旅行に行く日は必ず晴れる。
大事な行事の時には必ず晴れる。
学校の入学式とか卒業式、成人式なんかは雨だった覚えもあるけど、自分にとっての重大な日には天気が見方してくれる。
私はいわゆる「晴れ女」だと自負している。
そんな私が「晴れ女」で良かったと実感出来た最良の思い出はこれである。
新婚旅行でヨーロッパへ行った私達。
ドイツ・スイス・フランスの旅程の中で、スイスの「ユングフラウヨッホ」という雪山へ行った時の出来事。
登山電車を乗り継いで雪深い頂上を目指す・・・その電車の中で現地ガイドさんが驚いてこう言った。
「こんなに晴れたのは久しぶりです。みなさんは本当に運が良いですね。」
最初は誰にでもそういうふうに言って喜ばせているのかと思っていたのだが、頂上でいろいろな人の話を聞いていると本当にビックリするくらいの快晴だったらしい。
照り返しで肌が焼けてしまいそうなくらいの雪の上で、私は自分の「晴れ女」ぶりを実感して感動した(笑)。
でも一概に「晴れ女」が良いことだとは言い切れない思い出もある。
例えばこんな場合・・・。
あれは20代半ば、家族旅行で北海道に行った時、「霧」で有名な「摩周湖」での出来事。
その日も見事な快晴で、空には雲ひとつなかった。
霧で覆われた幻想的な摩周湖を見るつもりで行ったのに、そこには向こう岸までハッキリと見えそうな美しい摩周湖があった。
まぁそれはそれで綺麗だったから良かったんだけど、現地の土産物屋さんの店主が私に「晴れの摩周湖を見たら婚期が遅れるよ!」と言った一言で、見てはいけない物を見てしまった気分になってしまった。
今から結婚適齢期を迎える女性に対してそんな事言うか?
それでなくても周りがうるさくなり始めているというのに!
このジンクスのせいなのかどうなのか知らないが、結局私の婚期は遅かった(T_T)。
観光名所には結構そういうジンクスが多く存在していて、それは占いと一緒で信じ込む必要のないものだとはわかっていても、やっぱり当たると気持ちの良いものではない。
よって、せっかく見た美しい摩周湖は、私の婚期を遅らせる悪者のようなイメージとして今も私の中に定着している。
このように「晴れ女」で有るが故にによってもたらされる感情は様々なんだけど、基本的に私は「お日様」が好きなので、やはり自分が「晴れ女」であることには感謝している。
だから梅雨になると「光合成」できない草花のように、自分がしおれてしまいそうな気分になる。
6月の花嫁・・・これに憧れない女の子はいないだろう。
でも日本で6月に涼やかに結婚式を執り行うというのは、とても困難である。
いくら「晴れ女」でも「梅雨」という気候に逆らうのは難しいだろうし、結婚式の来賓の中に強烈な「雨」人間がいたら大変である。
私はずっと日の光の下で「ガーデンウェディング」をするのが夢だったから、適齢期になって自分の結婚式というのを真剣に考えるうちにジューンブライドとガーデンウェディングをやるのに無理が生じるということに気付きとても哀しい思いをした。
結局ぽわんパパと長い長〜いお付き合いの末、結婚式に選んだ日は私の誕生日だったのだが・・・。(余談:結婚式当日も見事に快晴でした。)
最近は紫外線を浴びることで癌になるとかシミが出来るとか言って、昔よりも太陽を避ける人が多くなった。
確かに危険なのかもしれないが、私はあの夏の日差しを見ると日陰でじっとしてなどいられない性格である。
夏休み(盆休み)明けに会社へ行って「年を考えろ!そんなに焼くな!」と言われることもあるが(笑)、私は夏の溶かされそうな日の光が大好きだ。
私は夏に海やプールに行っても「日焼け止め」という行為を行ったことが無い。
シミを気にする気持ちよりも、太陽を浴びたいという気持ちの方が大きいので、いつも何の手入れもせずに子供同様に泳ぎまくる。
せっかく海(プール)へ来ているのに、帽子を目深にかぶったり肌荒れしそうなほどの「日焼け止めクリーム」を塗りこんでヘタッているな
んて信じられない。(ビーチパラソルの下で、帽子とサングラス、Tシャツまで着て座っているっていうのが本来の女性の姿なのかも知れないが・・・。)
故に家へ帰ってお風呂に入ったら、全身が真っ赤で頭皮まで焼けていたこともあるほどである。
去年は出産したばっかりで夏を迎えたために太陽の下で遊ぶという時間は皆無だったけれど、今年は息子に水着を買って琵琶湖へでも繰り出そうと楽しみにしている。
まぁこんなママでも息子にいきなり日焼けをさせることは無いと思うが(笑)。
「晴れ女」であるということ。
それはたぶん、たまたま天気の良い日にあった出来事をよく覚えているというだけのことなんだろうと思う。
でも天気と同じように、いつも心も「晴れ」にしておきたいと私は思っている。