§ラリーポイント制 再思考

ワールドカップバリボー99は、9人制とのルールの違いと選手も慣れていないせいか? ラリーポイント制の特徴が顕著に現れたように思えました。

「サーブカット最重要」
解説者やアナウンサーがよく言っていました。「セッターにさえきっちり返れば、世界と互角に戦えるんです」これ、どこのチームも同じことなんですよね。つまり、カットが返らないから勝てない。6人制はサーブカットが乱れると、2段トスが上がったら選択の余地がほとんどなく、“当たって砕けろ”的に打ち返すしかありません。

9人制ならリバウンドとかを駆使して状況を逆転させることもできますが、強豪に勝つには、いかにサーブカットでセッターに返せるか? がまず大事ではないかということを再認識させられました。突き詰めていくと、結局“パス”の正確さ・反復練習になるんですけどね。

全日本はチャンスボールでさえアンダーハンドパスを使用していました。2段トスを見たら、これが日本を代表する選手のプレーか? と叫んでしまう9人制プレーヤーが何人いたことか。学校の指導者は背の高い選手には攻撃に専念させるため、あまりパスの重要さを教えていないような気がします。・・・そういえば東北リコーにもいたなぁ。パスへたっぴが。

9人制でジャンプサーブをオーバーハンドでレシーブすることが多いのは、

1.コントロールを付けやすく、セッターに正確に返球できる。
2.少しぐらいミスしても、2段トスを上げやすくすることができる。

というのが主な理由だと思うのですが、6人制ももっとオーバーハンド使わないとダメですよ。え?外国人の超強力サーブはオーバーじゃ無理だって?
でも、日本は回転レシーブとかコンビネーションプレイとか当時は無理と思われたものを実践できたわけでしょう。やってやれないことはない! できたら金メダル間違いなし!!(^_^)V
ん〜チーム・ジャパンがオーバーハンドでスカスカ上げるシーンを見てみたい!

「強力サーブの必要性」
反対に、サーブで崩さなければ試合に勝てない(もちろんそれだけじゃないっすよ)ということになります。 9人制の試合を観てると、サーブカットがいいチームはサーブもいいということに気付くと思います。そう、サーブとサーブカットはセットで強化と考えた方がいいでしょう。

でも、サーブの練習は練習終了前のほんの数分ってことありませんか?
ここが難しいところで、他にもやることがいっぱいあるのに、サーブに時間かけられるかっ! ということになってしまいます。ここら辺、上位チームはうまく工夫していると思います。とにかく、強いサーブ、コースへ打てるサーブ等がうまくならなければ、それを使って練習するサーブカットも上達しないのです。サーブで崩すということは、相手の精神力を崩すにも有効な方法であり、試合の主導権を簡単に握ることになるでしょう。

「試合の流れ」
ラリーポイントはミスをした方が負けとか言われてます。しかし、それを恐れていては、思い切ったプレーができず、実力を発揮しないまま終わってしまいます。 でも、ちょっとしたミスで流れがガラリと変わってしまう・・・

語弊があるかも知れませんが、大切なのは“無理をしない”ことではないでしょうか。そりゃムリしないで勝てるに超したことはないさ...なんて声が聞こえてきそうですが、無理にはリスク(時には賭けに出る場合もあり)があります。凶と出たらそのセットを挽回するのには、非常に大きなエネルギーが必要になってしまいます。これを防ぐにはより多くの経験を積むことしかありません。(一部のスーパースター除く(^^ゞ)

ここは打つべきかフェイントか? アンダーパスかオーバーパスか? ファーストサーブは入れるべきか?・・・ 多くの練習・練習試合・公式試合を経験してその能力は培われます。だからこそ、ベテランが必要なときがあるのです。
いつもと違った行動をしてミスし、がっくりくるのは自分よりも、周りにいる選手だということを忘れないように。「練習通りにやればいいんだ」よく聞く言葉ですよね。

試合までどれだけ準備をしていたか・・・ より多くの事象を想定し、対策しているチームはちょっとのことでは動じません。それはスタッフにも言えることです。経験豊富のチームはホント強くて流れのつかみ方がうまいよ。

ちなみに
98−99年のVリーグはラリーポイント制が採用されると分かっていながら、時間的余裕のなさを理由(だったと思う)にサイドアウト制のまま開催されました。既にそこから出遅れているのです。

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