2007.12.29はアンサンブル・フロイント年内最後のアンサンブル。メインの曲は毎年ベートーヴェンの「第九交響曲」と決まっている。もう年末の休みに入っているということもあって、ふだんは多忙で参加できない団員の方、遠方に住んでいる団員の方、さらにヴァイオリン、ホルン、ピッコロフルートのゲストも加わって始まる前から賑やかな雰囲気だ。ホルンが5人、打楽器が3人というのは、ふだんのアンサンブルでは考えられない豪華さ!ホールは楽器ケースでいっぱいで、遅く来た人は置き場に困るほど。演奏用の椅子もふだんよりずっと多く並べているので、ホールがとても狭く感じられる。
 メインの「第九」の前にやる曲は、挙手投票の結果、ブラームスの「大学祝典序曲」に決まる。ウォーミング・アップにしては難しすぎる曲だけど、管楽器が多いので迫力満点。
 それが終わるといよいよ「第九」の全曲演奏。 1、2楽章はふだんのアンサンブルでもときどきやるが、4楽章だけは1年に1回の特別な音楽。今年は打楽器が3人も居るので、4楽章はティンパニ、トライアングル、シンバル、ベードラを分担できる余裕がある。ただ”歌”のパートを歌う人が少なかった。今年はコンサートマスターのNさんがほとんど一人で最初から最後まで歌った。それもテノールとバスの両パートを!後で聞いてみると「第九は前に一度、一万人の第九で歌ったことがあるだけですよ。」ということだったが、見事な歌だった。
 モーツァルトの歌劇「魔笛」序曲で始まり、ベートーヴェンの「第九」で終わった2007年のフロイント、思い起こすと今年も一年間いろんな曲をやった。演奏技術を向上させる、また比較的よくやる曲を自分のレパートリーにするという点では全く不十分だったが、9月には演奏会もあったし、自分にとっては楽しくて充実した一年だった。
 以下は余談であるが、日本の12月は「第九」の演奏機会が非常に多いが、それは「合唱つき」の4楽章で歌われる有名な”歓喜の主題”と深く結びついている。4楽章でも、”歓喜の主題”以外の部分はポピュラーになっているとは言えないと思うが、先日放映されたTVドラマ「ガリレオ」の最終回では、主人公(ガリレオ)が時限爆弾の解除を試みる場面で、ヴァイオリンが奏する8分音符の速いパッセージ(6/8拍子、435小節から)が状況の緊迫感を演出するのに効果的に使われていて感心した。

(2007.12.29)