SENTENCED



NORTH FROM HERE :1993


category melodic death metal
お気に入り度 ★★★★
To Amazon.co.jpフィンランドのバンドの2nd。今や押しも押されぬ、エモーショナルなヘヴィメタルの頂点に君臨するSENTENCEDだが、この頃はまだメロディックデスメタルと表現されていた。引きずるようなデスメタル系のリフと残虐に叫ぶヴォーカル、そして、それに相対する叙情的なギターメロディ。この美醜対比の手法を編み出した先駆者のバンドの一つがこのSENTENCEDである。常に暴力的でありながら、それでいて憂いのある扇情的なメロディ、程良い疾走感、など完成度は高い。この当時、という枕詞をつける必要のないとても良いアルバム。




AMOK :1994


category metal
お気に入り度 ★★★★
To Amazon.co.jpこのバンドにとって、決定的な転機となった記念すべき3rd。当時これを聴いてとても驚き、同時に聴きまくったのを記憶している。楽曲がヘヴィメタル、特にツインギターを軸とした展開はIRON MEIDENあたりに通じる音楽性であり、メロディの扇情度も格段にアップしており、それでいてメタル的なカッコ良さも持ち合わせた非常に聴きやすいアルバム。またヴォーカルもデス声というよりは、ガナっている程度であり、多少メロディラインを意識して歌っている。もうメロデスとは呼べないであろう、この変化は驚愕、そして賞賛に値する。




LOVE & DEATH :1995


category metal
お気に入り度 ★★★☆
To Amazon.co.jpミニアルバム。新曲が2曲、3rdのボーナストラックにも入っている未発表曲が2曲、全くの未発表曲が1曲、カバー曲が2曲、という構成。で、新曲は「AMOK」と同路線です。




DOWN :1996


category metal, emotional
お気に入り度 ★★★★★
To Amazon.co.jpまたも変化をした4th。まずヴォーカルのタネリヤルヴァが脱退し、Ville Laihialaが加入している。このヴォーカルが何とも気怠く、押し殺したような歌声を聴かせており、今回の楽曲にマッチしているのだ。今作では前作のちょっと暗いヘヴィメタルな路線から若干変化しており、SISTERS OF MERCYなどのゴシックロックや、PARADISE LOSTのようなゴシックメタルに接近している。が、ただのゴシックメタルとは違い、ずっとエモーショナルなのだ。この胸を締め付け、息苦しささえ感じさせるメロディが今後続く作品群に共通するSENTENCEDの個性であり、真骨頂であり、他のどのバンドの追従も許さない確固たる音楽性なのだ。この暗く、とても一人で聴くに堪えないような悲痛な楽曲、それに今回加入したVilleのややゴシック調な雰囲気のある伸びのある歌声がとても合っていて、ワタシを感動の渦に落としにかかるのである。まさしくDOWN・・・・。




FROZEN :1997


category metal, emotional
お気に入り度 ★★★★☆
To Amazon.co.jp5th。今回は新たにベーシストが加入し5人体制になっているようだ。今までずっと変化し続けて来たバンドだが、このアルバムは前作と同路線であり、相変わらず質の高い、エモーショナルで暗いヘヴィメタルをやっている。よって特に言うことがない。が#4の途中で聞こえる特大の”ゲップ”については触れないワケにはいかないだろう。思いっきりゲフッと聞こえる。。。アレは一体ダレのゲップなのだろう。結構曲の雰囲気をブチ壊していて面白いと思う。




CRIMSON :2000


category metal, emotional
お気に入り度 ★★★★★
To Amazon.co.jp待望の6th。もう何もいうことはない程に素晴らしすぎる傑作アルバム。フィンランドの厳しい環境が彼らにどう影響しているのかわからないが、どうしてここまでエモーショナルで感動的なメロディが書けるのだろうか。まるでアルバム全体にネガティブな激情が渦巻いているようだ。
#1から扇情的なギターメロディで始まり、そこに今回さらに歌唱力をアップさせ、ネガティブな感情を押し殺したような歌声を見せてくれるVilleが熱の籠もった歌い方で歌う。。。冒頭からそのSENTENCEDワールドに引き込まれるようだ。#3は耐え難い程に、聴く側の胸を掻きむしらせ、辛い感情にさせるような、サビのメロディのある曲。#4はアコースティックなイントロにVilleが静かに渋く歌い、その後盛り上がる熱い曲。#5はギターのメロディが印象的で、いつにもましてVilleが熱く歌っている。そしてシングルにもなった#6である。静かなイントロから一転、激情パートに移行、そしてまたスローパートへ。激情と悲哀が交錯し、聴く側の感情を激しく揺さぶる名曲。#7はVilleの渋いヴォーカルが堪能できる、ネガティブな曲。
正直、全曲が名曲と言ってもいいくらいに、楽曲レベルは高く、溢れんばかりに寒々しいまでの慟哭のメロディに打ちのめされる。ということで来日希望。




THE COLD WHITE LIGHT :2002


category metal, emotional
お気に入り度 ★★★★★
To Amazon.co.jp前作はフィンランドのナショナルチャート1位を獲得したという、もはやフィンランドの国民的?ロックバンドとなった彼らの最新7thアルバム。というかこんな根暗な(誉め言葉です)アルバムが1位になる国ってどうなのでしょう。きっと素敵な国です。それよりも何よりも、この慟哭サウンドをコンスタントに我々に届けてくれるのが嬉しいではありませんか。極北の地よりの慟哭ギフト。日本に居ながらにして極寒な気分に浸れます。薄暗い氷原で切り裂くように頬に当たる風。ずるずるです(鼻が)。いや、それほどまでに徹底して寒々しくメランコリックな演奏が堪らない。Villeの男の悲哀感漂う掠れ声も渋い。無精髭が似合いそうな声だ。ジャケットの"S"はSorrow、Sadnessのシンボルでもあるのだろうか。悲しい。でも力が湧いてきそうな、そんな力強いVilleの声はとても頼もしい。前作までのファンはもとより、最近ちょっと根暗になっちゃった、好きな娘にスカ屁がバレた、しかも彼女にもスカ屁を頻繁にコかれる(平然と)、など人に言えないクールな悩みを持っている方にも聴いて貰いたい。