MCA ビクター MVCD17, 1995.2.22.
- Voices 吉田美奈子 (2'57")
- Beauty 吉田美奈子 (6'32")
- Mistic Paradise 吉田美奈子 (6'45")
- Coco 吉田美奈子 (5'04")
- Liberty Minnie Shady, Aki, 吉田美奈子 (4'18")
- Angeldust 吉田美奈子 (6'58")
- Scenario 吉田美奈子 (6'53")
- Still Moon 吉田美奈子 (6'41")
- 精霊の降りる街 吉田美奈子 (6'28")
- 星の海 吉田美奈子 (4'26")
- 椎名和夫 : Programming, gtr
- 中西康晴 : kbds
- 岡沢章 : bs
- 土方隆行 : gtr
- 浜口茂外也 : perc
- 石橋雅一 : cor
- 山下達郎 : vcls
Feb, 22nd. 1995, リリース。
前作から 5 年振りのオフィシャル・リリースは吉田美奈子プロデュース作、 for LA-LA-LOO Productions Inc. そう言えば、 MECAToNE レーベルはどうなったのだろう?
Jun, 6th. 1995, オン・エアされた衛星ライヴから邪推するに、いろいろあったのだろうと思われる。なにはともあれ、カムバックを果たしただけでも吉としなければ。
アレンジの一部を清水靖晃と山下達郎が担当。帯に曰く「ことばを越えた声がある。歓びを知らせる音がある」。相変わらず凝ったブックレットである。 Slapp Happy 時代の Peter Blegvad のセンスをポップにしたと言えば判りやすい (?) 。手書きだったら、まさにそうである。
愛猫 Mag が亡くなったようだ (1974 - 1991) 。合掌。
" 星の海 " は 1994 年に亡くなったペイター佐藤氏に捧げられている。Requiem とでも言うべき歌詞と曲調で圧倒的に感動的な内容。本作の聴きどころは、やはり、ラスト 2 曲 " 精霊の降りる街 " , " 星の海 " であろう。が、アレンジはライヴの方が佳いように思われる。とくに、後者はヴォーカルが感情に負けているような気がする。
Twilight Zone, 1977, Monochrome, 1980, 直系のヴォーカル・アルバムだが、 1 曲めの " Voices " から、「あれ?」という感じで「スゥッ」と入ってくる。肩の力が抜けたというか、気負いがないというか、自然体というか、「歌って」いる。冒頭曲と、山下達郎コーラス・アレンジの " Beauty " への流れに顕著である (でも低音は相変わらず分厚い) 。「夜」のムードではなく、 " Liberty " に明らかなように、どことなく諦観 (これでいいのだ (C) 大槻ケンヂ) を伴ったような晴れ渡ったサウンドを披露している。振っ切れたということか。
ただし、 " Angeldust " , " Still Moon " は、たたみかけるヴォーカル・ラインに明らかなように、ややポップだが Dark Crystal, 1989, -> Gazer, 1990, 直系のサウンドで、本作ではいささか異質に聴こえる。
アート・ディレクション & デザインは HAMADA Yohko.
1995 年 12 月、第3回「服部良一音楽祭」 95 年度優秀アルバム賞受賞。