珈琲の効用

カフェイン
 珈琲の成分といえば「カフェイン」がその代表である。このカフェインだが、 いまだに体に良くないのでは?という人がたくさんいるのが現状であるが、実はまったく問題はなく、むしろ適度なカフェインには薬効さえあるのである。カフェインには中枢神経や筋肉を刺激する働きがあるため、眠気ざましに効果があったり、筋肉の疲労を回復させる効果がある。またカフェインには心臓の働きを活発にさせ、血液循環をよくする効果もあり、頭痛も鎮まり気分を爽快にしてくれるのである。 珈琲で痩せる!?
その他の効用  他にも珈琲は胃液の分泌を盛んにし、消化を助ける働きを持っているので、 油っこい物などを食べた後に珈琲を飲むと胃もたれを防ぐことができる。しかもカフェインには脂肪を分解する働きもあるので、カロリーの高い物を食べた後に珈琲を飲むのは、ダイエットにもつながる。つまり珈琲は、エネルギーを消費させる働きを持っているということになる。医学的には珈琲を1杯飲むことで約2分ほどのジョギングに相当するエネルギーを消費させると言われている。では10杯飲むとジョギング20分にあたるのかというと、残念ながらそうではない。そもそも珈琲ばかりを飲むのは体に良いはずがなく、バランスの取れた食事の後の1杯の珈琲、が、上手な珈琲の飲み方である。(百薬の長と言われるお酒も、飲み過ぎれば毒である)
 珈琲はカフェイン以外にも様々な成分や香りを持っており、これらの中には自立神経のバランスを保とうとする成分もあり、気持ちをリラックスさせる効果のある成分も含まれている。さらに、現在研究者の間で注目されているのが「老化の予防」と「ガンの予防」である。 人間の体内には活性酸素というものがあり、ウイルスや細菌を攻撃するという良い面を持っている。しかし活性酸素は、多過ぎると逆に人間の体を攻撃してしまい、 これが老化やガンの原因ではと考えられている。そこで注目されるのが珈琲の持つ活性酸素を除去する働き。食生活において、珈琲を飲むことで活性酸素の量をバランス良く調整できれば、老化やガンを間接的に予防できるのではと考えられているのである。 珈琲が漢方?
結論  アジアで西洋医学が採り入れられるようになったのは、18世紀以降のこと。 それ以前には生体の調和を大切にした中国医学やインド医学、そしてアラビア医学などが主であった。これらの伝統医学では「医食同源」の考え方があり、 珈琲の原産地であるアフリカ北部やアラビアでは、コーヒーは古くから薬として使われていたようである。一方日本でも、珈琲が初めて伝えられた時には、オランダ伝来の薬の一つとしてとらえられていたようで、江戸時代の後期に書かれた文献には、珈琲の健胃作用や利尿作用、覚醒作用を漢方薬として紹介した文章も残されている。
 今でこそ珈琲は嗜好品として広く親しまれているけれど、その効用が次々と解明されるにつれ、単なる嗜好品ではなく、むしろ体に良い飲みものであることが分かってきた。きっと人類が長い歴史の中で飲食してきたものには、体に良い成分が含まれているのでしょう。 ここまでいくつか珈琲の効用を挙げたけれど、まだまだ珈琲には未知の可能性がたくさん残されている。だからこそ珈琲のことを正しく知って、楽しいコーヒーブレイクを過ごしたいものである。