かなり 実録 バレー部物語

・強化リーグ主管

いよいよこの年から“宮城国体”の4文字が目標として設定された。
「宮城国体を目標に置くということは、日本一を目指すということだ」。更に“優勝”という2文字が自動的に加わる。これは“WANT”ではなく“MUST”「本当に優勝を狙うのか・・・東北リコーが?」今後ますます苦しい練習が選手に待ちかまえている。まだ実感は湧いていないようだが。

都市対抗県予選決勝は昨年と同じカードでフルセット。第1、第3セットは序盤で引き離し、余裕の試合運びができたが、第2セットは粘られるという嫌な展開で抜け出すことができなかった。レフト加川が打ちまくって5連覇は達成したが、弱点は克服されていない。今年も危なっかしい試合が続きそうな予感・・・
東北リコー 2(21−13、24−26、21−14)1 ささにしきクラブ

絶対的な試合数が少ない東北地区において、数多くの練習試合をこなさなければ、強豪と互角に渡り合うことは難しい・・・
国体を本格的に目指すことにした東北リコーにとって、強化練習会の参画が必須と感じた大沢は、ある決断をする。
「厚木には誠に申し訳ないが、あの時期に集中した練習会を開催したい」

長年続いたリコー厚木との交流会に代わり、ゴールデンウィーク中に強化リーグを宮城県で開催することとなった。「宮城国体優勝を目指し、頑張って欲しい」。リコー厚木には快諾とともに、心引き締まるエールをもらう。
JTクラブ山形、横河電機、動燃東海、北上、ささにしきクラブ、中新田クラブ、東北リコーが集結し、岩沼市総合体育館で熱戦が繰り広げられた。

だが、強化は1日にして成らず、実業団県予選は決勝で敗北、崩れたときの弱さを露呈した。
東北リコー 1(19−21、21−16、12−21)2 アルプス電気涌谷


・群雄割拠

全日本都市対抗
競ったが負けは負け。仏頂面が並ぶ。=大阪府立体育会館
全日本都市対抗、広島選抜との1回戦、第1セットをデュースで取られると、第2セットはデュースで取り返す大接戦。まさしく互角の打ち合いが第3セットも続く。
東北リコーは攻め込むがミスも多い。ラリーが長引くとわずかなミスが積み重なってなかなかモノにすることができない。当然リズムも狂う・・・
結局、わずかの差で広島選抜に逃げ切られた。

実業団県予選もそうだったが、やはりここ一番の精神力に難があるか・・・どのような状況においても焦らない、動じない集中力が必要だ。

国体県予選決勝では昨年の総合県予選で苦杯をなめた中新田クラブにまたしても敗れ(ストレート)、地元宮城県で開催される東北総体出場を逃す。
国体出場を目標に掲げた限りは絶対に落とせない試合であったのだが・・・

県予選優勝は3大会が違うチームとなり混戦模様を呈してきた。目前の福島、そして宮城国体を単独チームとして出場するには、これ以上負け続けるわけにはいかない。
総合県予選も激戦となった。しかし2回戦で第1シードの中新田クラブ、準々決勝でささにしきクラブを下して波に乗る。決勝戦はフルセットとなったが、強力サーブで振り切り、優勝することができた。
東北リコー 2(19−21、21−12、21−16)1 古川工業クラブ

◇  ◇  ◇

全日本総合は静岡市で開催された。予選はニコン(埼玉)と対戦、豪快なサーブが決まった第1セットは一桁に抑えたものの、そのサーブ力を2セット続けて発揮することができない。気の緩みも手伝ってフルセットに持ち込まれた。
第3セットも粘られたが、気迫に勝る東北リコーがなんとか勝利を挙げることができた。

決勝トーナメント対岐阜教員戦、両チームともセンターからのコンビで応酬、ブロック力でわずかに劣る東北リコーが第1セットを先取される。
第2セットは中村、岩渕のセンターラインからHL加川、HR岡崎に展開する攻撃で必死に盛り返すも、ファーストサーブが決まらず、リズムを掴みきれないままストレートで無念の敗北を喫した。

以前と比べればレベルアップしているが、全国上位と比較してまだまだ安定したプレーが持続できないでいる。
ファーストサーブ頼みのゲームとなりつつあった。シーソーゲームが不得意な東北リコーにとってサーブが決まらなくなったときは非常に苦しい展開となる。

来年は福島国体、出場するには未だ勝ち星のないJTクラブ山形を倒す必要がある。「その前に宮城県でも勝てるのか・・・」
全てが調子いい時は強さを発揮するが、そんな毎回うまくいくわけがない。苦しいときにどう凌ぐか・・・スタッフ陣にとって頭の痛い日々が続く。