観賞日記
ベクシル
シナリオ | 展開 | キャラ表現 | 映像 | 満足度 | |
3 | 2 | 3 | 5 | 2 |
本日はCGアニメのベクシルを見に行った。 初日だけど全席自由席での扱いだったので小さな部屋で数人程度かと思っていたら チネチッタの別館は昔ながらの舞台の有る大ホールだった。 昔の映画館はこんな感じだったなぁと思い出しながら、結構な人の入り。 正直アニメは全く分からないので興味は無かったのだが 話がデジタル鎖国ニッポンというテーマに惹かれてどんな内容なのか観て見ようかと。 全体評価としては絵は非常に良かったのだが、話の展開が非常に残念な流れに・・・。 絵は世界観の表現やキャラクターのトゥーン具合、光を強調した明暗が印象に残り 細かいところではベクシル他が乗り込むアメリカ軍隊ソードの機動ロボの鉄表現が 非常に良かった。見ているだけで奥歯にキリキリと鉄を擦る感覚が産まれるほどだった。 話はデジタル先進国の日本が、アンドロイドなど人工人体に関する国際協定に反発して 協定に参加せずに鎖国政策を取った10年後の話。 アメリカ国内で裏取引が行われる現場にベクシルが参加する国防部隊SWORDのロボ軍隊が 潜入するシーンから話が始まる。 最初で最後の派手なロボ活躍バトルが表現されて掴みの印象は非常に良い。 しかし、最初にして最大のバトルシーン・・・。 首謀者斎藤を追い詰めるも、屋敷を巨大輸送機の羽で破壊しつつ羽に掴まり脱出される。 そこに、ベクシルが飛びつくのだが、いかにも重量満載なロボが足に掴みかかるってw 首謀者は巨大なナイフを取り出し、自らの足を切断してベクシルを切り離して脱出する。 取り逃がしたアメリカ軍は痕跡の残った切断された足を解析するのだが 生体反応は無く国際協定で禁じられている人工人体のアンドロイドである事が判明する。 しかし、アメリカ政府の判断は事を荒立てるなとの通達を行う行動を起こさない。 そんな国の判断に反する様に軍主導の元、鎖国日本に潜入調査を派遣する。 ここまでは導入のロボバトルの表現力や鎖国日本の如何わしさと言った絵と話の魅力はあり アメリカ軍が厳戒な鎖国日本に乗り込む流れから 今後の全面バトルやアンドロイドに関する日本の概要核心を掘り下げる魅力が有り 期待が高まったのだが・・・。 残念ながら前編のここまでがこの映画の良かった所か・・・。 さぁこれからって言う所からどんどんと流れが怪しくなる。 厳戒なデジタル鎖国を敷く日本国内への進入手段が輸送タンカーへの潜入って安易な・・・。 そんな輸送タンカーにはどう言う訳かアメリカ軍のロボは輸送(輸入)されているし 海境検閲を越える前のタンカーの爆破シーンはよく分からないし いかにもなレーザー検閲を意図も簡単に掻い潜り潜入成功って。 まぁ上陸後に斎藤率いる軍隊が待ち構えていたので罠だったと言う事なのだろうが デジタル要素だ鎖国要素だと厳重さを感じさせながらあっさり過ぎたので肩透かし もう一ひねりやアクセントといったイベントは置けなかったのか?気に入らない。 潜入後、罠に嵌ったSWORD部隊は通信手段を保持しているベクシルを守り逃走の壁となる。 ベクシルが爆風に吹き飛ばされて海に沈んだ所でシーンアウト。 ベクシルが目覚めた所は昭和30年代の日本を感じさせるトタンやベニアが懐かしい世界。 デジタル鎖国日本なのだが東京の中心全体が屋台や出店、木造家屋で表現されいた。 ここで後編の主人公マリアが登場し、全容が明らかに。 東京を全望出来る取り囲まれた高い外壁に上がり 東京以外は砂漠化し、半人間として生き残った人類がこの囲まれた空間で生かされている。 海上に浮かぶ夢の島が国を仕切るデジタル企業の大和重鋼。 権力を得たデジタル先進企業の大和重鋼が全国民に伝染病対策として予防接種を義務化。 予防接種とは偽りで人体のアンドロイド化実験を全国民で実施。 完全なアンドロイド化に発症する前の生き残りが東京に集められている。 半アンドロイドで半人間の人々が人として生き長らえる感情を残そうと 昭和初期の世界観で生活し続けているとな。 生き残りの反乱軍としてリーダーを務めるのがマリア。 後半は反乱軍がデジタル企業国家に立ち向かう話になりこれまでと別展開が示される。 イーオンを観た時と全く同じ感覚で全容が明かされて一気に冷め さらに、話の流れがアメリカ軍vs鎖国日本と言う大きな設定だったのが 反乱軍と企業国家の対立絵になり急に話が小さく窮屈になる・・・。 ベクシルは名と姿を借りた切欠キャラでしかなく、この映画の主人公は明らかにマリア。 これだけ鎖国日本に潜入する期待感を高めておいて小さく表現するって何? ギャップ狙いなのだろうが、思いっきり肩透かし。 もう後は力技でなし崩しに。 この後も、各キャラクターの関係性や反乱軍のエピソードなど盛り込まれるも アメリカやSWORD軍との関連は無く ベクシルが反乱軍に入り手助けを行い一脇キャラに格下げ。 砂漠に巣食う鉄を食す巨大なメタルワームを誘導して大和重鋼に立ち向かう反乱軍。 東京郊外の南北と東京地下に大和重鋼の夢の島に通じる3本の巨大地下通路が有り 震災訓練の時に南北の地下通路が開き開通する。 その時を狙い、メタルワームを誘導して大和重鋼本社を襲撃するのだが・・・。 最後の最後で遮断扉に間に合わない! ここでベクシルはミサイルを射出し掴んで飛びぬけたマリアとベクシルは到達するも 通路が直通しておらず欠落していてメタルワーム達は海の藻屑に。 決死の策だったのだが成功実らずで失望に陥るマリア。 しかし、残っている東京の国民の決意の元、外周を取り囲んでいる城壁の門を開き メタルワームを生活している地に襲撃させて地下通路を経由して夢の島に。 ってこっちは繋がっているの? まぁまぁまぁ国民全員が死を持って意思を示した終局演出と言う事で 最後はアンドロイド研究長の黒幕がヘリで逃走する所をバトルして メタルワームが襲ってきて全てが滅んで終った気がする・・・。 最後の最後は全く憶えていません。 まぁその程度の映画でした。 ベクシルの声優を行った黒木メイサは全く持って素人でした。 声が細いのなんのって・・・。もう少し演じれるだろう。 逆にマリアの声優を行った松雪泰子はキャラクターイメージに綺麗に嵌っていた。 やはりベクシルの映画では無くマリアが主人公の映画だったのかと・・・。 掴みは良かったのにベクシルにもロボにも展開にも物足りなさを感じた映画でした。 まぁ一言言うなら 「広げた風呂敷に責任を持って欲しい・・・。」 |