車のトラブル(売却編)
買った車は売れない
さて,色々あったけれど,よく働いてくれた愛車のボロフォードを,帰国に際していよいよ売ることになった。はじめのうちは,大学のホームページに広告を出したが,テレビやFuton Bedはすぐに買い手がついたのに,車だけは全く問い合わせがない。値段が高すぎるのかと思い,相当値下げしたがそれでも買い手が現れる気配がない。しかたないので,高級ディーラーやガレージが多いバースは避け,ブリストルの安ガレージで買ってくれるところを探すことにした。まず行ったのは,もちろんこの車を買ったM&Sガレージである。ところがなんとこの店つぶれているではないか!入口にロープが張られ,あれほどあった野ざらしのボロ車が1台もなくなっている。他にもつぶれている中古車ガレージを見た。英国の景気がよくなって新車を買う人が多くなり,ボロの中古車だけを扱ってきたガレージはやっていけなくなったのだろうか?それとも排ガス基準を満たしていない車への税金が上がり,ボロの中古車が敬遠されているのだろうか?営業しているガレージがあっても,(100万円以上する)「新しい」中古車だけを扱っていたり,「うちはもう満杯だから。」などと断られるばかりであった。
最後にようやく500ポンドなら買おうという店があった(つぶれたM&Sガレージで私に車を売ったラテン系の店員がいたのがおかしかった)が,それくらいなら自分の知り合いに直接売った方がいいということで,研究室で私の後に来た日本人に売ることにした。車検のときにかなり徹底的な交換・修理をしているので,車の状態は私が最初に購入したときよりもよくなっている。大事に乗ってもらえれば,私としても嬉しい。彼もこの車に愛乗し,後継の日本人に車を譲って,現在は帰国している。1989年製の古い車なので,遠からず廃車になる運命だろうが,私から数えて3人の日本人が乗っていることになる。車に関しては最初から最後まで本当にいろいろあったけれども,それだけに私なりの愛着はあった。1年間で11,000マイル(約18,000キロ)走り,トータルでは20万マイル走っているボロフォードを譲り渡した日は,いよいよバースの街ともお別れだな,日本に帰るんだなと実感した日でもあった。
