Tabla Beat Science



TALA MATRIX : 2000


category tabla, drum n bass
お気に入り度 ★★★★☆
To Amazon.co.jp世界的タブラ奏者ザキールフセインが中心となって結成したグループ。タブラ奏者/DJ/コンポーザーな Talvin Singhや Karsh Kale、インド系コンポーザ/パーカッショニスト Trilok Gurtu、サーランギの Sultan Khan、そしてBill Laswellと、蒼々たるメンバーが参加しています。グループ名から分かるように、タブラビート+エレクトロなアルバムです。#1、#3、#9はザキールとビルによる曲。ザキールが大活躍しててタブラ好きは悶絶間違い無しなんですが、特に#9は小気味良く響くタブラ・ビートにベースの図太い音が絡むまさしくタブランベースな曲になっててカッコ良過ぎ。#2、#6はこの2人にサーランギの名手Sultan Khanが加わり曲の官能度がグッと増します。Talvin Singhによる#4はタブラビートによるブレイクビーツ。つぅかTalvinもタブラかなり上手いですねぇ。。Karsh Kaleによる#5はチルアウト風のアレンジで彼らしいですね。#8はTalvinとKarshによる今考えると非常に贅沢なコンビによる曲で、宇宙っぽいシンセに、Talvinによるタブラ・ビート。ラストの#10はザキールによるタブラ・ソロ。古典ぽくなくて自由にやってますね。まぁいつものように超絶テクを駆使しまくってて凄いのは相変わらずです。どの曲もコンポーザがタブラ奏者ということで最初から最後までタブラ尽くしです。タブラ好きはマストです。




LIVE IN SAN FRANCISCO AT STERN GROVE : 2002


category tabla, drum n bass, jazz
お気に入り度 ★★★★
To Amazon.co.jp2枚組のライブ盤です。Disc1 は冒頭の曲から濃いです。1stアルバムにもなかった16分にも渡るZakir HussainとSultan Khanによる"Taaruf"です。古典演奏も凄いんですがザキールにしか出来ない独創的で自由な技も随所に散りばめられていて、世界最高峰に君臨する打撃テクニックをこれでもかと魅せつけてくれます。とにかく決めるところの打撃音のキレが凄くて、同時にバヤン(低音を出す方)も高速で叩いてるんでとんでもないグルーブ感が出てます。一人の人間が出せる音圧を超えてますねコレは。この曲のラストから次の"Sacred Channel"へ繋がる部分はまるでベースのように唸るバヤンの音に合わせてベースが切り込んでくる展開でここは相当カッコイイです。でこの曲はBillのベースとZakir、そしてKarsh Kaleのドラムによるジャズにも似た即興バンドセッション。ライブでは定番の曲ですね。次の"Nafeken"はKarshの1stアルバムにも参加していたエチオピアン・シンガー Gigi と Sultan Khan によるヴォーカル曲。"Ap Ke Baras"はKarshとも仲の良い MIDIval punditz の2人によるダーク・トランス。サンプリングされたタブラ・ビートを贅沢に使ってます。"Magnetic Dub"はその名の通り、サーランギのメロディが印象的な1stにも入っていた曲"Magnetic"をダビーに演奏しています。そしてDisc2ですが1曲目、GigiとKarsh、Sultan Khanによる"Satellite"。これはKarshの1stアルバムに入ってた曲と多分同じ。でも相変わらず即興性が高いんで別の曲になっちゃってますね・・・。"Tala Matrix"これは面白いです。Dj Diskによるスクラッチ・テクが物凄いです。ビートを刻むようなスクラッチングがリズミカルでとてもカッコイイ。Disc2は割とGigiとSultan Khanのヴォーカルをフィーチャーした曲が多いですね。そして最後はメンバー全員参加のバンド・セッションで大団円を迎えます。
ということで1stアルバムには収録されてない曲がほとんどです。karshによるドラム、Dj Diskのターンテーブルなどの積極的な参加や、バンド・セッションのような演奏形態なども1stとはかなり違います。それに加えインド古典音楽とは違った即興のやり方(ジャズ・セッションのような)をやっているため、大分印象が変わっています。パラエティに富んだ非常に斬新な(即興)ライブ・アルバムになってます。ただその分タブラ度は1stに比べて少ない("Taaruf"は別)ので個人的にはちょっと残念。