§国民体育大会の9人制廃止覚書

「国体ってバレー廃止になるの?」こんな質問をよくされます。というか、廃止されることさえ知らない方が多いのではないでしょうか。
1998年に開催予定7県から簡素化要望が出されたため、日本体育協会(日体協)は競技採用基準や施設のあり方などの見直しに入り、「国体を最高・最大の総合大会として再構築する」としました。
その中で何故9人制が廃止に至ったのか、今後どうなるのかを覚書としてまとめてみました。


※このような問題があることを知っていただきたく、文面には他サイトより引用している部分もあります。何卒ご了解の程、よろしくお願いします。


2003年2月
高知国体で途切れたが、それまで38年連続で開催地が優勝した。日体協はこれまでも何度か改革はしてきたが不満は続出。大会の肥大化、付け焼き刃的な強化策に批判が集まり“国体廃止”まで取り沙汰された。
こうしたことから日体協は時代に適応した大会として大幅な改革に取り組むこととなった。

改革の取り組みの詳細はこちら

柱の一つは簡素化。参加者を15%(約4500人)減らす。
基本的な考え方として、現在の国体競技40競技は実施し、種別と種目の整理・統合により参加者数を削減するものについては次の通りとした。

「国体を国内最高の大会に」という方針に沿い、五輪などで行われていない種別、種目も廃止、削減の対象になっている。しかし国体は「競技普及のための大会」という意識が定着している。当然のごとく各団体からは反発された。
しかし日体協との折衝で40団体のほとんどが了承した。「日体協が強硬だから…」と、しぶしぶ削減案をのんだ団体も多い。

成年男女9人制の廃止に、日本バレーボール協会(JVA)の砂田専務理事(当時)は「9人制は国民的スポーツで、競技の屋台骨。そもそも強化は日本オリンピック委員会(JOC)がやることだ」と反発。
全国のバレーボール登録者の90%は実業団と家庭婦人で9人制バレーボールを実施している。これらの団体から国体種目が廃止されると、「JVAを脱退して別の組織を編成する」という強い反発もあり、JVAの存続に関わるということで廃止撤廃を要望。
しかし日体協との議論は平行線をたどる。



2004年2月初め
JVAは様々な案を検討。その一つとして廃止対象となっている成年男女9人制に代わり、成年男女6人制を廃止する案を日体協に提示。折衝で「9人制を廃止することは全国的にも理解が得られない。当面の間『廃止』を凍結してほしい」と要望した。それでも日体協からの歩み寄りはない。

2004年2月末
JVAは2010年千葉大会までの存続を求め、受け入れられれば2011年以降の廃止には合意する方針を決め、日体協に要望書を提出した。
JVAは参加者の12%(148人)削減には同意しているが、9人制廃止については競技の普及の観点から反対してきた。しかし年度中に改革案をまとめる予定で時間的な余裕もないことから、妥協案を探った。

2004年3月下旬
未合意だった5競技団体のうち、バレーボール、体操、アーチェリーの3団体が日体協と基本合意した。
日体協は改革の実施時期を2008年からと決めているが、廃止対象となった成年男女9人制バレーは実施を3年遅らせ、2011年から廃止
少年男子新体操は、2009年から廃止ではなく「休止」と決まった。
アーチェリーは56人削減する日体協案に対して52人を提示。日体協も了承した。

バレーボールは廃止を先延ばしにし、この間にJVAが国体での存続へ向けて国際化の努力を進めたり、存続できなければ国体に代わる国内大会の整備などに取り組む
当時の豊田専務理事は「国体の性質が変わるのだから仕方ない。日体協が決めたら従わざるを得ない」と了承する意向。しかし、JVA登録チームの多数は9人制で「廃止は死活問題になる」との声も根強い。



2005年10月14日
JVAは全国理事会を開き、国体での廃止が決まっている成年男女9人制の存続を求め、日体協に要望書を送付することを決めた。

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競技色を強めたい日体協側は9人制バレーボールの廃止を求めているが、普及に力を入れたいJVAはむしろ6人制の廃止を訴える。社会人バレーの競技者数は、圧倒的に9人制の方が多いからである。
また6人制の場合はVリーグのチームがある都道府県が圧倒的に有利であるが、9人制の場合はそこまでの格差はなく、優勝の可能性を得られる。

日体協の言い分である「高レベルの大会」という観点からすると、国際大会と重なる時期にどれだけのトップ選手が出るのか?という声も一部から出ている。他の競技においても同様の論争が行われており、今なお決着が付いていない。

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管理人の個人的な見解ですが・・・

ということで、お偉さんが一度決めたことを撤回するというのは世の中を見渡しても難しいわけで・・・でもバレー関係者なら誰でも思うんですよ、成年6人制の方が国体を遙かに軽んじてるって。
だってベストメンバーで国体に臨むVリーグチームなんて、ほとんどいませんよ? 2005年なんてリーグまっただ中の国体になります。
Vリーグを最高の大会に位置付けているJVAとしては戸惑うのも無理はありませんね。国際試合選手選考会にするとか、高額賞金大会にするとかしないと、いまさら“名誉”だけじゃ振り向かないでしょう。

さてさて、それじゃこれからどうするの? 噂によるとアジア大会?の開催を模索しているようです。これが実現すれば、一応国体廃止対象からの除外となりますからね。国体存続、9人制の発展としての国際大会は大歓迎!なのですが・・・

そもそも9人制って国内限定だから発展してきたのではないか?とも思うのです。それがもし本格的な国際大会を開催するとなったら不安大です。ルールも違うし大幅な影響がない範囲なら許せますが、韓国は確かオーバーネット有りじゃなかったかな。

ということで、日本9人制にマイナスなら国際大会反対!となるわけです。国体は9人制にとって大舞台ですから参加したいし存続して欲しい! しかしそのために本来の機能を失うようなら、NOですね。

で、廃止となった場合、他になんか手だてはないのかな? 実現可能、不可能は差し置いて・・・

とまあ浅くではありますが、などなど考えてみました。もちろんこのまま存続、現状維持が最良なのですが・・・
ただね、国体に出場できるレベル以外の多くのチームは、9人制であっても対岸の火事としてあまり関心がないかもしれません。この辺も考えていかないとダメでしょうね。もっと憧れるような大会にしないと。

とにかく各方面でご尽力されているようなので、9人制愛好者の意向を反映して、納得できる解決をして欲しいと願っています。がんばれ!9人制!!

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