21世紀の経済は何処に行くのかアメリカが金本位制を維持できなくなってから随分年月が経った。それ以前までは「ドル対YEN」は固定相場だったのだが、それからは現在おなじみの変動相場制へと移行していった。
産業革命以降モノが大量生産されるようになってからの経済は、それをどう消費させていくかが重要であり、植民地や戦争等国単位の消費活動が終焉した第二次大戦後の経済は、車や電気製品など社会にとって価値のあるモノを生産し、それを 一般社会が消費 することによって経済が成り立っていた。
一般社会が消費する為には 一般社会が製品を買うだけの富を持っていないとならない。その為には 社会的多数の労働者がある水準の給与を受理できるだけの社会でなければならないのだが、いつの頃からかモノ作り王者の地位を日本やその他の地域に脅かされるようになり、労働集約型の会社の限界が見え、会社の成長が鈍化していった。
そうして 全く 新しい経済構造 を創造しなければならなくなった。
資本主義は価値の差を利用した経済だともいえる訳だが それが価値のある工業製品を生産しそれが必要な地域へ売っていくことから 紙幣や株などの価格差 時間差や地域差などを利用し利潤を上げることや デリバティブなどの高度なビジネスを確立していくことになる。
しかし価値の差などを利用しただけのビジネスは、富が移動するだけで、結局は ゼロサム社会 である。資本主義である以上社会全体が成長しない限りは全体の富は増えない。 南米や東南アジアで起こったことは 結局は単なる富の移動なのである。
そんなときに起こったのが インターネットによる 情報革命 で、それは一般社会でも情報が素早くある程度の精度で入手できる社会へと急速に変化していった。
情報革命以前は ある一部の人達が価値の差 現在の価値をホンの少し先の価格差や 地域差などを利用して利潤を得ていたが、革命以降はだれもが瞬時に情報を集め人気を得ることになった。 すると 期待度の高い会社は注目を浴び株価が急騰することになる。最近ではヤフーやアマゾンコムの株価に代表されるように 会社としての期待があれば、たとえ赤字決算でも高額な株価を付け しかもその株価の総額はその会社の 年間売上高の数百倍 となるようにな現象が起きてきた。
社会全体から見ると 経済は価値のあるモノを生み出して富をつくるのが本来の働きだが、現在のレート、株の価格などはその本来のファンダメンタルズや投資という役割よりも飛び越えて来ているようだ。
アメリカはこのところ対外貿易で赤字を続けているが、赤字というと聞こえが悪いが それは同時に ドルの輸出 に他ならず、株価の高さを担保にマネーサプライを増加させ、結局は紙を印刷するだけで富が増やせるシステムを作り得ている。
どうやら社会は、 「プレミア」 あるいは 「人気」 ともいうべき新しい価値を土台にした富増幅システムが出来上がりつつあるのではないだろうか。 |