The Travel of Legoland


ドラゴン・コースター乗車記念フォトのフレーム

LEGOLAND Windsor
Windsor, Birkshire SL4 4AY

Tel: 08705 04 04 04
URL:
http://www.lego.com/legoland/windsor/default.htm


レゴファンのパラダイス
  英国から帰国して何年もたったが,うちの子どもたちに「1年間イギリスに居て,何がいちばん楽しかった?」と尋ねると,いまだにウィンザーにあるレゴランドに行ったことを真っ先にあげる。私たちにも彼らの気持ちはよくわかる。本当に何から何まで楽しく,夢のような1日だったのだ。それは,われわれ大人にとっても同じ。先日オープンしたユニバーサル・スタジオはもちろんのこと,東京ディズニー・ランドにも行ったことのない私たちだが,レゴランドでの楽しい思い出は将来にわたって色褪せることがないだろう。かなりの長期英国に滞在する方はもちろん,たとえ短期の英国旅行でも,LEGOブロックが好きな子どもたちや,少年少女時代にLEGOのとりこになった経験のある大人たちにとってすばらしい時間を約束するレゴファンのパラダイスなのである。


The Biginning とThe Hill Train
 ウィンザーの郊外にあるレゴランドは1990年代の初頭にプランニングが始まり,元はサファリ・パークだった土地を3年以上の年月をかけて大規模工事し,1996年3月にグランド・オープンした。当時使われたレゴブロックの数は2500万個であった。
 レゴランドはM4のジャンクション6,M3のジャンクション3からすぐで,ロンドンからだと列車やコーチでのアクセスもよい。入場ゲートとThe Big LEGO Shopがある The Beginnigを通過し,青・黄・赤のカラフルなThe Hill Trainに乗車して,メインのMy Town,Castleland,Wild Woods,LEGO Traffic方面へと向かう。本当に丸一日かけても遊びきれないほどの充実したアトラクションがあるが,以下に私たちが体験したものを中心に紹介しよう。

LEGO Traffic

 レゴランドがいいなと思うことのひとつは,普通のレジャーランドと違って,ただ受動的に乗物に乗るだけでなく,子どもたちが,まがりなりにも自分で考えながら乗物遊びができるようになっている点である。たとえば, LEGO Trafficにある Driving Schoolでは,交通ルールを学びながら,自分で車を運転する楽しみを子供たちが味わえるようになっている。用意されている「教習者」はもちろんレゴ・ブロックをモチーフにしたデザイン。本当に理解しているかどうかは怪しいが,「教官」が乗車前に子どもたちに運転の注意を与える。「教習」中も教官の指導は続く。見てる親の方も,「うちの子,イギリス人の子より運転うまいじゃないか!」と,思わず親馬鹿になってしまう。人気のエリアなので,順番待ちでかなりの列ができているが,「教習時間」はかなり長い。子どもたちに不満を残させないという配慮だろう。教習が終わると,子どもたちは一列に整列させられ,一人ずつ教官から「免許証」をもらう。どの子も誇らしく嬉しそうだ。もちろん,うちの子も。子どもに達成感と満足感を与えるレゴのプログラムはすばらしい。年齢制限で教習に参加できなかった当時2才の次男が「ぼくも,ぼくも…」とダダをこねたのだけが誤算だった。




  LEGO Trafficには,ほかにも Boating School(左の写真参照)や Driving Schoolよりも小さい子のための L Drivers Schoolもあって,どのコーナーからも子どもたちの楽しげな歓声が聞こえてくる。


Castleland
 Castleland
には,お城の門をくぐって行く。ここにある The Dragon Knight's Castleは,レゴブロックでできたキャラクターがたくさんいる中世のお城。白馬にまたがった王子さまとお姫さま,樽酒を飲む男など,キャラクターのすべてが見事なブロック模型で作られている。ドラゴンのデザインのローラー・コースター The Dragonが,このお城の中の部屋を通り,外に出て森の中を駆け抜ける。ちなみに,上の子はThe Dragonに乗ろうとしてギリギリ110cmの身長制限に背が足りず,ごまかして入口を通り抜けようとしたが,係員に呼び止められ,大きい物差しで身長を測られ,「キミはダメ!」と言われて,小さい子ども用のミニ・ドラゴン・コースターに乗るハメになったのである。彼はいまだにぶつぶつ言って悔やんでいる。

 


Wild Woods
  Wild Woodsは,急流下りの Pirate Fallsが目玉。日本のようなビニールの水よけがないので,最後の急降下では相当の水しぶきを覚悟した方がよい。でも,子どもは大喜び間違いなし! 砂金すくい体験ができる Gold Wash,3つの違ったタイプの迷路が楽しめる Amazaing Mazes,フィールド・アスレチックスの The Rat Trapなどもある。



Miniland
  Mini Landは,レゴブロックで作られたミニチュアの国と街の数々である。子どもでなくとも,専門の職人によるレゴブロックを使った建築芸術の見事さには目を奪われるだろう。いかにも英国的だと思うのは,イングランド,スコットランド,ウェールズは別の国として建物も作られている点である。英国の建物を集めた Little Britainと呼ばれる一角ではビッグ・ベン,タワー・ブリッジ,リーズ城,ストーンヘンジ,エディンバラ城など有名建築がたくさんある。ベルギー・ルーヴェンのタウン・ホールの見事さは忘れがたい。レゴブロック大好きの子どもを連れた方は,後で子どもに「ぼくもああいう建物作ってみたい。」と言われないよう注意しましょう。ブロックが何千個いるか分かりませんからね!


Dupro Gardens
 Dupro Gardensは,レゴの幼児用ブロック,デュプロをモチーフにした楽しいパーク。子どもが大好きな水鉄砲遊びが満喫できる Waterworks,大きいデュプロブロックで作られ,小さな子でも安全に楽しく遊べる DUPLO Playtown,カラフルなヘリコプターの Whirly Birdsがある。


My Town
 さあ,ちょっと遊びつかれたら, My Townで休憩しよう。園内に数多いレストランの中でもいちばん大きい Restraurant Marche,天気のよい日にお弁当を食べるのにうってつけの Picnic Grove,レゴ関係のショップが集まった Brick Brothersなどがある。


Imagination Centre
 少し大きい子向きだが,レゴの奥深い世界を知るために Imagination Centreはうってつけの施設。実際にたくさんの種類のレゴブロックを使って自分の好きなように組み立てることができる FreeStyle Workshops,パソコンを使った設計の実習を行う DACTA Workshopsなど,LEGOという会社は裾野を広げることもちゃんと怠らないのである。センターの前にはレゴブロックで作られた巨大な動く恐竜(ティラノサウルス)ロボット(レゴランドで最大のモデル)があり,これだけでも見る価値あり。



レゴランドにまた行こう!
 レゴランドには子どもの年齢に応じた楽しみ方があり,デザインの点では大人の目をも驚かせ,そして楽しませる。これも,LEGOが単なるもうけ主義のおもちゃメーカーではなく,1930年代にデンマークに創立されて以来,理念を持った企業活動を続けてきたからこそであろう。ウインザーのレゴランドの出口には"COME AGAIN GOODBYE!"という看板がある。この世に子どもがいる限り,レゴは永遠に不滅であろう。レゴランドよ,さようなら,そしてまた遊びに行くからね!


「レゴの世界」
レゴジャパン監修(東京書籍)\3,200

 レゴの尽きることのない魅力を満載した英国出版の"THE ULTIMATE LEGO BOOK"邦訳版。レゴブロック物語,レゴマスタービルダー,レゴランド,無限のイマジネーションという4部構成からなっているオールカラーの超大型本である。誰しもレゴブロックのプロフェッショナルであるレゴマスタービルダーの驚くべき仕事ぶりには驚嘆するに違いない。このプロ集団がチームを組んでも,一つのレゴランド用のモデルをすべて作るのに約3年もかかるという。レゴブロックは,どんな子どもでも気軽に遊べる万能の玩具であると同時に,高度な美術的・デザイン的要求にも応え得る素材なのだ。本書には,もちろんウィンザーのレゴランドの紹介もある。レゴランド第1号がレゴ発祥の地デンマークのビルンドに作られたのは当然として,なぜ第2のレゴランドが雨の多い英国のウィンザーに作られたのか? それは,英国にレゴファンが特別多いからなのだそうだ。私たちも英国のレゴファンの恩恵を受けていたわけである。本書は大人,子どもを問わず,レゴファンなら誰でも楽しめる内容で,本書をはじめて見たときに,息子たちは掲載されているすばらしいモデルに刺激されて,早速レゴブロック遊びに没頭し始めたのであった。