・善戦全敗
1977年、連覇を狙う実業団県予選、しかし準決勝で古川市役所にストレートの完敗を喫す。
好不調の波が激しく、ハマらないと強さは発揮しない。何よりつないでくるチームにはこっちから勝手に崩れてしまう。
産業人県大会、これだけは絶対はずせない思いはある。志波姫役場、伊藤ハムとのリーグ戦を共にストレートで破り東北大会進出を決める。
産業人東北大会は山形県新庄市で開催され、2回戦三菱製紙北上(岩手)、3回戦福島市役所をストレートで突破。しかし半澤の疲労からか、なぜか決勝戦となると分が悪く、小名浜精錬所(福島)には敗れる。それでも準優勝で全国大会出場を決めた。
東北リコー 0(15−21、13−21)2 小名浜精錬所
「この試合は完敗に近い。今の実力では産業人の東北大会出場が関の山か・・・しかし、個々のレベルを少しずつアップするしか現状では打開策がない」。
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日本産業人は岡山県倉敷市で行われた。
予選グループ初戦は三菱重工広島造船、半澤の強打で見せ場は作るものの、負けパターンはいつも同じ、エースを封じられてストレートでセットを落とす。
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「技術もさることながら、勝ちに対するどん欲さが足りない」「“惜しい”では納得できない。とにかく勝たなくては」。
部員には悔しさの涙がにじんでいたが、通用する強さを得るには、まだまだやることが山ほどあることを痛感した。
・グループ内抗争
この年、第1回リコー三愛グループバレーボール大会が開催された。
リコーグループの中でチャンピオンを決めようというのだ。これには部員も燃えた。「同じ企業内で負けるわけにはいかない」。
まずは迫リコー(宮城県迫町)、リコー光学(岩手県花巻市)、宮城リコー(宮城県仙台市)、東北リコー(宮城県柴田町)による東北地区予選が行われた。
「地区予選があるなんて、ずいぶん本格的じゃないか。東北地区同士なら尚更負けるわけにはいかないな」。
全国大会を経験しているチームは東北リコーだけ(かな?)。少なからずプライドもあるし、東北リコーここにありというアピールもしたかった。
選手はいつになく余裕を持って試合をしていたようだ。総合力で東北リコーにかなう相手はいない。難なく本大会出場を決めた。
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決勝は白熱の攻防が繰り広げられたが、好調なリコー厚木のエースが東北リコーのブロックを次々と破り、チームを調子づかせて初代王者となった。
「くっそ〜!」油断?焦り? ひとたび噛み合わなくなった歯車を修正するのは容易ではない。
だから試合中の流れというものを非常に大切にしなければならない。リズムとはいかに重要なものかを肌で感じた選手たちであった。
実はこの大会、4年ほど続いたが、東北リコーは1回も優勝していない。
しかも第4回大会では地区予選でリコー光学に得失点差で敗れ、本大会への道を阻まれている。
「勝ちへのこだわりがまだまだ足りない」。精神的にも、もっと強くなる必要があった。