの整備のための費用
 カ 研修プログラムの充実のための費用
 キ その他、法令建守・安全性向上・環境対策の充実を図るため利害関係人が必要と認めた施策のための費用

5 コンプライアンス基金ほ、利害関係人が配置しているコンプライアンスオフイサーの担当とし、利害関係人は同基金の収支計算を他とは区別して管理する。

6 利害関係人は、本件和解を契機としてコンプライアンス基金が設置された経緯・趣旨に鑑み、将来にわたってコンプライアンス施策の継続に努力する。

7 利害関係人は、第4項に基づき実施する外部の専門家に対する通報制度等の概要ついて、そのホームページで公表することとする。

8 利害関係人は、株主が、株主総会においてコンプライアンス基金の活用状況・収支等について質問することができることを認める。

9 原告は、本件訴訟を取り下げ、被告らはこれに同意する。

10 原告と被告ら、及び利害関廃人と被告らとの間には、本件に閑し、本和解条項に定める他、何らの債権債務関係のないことを確認する。
                                   以上



イギリスの公益開示法に関する1999年7月27日の『東京新聞』記事(02/10/10)

内部告発者の保護を定めたイギリスの公益開示法(Public Interest Disclosure Act、1998制定、99年施行)が、内閣府における公益通報者保護法制の検討に関連して最近よく話題になっています。下の『東京新聞』の記事は、イギリスにおける同法の施行を日本でいち早く報じたものです。内部告発者保護制度をめぐる議論の参考までにここに紹介します。 

英国で保護法施行 世のため人のため内部告発!? 日本ではホットライン設置の動き

『東京新聞』 99/07/27朝刊より


英国でこのほど、役所や企業の不正を内部告発した職員や従業員が、後で解雇や左遷などの報復を受けないよう保護する法律が施行された。不正が放置された結果、後に大問題が生じたことが少なくないとの反省から、それを未然に防ぐ措置として内部告発は奨励されている。いずれグローバルスタンダード(国際標準)とされる可能性がないとはいえない内部告発者保護の立法化について考えた。

英国で二日に施行された法律は「公益開示法」。マッカートニー国務相(貿易産業担当)は「不正を隠そうとする体質を終わらせ、告発がなければ起きたかもしれない事故や経済的な損失を防ぐ」ことに狙いがあると言う。

政府や民間企業の支持も得たという法律は、公共機関や民間企業による不正、違法行為、人々の健康や安全に危険を生じさせ、環境などへ悪影響を及ぼす事柄について告発した職員や従業員が、解雇や左遷などの不利益を被ってはならないとしている。告発によって失業したなら、上限なしの損害賠償を受ける権利があるとも定めている。

告発はまず、上司への報告で行うなど組織内部の手続きに従うとされるが、組織がその報告を握りつぶしたり、報告自体を許さない場合、職員や従業員が報道機関や警察当局に告発することを認めている。法律の対象は公共機関の職員だけでなく、民間企業の従業員も含まれる点で画期的な内容。米国では、すでに一九八九年、連邦政府について「内部告発者保護法」が制定されており、職員は違法行為や公費の無駄遣い、権力濫用(らんよう)などを告発でき、不利益は受けないとされた。地方政府でも立法化され、分野によって民間企業の従業員を保護する法律もある。だが、英国の「公益開示法」は内部告発者の保護を一本化した法律で、今後、各国での立法化のモデルともなりそうだ。

立法化だけで内部告発者が不利益を被ることがなくなるわけではない。米国では手続きが煩雑で、それだけにこうした内部告発者保護制度の拡充が進められている。

中央大の堀部政男教授(情報法)は「英米では、インフォーマント(情報提供者、密告者)という言葉もあるように、情報提供がよく行われるお国柄で(内部告発で)犯罪が発覚するケースが時折出てくる。しかし、後でだれが提供したかが分かったり、批判が起きることもあるため、情報提供者の保護が求められる事情がある」と指摘する。

企業活動を監視する市民団体「株主オンブズマン」代表を務める関西大の森岡孝二教授は「個々の企業や団体の利益より『公益優先』という考え方が広く承認され、社会に深く浸透している。日本の企業はコストを考えると、公開するより隠す方が安上がりとみて、組織防衛のため『見ざる言わざる聞かざる』となっている」と話している。

さらに「米国では、不正が発覚したり、訴訟で敗訴となった場合、日本では考えられないような額の罰金や賠償金を支払わなくてはならないという現実も」と続けた。

告発者を保護する法律はまだない日本だが、市民団体は行政情報について、内部告発者のためのホットラインを設置しようという動きを進めている。民間企業についてはなお今後の課題だ。企業倫理の啓蒙(けいもう)活動を行う民間団体「経営倫理実践研究センター」の会長を務める水谷雅一・神奈川大教授は「基本的には内部告発者を保護する制度はあったほうがよいと思う」と話す。

「日本は、仲間意識が強く裏切るような行為をしたくないという意識が強い。しかし不正を隠すことは結局、組織のためにもならない。ただ法律は最終的な手段。いきなり外部に告発するよりも、内部で襟を正すきっかけをつくる方がよい」とつけ加えた。

森岡教授も「内部告発は大局的には企業の利益につながっていく」との考え。「告発者を守ることは後に第三者から嫌がらせを受けることも十分考えられるので必要。その場合、氏名や所属部署の秘匿は絶対条件だ」と言う。

一方、堀部教授は「日本では是認される状況になく(内部告発者が)悪者扱いされるムードもある。法的には情報を提供しやすい雰囲気をつくるにしても、社会的コンセンサス(合意)の醸成は難しいし、企業なども反対するでしょう」との見方を示した。

日本の役所や企業のサラリーマンにとって、英国の「公益開示法」施行は、海の向こうの他人事だろうか。


 

役員報酬や退職慰労金を開示した企業の内容(02/08/25)

(『日本経済新聞』02/06/28朝刊より )

報は役員報酬、退は退職慰労金。カッコ内は1人当たり平均額、東京電力は弔意金含む

社 名                内  容
ソニー       報  13人で10億8000万円(8307万円)
           退   1人で 2億円  
日立製作所   退  2人で約1億2000万円  (約6000万円)
新日本製鉄   報  41人で 11億8222万円(2883万円)
東 芝       報  16人で 3億9300万円(2456万円)
NTT         退  3人で約1億円(約3333万円) 
クボタ       退  4人で約2億円(約5000万円)
東京電力     退  3人で2億3000万円(7666万円)
新日本石油   退  4人で4億800万円(1億200万円)
花 王       退  10人で1億7500万円(1750万円)
UFJホールディングス   退  10人で4600万円(460万円)
UFJ銀行とUFJ信託銀行 退  23人で約10億円(約4347万円)
三井住友銀行 報  23人で 6億5000万円(2826万円)
          退  10人で7億9000万円(7900万円)  
住友信託銀行  退  5人で 1億4400万円(2880万円)
大同生命保険  報  22人で4億1200万円(1872万円)



韓国PSPD−PECを訪問して(2002/08/05)

株主オンブズマン(KO)は、夏の研修合宿を兼ねて、韓国の参与連帯(PSPD)の小額株主運動部会である経済民主化委員会(PEC)と交流する目的で、この8月1日から3日にかけてソウルを訪問しました。8月2日に行われた交流会の日本からの参加者は10名(ほかに同伴者2名)でした。先方の出席者は、ちょうど参与連帯の2泊3日の夏季研修合宿と重なったという事情もあって8名でしたが、それでも中心メンバーはほとんど全員が都合をつけてくれました。

今回、私たちが参与連帯を訪問することになったのは、昨年11月に京都で開かれた社会文化学会の大会で、参与連帯の前事務所長で市民社会団体連帯会議(NGO連合)の常任運営委員長の朴元淳弁護士と森岡が「韓日における市民社会の方向性を探る」というテーマでゲスト報告をしたことがきっかけです。

交流は、午前9時に始まり、ミーティング形式で午後1時近くまで双方の報告と質問および意見交換を行い、その後いっしょに昼食を取って午後2時過ぎまで続きました。通訳を交えての報告、質問、討論だったので、時間不足は否めませんが、それでも経験交流と相互理解を深めるうえで大きな収穫がありました。

以下、印象に残ったことを箇条書きにしておきます。

1) 創設は、KOが1996年、PECが1997年(親組織のPSPDは1994年)とほぼ同じ時期であり、弁護士、公認会計士、市民ボランティアからなる組織構成や、株主代表訴訟や株主提案を中心とする活動手段も驚くほど似ています。

2) 母体の参与連帯は、会員約15000人、専従者約50名の大きな市民団体で、年齢構成も若々しい組織だという点でKOと大きく異なるが、実動メンバーだけをいえばPECもKOも同じく20人前後のいわば少数精鋭グループです。

3) 市民団体による企業監視と企業改革の運動として、広範な市民の支持が得られることを重視し、他の領域の市民運動以上にマスメディアの注目を集めてきた点もよく似ています。

4) 株主提案などの活動ではターゲット企業に狙いを定めて集中的にキャンペーンを展開するという点でも似ています。

5) しかし、PECは、創業者一族が絶対的支配権をもつ財閥(現代、LG、SK、サムスンなど)を民主化するという目標のもとにターゲット企業を選んでいる点でわれわれと異なります。企業が交渉を拒否せず応じるのも日本とは違う点です。

6) また、PECは、KOと違って、外国の機関投資家を主な対象に組織的にプロキシー・ファイト(株主総会の委任状集め)をしたり、ロードショー(巡回興行)と称して、欧米の主要都市に出向いて韓国のコーポレート・ガバナンス事情について機関投資家に対して説明会を開いたりしている点で、KOよりはるかに国際的な活動をしています。

7) PECは、コーポレート・ガバナンスの改革でも、SKテレコムに対して漢陽大学経営学科の金大植副教授を社外取締役に送り込むなど積極的な成果を上げています。

8) 株主代表訴訟では、KOは多くの事件で再発防止を約束させて和解してきたが、PECは、これまでに
和解した例はなく、一審で勝利した事案を含めすべて係属中です。

9) PECは証券事件の集団訴訟(クラスアクション)制度やその他の課題で立法活動を重視し、与野党の国会議員への働きを積極的に行っています。

10) 日韓の経済界の結びつきや、市民団体としての課題の共通性から、双方ともこれを機会に交流と共同を強める必要性を認識しました。

国際交流の具体的な課題や方向性についてはミーティングではほとんど議論できませんでした。しかし、当日の夜、宿泊したロッテホテルに朴元淳弁護士が来られ、森岡と二人だけでしたが、ゆっくり意見交換をすることができました。そこでも話題になったように、アジアは日韓両国だけでなく、中国や台湾や東南アジア諸国を含め、多くの国がコーポレート・ガバナンスの改革で共通の課題を抱えています。グローバル企業のNGOによる監視という点でもアジア各国の市民団体が共同する必要性が高まっています。今後は株主オンブズマンにとってもアジア的視野での活動が求められてくるでしょう。

最後に、今回の交流の場を与えていただいた朴元淳(Park Won Soon)弁護士、通訳をしてくださった韓国放送通信大学経済学科・金基元(Kim Ky Won)教授、PEC事務局長のハンサン大学経済学科・金尚祚(Kim Sang Jo)教授、PEC副事務局長の延世大学国際大学院・金ラ基(Kim Joon Ki)教授、CGCG(Center for Good Corporate Gavernance)およびPEC副事務局長の金柱永(Kim Joo Young)弁護士、参与連帯経済改革センター担当のPark Kun Yongさん、ほかに同席いただいた事務局員、参与連帯広報担当者、ハンギョレ新聞記者の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。

8月3日の『ハンギョレ新聞』の経済欄では前日の交流の様子が写真入りで大きく報道されていました。


ラルフ・ネーダー「法人社会主義」 (『ワシントン・ポスト』 2002年7月18日) 
Ralph Nader, Corporate Socialism, Washington Post, July 18, 2002

アメリカの消費者運動のリーダーで、市民団体Public Citizenの創設者であるラルフ・ネーダー氏が2002年7月18日の『ワシントン・ポスト』紙に、「法人社会主義」"Corporate Socialism"という興味深い論説を寄稿しています。エンロン、ワールドコムと続く、巨大企業の経営破綻と粉飾決算の発覚を機に、一気に深刻な不況に突入しつつあるアメリカ資本主義の現状を考える資料として、日本語にしてみました。こなれてない、わかりにくい訳ですが、何かの参考になれば幸いです。

Washingtonpost
http://www.washingtonpost.com/ac2/wp-dyn/A22352-2002Jul17

Essential Information
http://www.essential.org/features/corporatesocialism.html


われわれの政治経済に対する企業支配の絶え間ない発展は、主流メディアによる日々の報道にも影響されないことが証明されてきた。企業犯罪、詐欺、不正行為は天気のようなものになっている。だれもが嵐について話をするが、だれもそれについてなにもできないように思っている。これは、大部分は、期待されるアカウンタビリティ機構――取締役会、監査法人、法律事務所、銀行家、株式仲買人、州・連邦監視機関・立法府(議会)など――が役に立っていないか、共謀しているからである。

既存の企業監視機関が、彼らが監視しているはずの会社から、年々、彼らの利益や報酬を直接あるいは間接に受け取っている場合、自主的な判断は意味をなさなくなり、腐敗が増え、主要な最高経営者たちとその仲間たちのなかの利害対立が大きくなる。そのうち、自己改革をしたくないこれらの機関は、多数の市民に彼らの不正行為と怠慢のコストを転嫁しようと努める。その場合、大企業は自らに強力なイデオロギー的支持を与えてきた資本主義そのものを破壊する過程にある。

資本主義体制の次のような前提を考えてみょう。

1) 所有者は所有するものを支配することになっている。一世紀の間、大企業は、所有(株主)を支配から分離してきた。支配は、企業の執行役員と事後承認的な取締役会の手にある。投資家は、決定権を奪われ、経営者が企業を営む方法が気に入らなければ、株を売るように言われてきた。最近では、不正会計や、利潤の水増しや、自己取引などが発生して、大投資家でさえ、彼らの企業のおせっかいな経営者について真実を知ることは難しいことが証明されてきた。

2) 資本主義のもとでは、企業は浮き沈みするものとされている。それは小企業にはまさに依然として真実である。しかし、大産業および大会社はしばしば「大きすぎて潰せない」ことから、米国政府に大企業の万能の保護者として仕え、様々な公的保証および緊急救済措置を提供するように要求する。なるほど、浪費的で非常に略奪的な会社のなかには、エンロンのように、政府の救済を利用できず、破産するか買収されるところもある。しかし、全体としてみれば、2、3の会社が連鎖倒産を引き起こすかそう予想される業界がでてくると、ワシントン政府はそれらの会社の救済装置になる。

3) 資本主義は、契約に関する合意の自由を表すと考えられてる−− 封建社会に対する顕著な進歩。しかし、信用、保険、ソフトウェア、住宅、健康、雇用、製品、修理および他のサービスに関する非常に多くの契約は、よかったら受け入れるという条件で提示される印刷された標準約款契約である。競争相手である向かいの競争相手の店に行っても、契約は変わらない。十年ごとに、弁護士がいうところの「煩瑣文書契約」は、買い手の憲法上の権利−−拘束力のある調停を求めて法廷に出るか、基礎的な権利と救済への無条件の降伏を保証する権利−−を無効にするように、より押し付けがましく、よりしつこくなってきた。裁判所は、無数のアメリカ人を規制する本質的に私的法人企業の立法府(議会)によるこれらの押し付けを阻止するのにはほとんど役立っていない。

4) 資本主義は、法と秩序の枠組みを必要としている。経済におけるゲームのルールは、暴力、詐欺、欺瞞、略奪行為に対する是非によって考え出され、強制されるはずのものである。容易にわかることだが、ほとんどの政府省庁や政府機関に対して最も強力な影響力をもっているのは、いつも新聞のビジネス欄を騒がせる特権や免除、規制認可、(税)控除、様々な責任回避などにあずかる諸産業である。かつて重大な職務怠慢の罪で捕らえられ人たちだけが、法的な義務違反に対して形式的なたしなめ以上の罪を覚悟する理由を持っている。

5) 資本主義企業は公平な競技場で競争するものとされている。企業ロビイストは政治運動用の豊富な資金をもとに、「法人国家」を開発してきた。法人国家(企業国家)の政府は、大企業へは補助金、水増し契約、ギャランティー、研究開発、格安天然資源を惜しみなく与え、その一方、個人企業や家族企業には類似の便益を与えない。たとえ大企業の多くがバーミューダ諸島のような税回避地に名目上、州の会社設立認可を移動させていても、政府は大企業による大企業のための大企業の政府になっている。

「法人社会主義」−−利潤の私有化、リスクと違法行為の社会化−−は、資本主義的規範を消滅させつつある。こうした状態は、法のもとの公正が貫かれる順応性のある資本主義が、より高い生活水準を実現するのを妨げ、また、より広い地域社会と環境の価値に対するその適応能力を大きくするのを妨げる。市民運動や政治運動は、企業と国家のまともな分離を要求しなければならない。

1938年には、世界恐慌のさなかに、議会が、国中で公聴会を開催し、経済力の集中に対処する方法を提言し、より公正な経済を促進するために、臨時国民経済委員会(TNEC)を設立した。第二次世界大戦はこの企業改革の勢いを止めた。われわれは、わが国の過剰な企業化をめぐって同様の委員会をはじめるために、今日の富と収入のまったくの不平等が一層の悪化するのを待つ必要はない。問題はわれわれの民主的社会の市民的価値が侵入的営利的な価値に打ち勝つかどうかである。




2002年のユニークな株主総会(『ダイヤモンドZAi』2002年9月号より)

ぴあ       ライブハウスで開催。著名ピアニストの生演奏付き。ICカードの使用。

ソニー      総会の様子を録画・編集してインターネットで一般に向けて公開。

リコー      総会の様子を録画・編集してインターネットで一般に向けて公開。

エイペックス  日曜開催。三味線:木下伸市、BoA、倖田來未、EXCILE、ELT、浜崎
          あゆみのライブを同時開催

福井銀行    銀行にしては珍しく日曜開催。総会中別室で子どもを預かるサービス
          も。

グルメ杵屋  上場来、開かれた株主総会をめざし、マスコミや学生、上場を目指す企
         業関係者を来賓として招待。総会後に自社提案商品の試食を兼ねた懇
         親会で幹部と株主の交流を図る。

スクウェア   開かれた株主総会の先駆け。日曜開催。新作ゲームの体験が可能。

ホリプロ    日曜開催。総会後の懇親会は、司会にイジリー岡田、若手タレントとして
         酒井彩名、野村恵理など15組が参加。家族連れもOK。



韓国、参与連帯の小額株主運動(02/07/11)

日韓共同開催の2002年サッカー・ワールド・カップが終わった。この歴史的イベントの最大の成果は、日本の植民地支配以来の障壁が大きく取り除かれ、日韓両国の相互理解と交流がかつてなく前進したしたことであろう。

日韓交流機運の新しい高まりのなかで、株主オンブズマンは、来る8月1日〜3日、韓国の株主オンブズマンともいうべき参与連帯の経済民主化委員会・小額株主運動グループを訪問する。

参与連帯は、会員13000人、常勤者55人、政策支援専門家約400人、市民活動家約300余人の韓国最大の市民団体の一つである。日本で知られている2000年春の韓国総選挙における落選運動も参与連帯が深くかかわっているが、参与連帯は議会監視以外に司法監視、行政(税金)監視、企業監視などの幅広い活動をおこなっている。

参与連帯のHPには韓国語と英語のほかに日本語のページもあり、下のURLには小額株主運動を中心に企業監視と企業改革の運動を行っている経済民主化委員会の活動が紹介されている。
http://www.pspd.org/pspd/jp/jpeconomy.html

韓国の参与連帯が1994年9月に創立され、日本の株主オンブズマンは1996年2月に設立された。小額株主運動のほうは1997年にスタートしたので、株主オンブズマンが活動をはじめた1年後のことである。日韓の両団体のあいだにはこれまで直接の交流はなかったが、にもかかわらず、両者が多くの点で共通した活動をおこなってきたことは驚きである。以下では韓国の小額株主運動を紹介するために、『法と民主主義』第354号(2000年12月)に発表された金石淵(キム・ソギョン、弁護士・経済民主化委員会副委員長)の論考を再掲する。


参与連帯の少額株主運動の意義

           金石淵(キム・ソギョン、弁護士・経済民主化委員会副委員長)

1.少額株主運動の意義                                 

少額株主運動とは、株式市場において多数の大衆から資金を調達し経営を行っている公開企業を対象に、経営陣がガラス張りの経営をしながら、経営成果について株主への責任を負っていくように監視・牽制することで、支配的株主による企業資産の不当な流出や乱用を防止し、経営に参加しにくい少額株主の権益を保護するための運動であると言い表すことができる。
         
韓国社金での少額株主運動は、いわゆる財閥企業が公開企業の相当部分を占めている状況であることから、財閥監視、または財閥改革運動としての性格も同時に帯びている。なぜなら、韓国社会での財閥は、歴史的に政経癒着のパートナーとして韓国社会全体の腐敗に対する直接の責任主体であったばかりでなく、同時に韓国経済を支配しながらも不透明な経営や封建的な家族世襲経営、負債に依存した船団式企業拡張などで、韓国経済の発展を阻害する障害物でもあったためである。

1997年末、IMF管理体制をもたらした背後には、まさに、負債に依存し過剰重複投資を繰り返していた財閥の存在があったことからも、韓国社会の現実における少額株主運動は、単なる一般少額株主の権益保護としての次元を越え、韓国社会全体の改革にも寄与する重要な運動手段としての意味を持つとも言えるだろう。

2.少額株主運動の内容と経過

参与連帯は1997年より、少額株主運動を市民運動の一環として展開し始めた。先ず、運動主体の側面においては、教授、弁護士、会計士、実務スタッフなどを結合させ、専門家で構成される少数精鋭組織を構成した。そして、運動対象としては、当時の韓国で不実な銀行の代名詞となっていた第一銀行に始まり、直ちに三星電子やSKテレコムなど、韓国の代表的な企業へとその範囲を広げていった。

1998年からは、韓国の主要五大財閥(三星、現代、大宇、SK、LG)の核心企業や五大財閥傘下の金融系列会社まで監視対象の範囲を広げ、現在に至っている。 少額株主運動の目標としては、企葉経営の透明性を確保し、不実経営に柑する経営陣の青任を追及することで、先進的な企第支配構造を定着させることを設定した。このような目棟達成のために、参与連帯は先ず、少額株主たちの議決権の委任を受け、株主総会へ参加するという戦術を取った。議決権を委任してくれる株主を集めるため、機関投資家をはじめとする少額株主を対象に、電話、手紙の発送、その他にも各種キャンペーンや公告、更にはピケティングまで、様々な手段を動員した。         

参与連帯が株主総会に出席するにあたり、先ず、経営陣に対して経営の透明性と責任性を確保させるために取った手段・措置の例を挙げると、支配株主から独立した社外理事(取締役)の選任、不法または不実経営に責任のある理事の退陣、支配株主と特殊な関係にある同株主の親族や系列会社に対して不当に支援された資金や利益の原状回復、透明な経営のための定款改定などの要求がある。要求事項を貫徹させるための手段として、参与連帯は議決櫓の代理行使の勧誘、株主提案権の行使、経営陣との交渉、株主総会での発言といった手段を講じた。 

当時、参与連帯が要求した内容は、当該企業はもちろん、韓国社会全体の改革方向ともその方向が一致したことから多くのマスコミより注目を浴びた。経営陣が変化と改革を拒否するか無視した場合は、より直接的な方法として、少額株主権を活用した各種訴訟や告訴、告発などの手段を動員した。更にこれと併行し、少額株主の権利強化のための法令改定案の提出、不合理な制度改善のための代案提示、世論の支持を得るための公聴会開催、様々な懸案に関する報道資料の配布及び監督機関に対する意見の提示など、様々な活動に取り組んだ。

このような取り組みの結果、参与連帯が1997年4月頃から1999年末までに提訴した各種民事訴訟や告訴、告発だけでも20件に達するに至った。その代表的な事例として、第一銀行の経営陣を相手取った株主代表訴訟では韓国社会初の勝訴判決を勝ち取り、現在、訴訟が係属中である三星グループ経営権の変則的相続に関連する訴訟は、その推移に社会的関心が集中している。このような過程で参与連帯は、SKテレコム及びLGグループ傘下のデイコムの場合、独立的な社外理事の選任を通して企業の支配構造を改善させるという成果をあげ、三星電子と現代重工業の場合、不当な内部取引を相当減らすという成果をあげることができた。また、これまで形骸化していた各種少数株主権の活用に対する認識を広げることで、一般の少額株主の権利意識を一段と高めることができた。

 参与連帯は実践の過程で明らかになった様々な制度上の問題を指摘し、立法改定に反映させる取り組みも行った。この間、参与連帯は独立的な社外理事の選任のための制度的保障の方法として、公開企業の場合、集中投票制の採択を義務付け、少額多数の投資者たちが被害を被った場合、集団的被害回復と違法行為の抑止効果を得るため、証券関連集団訴訟制度が導入されるよう活発な取り組みを行っている。

3.少額株主運動の評価と展望

少額株主運動が韓国社会において、それなりの成功を収めることができた要因としては、@法律上、少額株主に与えられている正当な権利を行使する方法として、正当性と実効性を備えていたという点、A参与連帯という、道徳性と改革性を備えた市民団体が運動の主体となった点、B1MF管理体制という特殊な状況下で社会全体の構造改革、特に財閥改革に対する国民的合意が形成されていた点、C過去に試されたことのない実践で斬新性があった点、D言論の支持を得た点などを挙げることができる。

しかしながら、少額株主運動は現在、様々な側面から壁につきあたっている。その主な原因は、@一般の少額投資者たちの運動参加率が低く、専門家中心の運動になっているという点、A少額投資者たちの個人利益の追求と、長期的かつ公益的な要求の間に、相対的に乖離が発生し得るという点、B韓国社会の特性上、少額株主運動に積極的であるべき機関投資者たちが、財閥との利害関係により積極的でないという点、C運動主体の面からすると、専門家のボランティアに依存して事業が進められてきたことから、内部力量が限界に達しているという点などである。

このような障害を克服するために、今後、参与連帯は少額株主運動の専門化と大衆化のための組織改革を試みる予定にある。その方法としては、@持続的な企業支配構造の監視を可能にするための常設組織(企第支配構造情報センター)の設立、F少額株主運動に必要な訴訟や諮問など、法律関連業務を全面的に担う法律事務所の創出、Bインターネットをはじめとする様々な宣伝メディアを通じ、宣伝、教育、出版事業など、大衆と接するためのルートの確保などを模索しているところである。結論的に、少額株主運動は小さな権利を集め、大きな変化を生み出すことができるのだと示した点で成功的な市民運動の典型を示したともいえるであろう。




食品の安全と安心をたしかなものとするための緊急提言(02/06/06)


株主オンブズマンは、食品関係の上場・店頭公開企業154社に対して食品の安全と表示に関するアンケート調査を実施し、5月末日までに113社の回答(回答率73.4%)を得て、その結果を6月4日本会のHP<http://www1.neweb.ne.jp/wa/kabuombu/020603-1.htm>に発表した。以下では、それに付された「食品の安全と安心をたしかなものとするための緊急提言」の部分を紹介する。


1.食品企業は、衛生的に製造、加工され、生命・身体に危害を及ぼすおそれのない安全な商品を正しい表示のもとに消費者に提供する使命を負っていることを自覚し、食品の安全と表示に関する社内監視体制と社員研修制度の抜本的見直しと改革を行う。

2.食品の安全と表示に関わる監視体制を強化するために、取締役会のなかに消費者団体などの推薦を受けて安全担当の社外取締役を置くことが望ましい。それができない場合にも、安全問題に主たる責任を負う取締役を置き、消費者からのクレーム情報の処理や危機管理に迅速に対応できる体制を確立する。

3.弁護士など外部の有識者(顧問弁護士は除く)を含むコンプライアンス委員会を設置し、食品の安全と表示に関わる倫理・法令遵守のための具体的な行動規範を策定し、その不断の履行と徹底を図る。

4.近い過去に食品の安全と表示に関して倫理・法令違反の事件を起こした会社は、コンプラインアス体制を強化・確立するとともに、事件発生の原因を調査・究明し、再発防止の具体的方策を速やかに講じ、その結果についての消費者および株主に対する説明責任を広く周知される方法で果たす。

5.食品の安全と表示に関わる不祥事の防止と早期発見を可能にするために、社内で倫理や法令に反する行為や事象に気づいた社員が、不当な圧力を受けることなく、経営上層に積極的に通報することができる「スピーク・アップ制度」を導入する。

6.環境・健康・安全への加害行為、これらに関わる法令違反、ならびに不正の隠蔽に関して、企業の内部者が告発した場合、雇用上の不利益や損害賠償請求を受けないよう保護する「内部告発者保護法」(公益通報者保護法)を速やかに制定する。

7.食品衛生法や日本農林規格(JAS)法などの食品の安全と表示に関する法制度を、消費者にわかりやすく、かつ実効性のあるものにすることを主眼に、総合的・抜本的に見直す。それとともに、食品業界と関係省庁から独立した組織として、科学者と消費者代表からなる公的監視機関を設置し、食品全般の安全チェックとリスク評価を行う。



神戸製鋼所株主代表訴訟事件の終結について(02/05/06)

株主オンブズマンは、高島屋、野村証券、味の素、第一勧銀、山一證券、神戸製鋼所などの総会屋利益供与事件で、関係役員に対する株主代表訴訟を支援して、高島屋、味の素、神戸製鋼所などで再発防止のための企業改革の実行を促すという実績を積み上げてきた。

このうち神戸製鋼所の株主代表訴訟は、提訴から2年後の今年4月5日に、事件発生時の元代表取締役が認諾、その他の取締役は和解のかたちで責任を認め、3億1000万円を会社に返還することで合意して終結した。この訴訟では、利害関係人として会社が原告と「覚書」を交わし、再発防止のために近畿弁護士連合会から推薦された弁護士2名を含むコンプライアンス委員会を設置し、コンプランアンス・マニュアルの策定や、スピークアップ(内部告発奨励)制度の導入を行うことでも合意した。

今回の裁判で注目すべきことは、終結に際して、裁判所が取締役、とりわけ代表取締役の責任と監視義務について「所見」を発表したことである。

所見は、まず「神戸製鋼所において総会屋に対する利益供与及び加古川製鉄所における裏金捻出がなされたこと自体は……ほぼ争いがない事実として認定できる」と言う。そのうえで、事件発生時の元代表取締役について、「同被告は、上記利益供与及び裏金捻出を予測ないし容易に知ることができたのではないかと推認され、これを防止できなかった責任は大きいと考えられる」ととがめている。

また、加古川製鉄所でスクラップを簿外売却するという方法によって、合計1億6592万円の裏金が捻出されことを特に問題にして、「取締役は、商法上固く禁じられている利益供与のごとき違法行為はもとより、大会社における厳格な企業会計規制をないがしろにする裏金捻出行為等が行われないよう内部統制システムを構築すべき法律上の義務がある」とし、「企業のトップとしての地位にありながら、内部統制システムの構築等を行わないで放置してきた代表取締役が、社内においてなされた違法行為について、これを知らなかったという弁明をするだけでその責任を免れることができるとするのは相当でないというべきである」と釘をさしている。

このように所見は、事件の被告であった役員の責任を述べているだけでなく、より一般的に、実効性のある社内統制システムの構築における経営トップの責任に言及している。その点で、所見は、今後、他の企業がコンプライアンス体制を強化するうえでのガイドラインを示したものといえる。

(注)所見の全文は
http://www1.neweb.ne.jp/wa/kabuombu/koube01.htmで読むことができる。



イギリスの 内部告発者保護法について (02/04/14)

外務省のムネオ・マネーや機密費問題などの不祥事は、内部告発によって明らかになった。野村証券等の総会屋利益供与事件、三菱自工のリコール隠し事件、雪印食品の国産牛偽装事件なども、内部告発が発端で公になったといわれている。しかし、他方では、「臭い物には蓋」、「内部告発は悪」という考えが根強く残っており、それが反社会的な行為を隠蔽し、告発者が不利益や制裁を受けるという事態を招いている面もある。

全国消費者団体連絡会は、雪印食品事件に関連して「内部告発を行った者が、賞賛されこそすれ、今後不当な圧力にさらされないようにする必要がある。イギリスなどで導入されている『内部告発者保護制度』について、日本での実現のために検討をすすめるよう、国会議員ならびに行政機関に求めるものである」という見解を発表している(http://www.shodanren.gr.jp/database/045.htm)。ここに言われているイギリスの内部告発者保護制度について、その概要を説明した英文資料を抄訳して紹介する。

公益開示法:内部告発者の保護
http://www.icclaw.com/devs/uk/ep/ukep_143.htm

従業員が雇用主に告発を行った場合に、従業員を解雇や他の損害から保護する1998年公益告発保護法が1999年7月2日に施行された。

<どんな告発が保護されるか>

従業員は同法の規定から恩恵を受けるには「保護が特定された告発」をしなければならない。このことは特定の不正行為リストのうちの一つを告発しなければならないことを意味している。またその告発は告発が誰(どんな人や機関)に対してなされるかによって異なる一連の条件に適合しなければならない。

<特定された告発のリスト>
告発は以下の特性された不正リスト(犯罪行為)の一つを示すものでなければならない

法遵守義務違反
誤審
人の健康および安全性への加害
環境破壊
これらの不正の隠蔽

<雇用主への告発>
雇用主への告発は、もし従業員が信義誠実の原則でそれを行い、それが不正の一つを示すと合理的に確信しているのであれば保護される。

<顧問弁護士への告発>
顧問弁護士への告発は信義誠実の原則でなされる必要はない。従業員は単にその告発が特定の不正の一つを示すという合理的な確信をもっておりさえすればよい。

<監督機関への告発>
通産担当国務長官のスティーヴンバイヤーは、告発がなされうる監督機関を指定した。従業員が監督機関に告発をする場合は、

信義誠実の原則にもとづいて告発をすること
監督機関の所轄事項の範囲内で起きたと正当な理由をもって思っていること
告発される情報が本質的に真実であると正当な理由をもって思っていること

指定監督機関のリストは7月2日に施行された新しい法令のうちに見出される。

<外部への告発>
雇用者、顧問弁護士あるいは適切な監督機関以外の何者かに告発する従業員は、より激しいテストを満たさなければならない。従業員は以下のことをしなければならない。

信義誠実の原則にもとづいて告発すること
情報が本質的に真実であると正当な理由をもって思っていること
個人的利得のために告発をしないこと
(監督機関が指定されている場合)その監督機関へ告発をすれば危害を受けると相当程度に思っているいか、(監督機関が指定されていない場合)従業員が雇用主へ告発をすれば、証拠が隠蔽されるか、破壊されると正当な理由をもって思っていること

でなくとも、従業員は同じ告発を雇用主か、監督機関にすでに行っている場合は保護される。
これらの基準にくわえて、従業員が告発をするにはあらゆる状況において正当な理由がなければならない。

<いかなる保護が与えられるか>
解雇および他の損害からの保護

<権利はいかにして行使されるか>
権利は労働裁判所への申し立てによって行使される。損害の申し立てが首尾よくなされた場合は正当で公正な補償が与えられる。解雇の場合、従業員が保護された告発を行ったために解雇されることはむろん不当である。しかし、従業員が保護された告発を行ったために解雇または一時解雇されるというケースには、不当解雇補償の上限(12,000ポンド)は、適用されない。

<雇用主がとるべき措置>
ほとんどの雇用主は、内部(社内)告発政策の導入を検討することを望むだろう。これによって、この法律の条項の実施を単に約束してみせるだけでなく、さらに、従業員が他のどこか(社外)で告発するのを止めさせるかもしれない。法律の条項では、従業員は、雇用主に告発するか、あるいは監督機関に告発するかを、選ぶことができる。従業員は、告発を雇用主に行いうる明確な方法がある場合は、雇用主告発ルートをより選びやすくなるかもしれない。さらに、従業員が監督機関以外の外部機関に告発するにあたって正当に振る舞ったかどうかを判断する際に裁判所が留意すべき問題の一つは、従業員が告発のためにいかなる内部手続きに従ったかどうかである。どんな政策も内部苦情処理手続きと混同されるべきでないという配慮がなされるべきである。公益開示の対象は、従業員の苦情(処理)と非常に似ているように見えるかもしれないが、それに対処するために雇用主が取るべき措置は異なる。

 

ノルウェー政府、取締役会の男女共同参画で大胆な政策(02/04/14)

株主オンブズマンは2002年の株主総会シーズンを前に、ソニーと三井住友銀行に対して、役員の報酬
および退職慰労金の開示と、女性取締役の選任を求める株主提案を行っている。株主オンブズマンは昨年の総会シーズンの前には、上場企業における男女共同参画の現状について把握するために、500社を対象にアンケート調査を実施し、305社から回答を得た(回収率61%)。その結果、取締役会に女性のいる企業は、わずか6社(各1名)にすぎず、回答企業の取締役総数4695人中の0.13%にとどまっていることが判明した。この比率はアメリカでは11.7%(執行役員では12.5%)であることと比べると、あまりに低いといわざるをえない。

本年3月8日のオスロ発のロイター・ニュースが伝えるところでは、ノルウェー政府は取締役会メンバーの少なくとも4割は女性であることを、国営・公営企業に対しては1年以内に、民間企業に対しては2005年までに達成するよう義務づけることになった。以下にその記事を訳出しておく。人名および会社名は読み方が判らないので間違っているかもしれない。

ノルウェー、企業に取締役会への女性参画を強制
3月8日、金、アリスター・ドイル

オスロ発(ロイター): ノルウェーは、木曜日に男女平等に関してかつてない強い決定をおこない、政府は取締役会メンバーの少なくとも4割は女性を確保することを会社に強制することになった。

国際婦人デーの前夜際で明らかにされたこの議論をよぶプランにおいて、中道右派政府は、国営および準国営の会社は1年以内に基準(割当数量)を達成しなければならないと語った。民間会社は2005年に達成しなければならない。もし企業が自発的に基準を満たせばあえて法が強制されることはない、と女性の権利を監視する児童家族問題相のライラ・ドーボイ(Laila Daavoey)は語った。基準に違反した場合の制裁はまだ決められていない。

「これは2002年3月8日を歴史的な日にするもので、平等のための闘いの歴史の一理塚である」とドーボイは記者会見で述べた。省の事務官は、他の西側諸国が女性のための同様の取締役割当制があるかは知らないと言った。

女性はたとえ社会の他の分野で長く強い地位を占めてきたとしても、ノルウェーの会社のトップの仕事では女性はまだ少ない。

バイキング時代には、男性が外国へ探検か略奮に出かけたとき、女性は農場を切り盛りしていた。ヒェル・マグネ・ボンデビック (Kjell Magne Bondevik) 内閣の20人の閣僚のうちの8人は女性である。ノルウェーのクリスチン・クローン・デボルド(Kristin Krohn Devold)は、世界で2、3人しかいない女性国防大臣の一人である。

ドーボイは、経験のない女性がより適任の男性に先んじて仕事を勝ち取ることを可能にすることで、この措置が失敗に終わるかもしれないことを否定した。「私たちは十分に長く待ちました。いま何かがなされなければなりません。最善の人が選ばれるでしょうし、男女の間で最善の人が見つかるでしょう」と彼女は言った。

その提案はまた取締役会メンバーの少なくとも、4割は少なくとも男性でなければならないとしている。事務官は、提案はほとんどの野党から支持を勝ち取るだろうと語った。

しかし、野党の最も右寄りの進歩党のシヴ・ジェンセン(Siv Jensen)はこの計画を激しく非難した。「これはまったく両性の平等のために闘いとは関係がありません」と彼女は、NRKの公共ラジオに伝えた。彼女は、女性たちは、どんな将来の取締役会の仕事も形式上の平等主義(女性優遇策)に負っていると感ずることになるであろう、と述べた。

すでに基準に適合している会社もある。国家管理の石油企業のスタットオイル(Statoil)、および政府系の通信グループのテレノール(Telenor)社は、それぞれ、10人の取締役のうち4人は女性である。

しかし、多くの民間会社は遅れている。また、たいていは、女性は取締役会にいない。例えば、アングロ・ノルウェー・エンジニアリング・グループのカベルネル(Kvaerner)社の取締役会は、もっぱら男性である。

ドーボイは、政府はこの施策について2002年に法案を起草することになろうと語った。と同時に、政府は、このプランについてを経済界と労働者団体に議論を呼び掛けるであろう。

 


戻る