![]() レマン湖やローヌ川沿いがワインの産地だというのは頷けるが、意外にもマッターホルンがあるヴァレー/ヴァリス地方もワインの名産地で、ファンダンという品種がどこででも飲める。赤はピノ・ノワールかメルローが多い。重厚なワインは少なく、軽めの爽やかな味で、それがスイスの気候に良くあっている気がする。 |
![]() 同行者Sなど、ドイツに来て、AUSGANG、EINGANGの次に覚えた単語がTROCKENだったという。しかもSは他に「ZAHLEN BITTE(お勘定お願いします)」しか知らないくせに、スイスの添乗時に、そればかり連発していたら「ドイツ語がおできになるんですね」と参加のお客さんに尊敬されたそうだ。 私はそれよりもたくさんのドイツ語を覚えたのに、英語で「BILL PLEASE」と言ったばっかりにハノーバーの駅で電車の時間が迫る中、ビールをもう一本飲み干す羽目になったことがあるのは、いかにも不公平だ。 ![]() ![]() ![]() ダイデスハイムにある、ブール男爵のワイン畑のオーナーになった事がある。ダイデスハイムは、プフェルツ地方にあるワインの産地で、ブール男爵家は19世紀からワイン作りを続けている名家だ。 ここの「パラディスガルテン シュペトレーゼ」は、遅摘みなのに辛口で、深みのある白ワイン・・・私が書くと説得力はないが、最初に飲んだときは軽い衝撃を受けるほど美味だった、その「パラディスガルテン」の、間借りオーナーになりました。 収穫後できたワインを一ダース送ってくれるということで、秋が来るのをとても楽しみにしていた。ところが、その年に、急にその畑のワインが「グランクリュ」の指定を受けたため、発送が一ヶ月近く遅れるというではないですか。うれしいのか、がっかりなのかわからないまま、一ヵ月待ち続け、届いた時にはワイン収穫祭を行い、毎日のように楽しみ、あっという間になくなってしまった。 しかし、後から知ったのだが、この白ワインは赤ワインのように熟成させて10年後に飲むのを楽しみにする人もいるという、気長に成長を見守るワインでもあるらしい。もう一本も残っていない木箱を見ながら、自分の浅はかさに愕然とした、キリギリスのような冬でした。 |
![]() 小ぶりのジョッキといった形の、ガラスのコップで供される。容量は約250CC。表示の仕方がなぜか四分の1リットルなので、数字に弱い私は注文の時、なんか目まぐるしく計算してしまう。グラスには、緑のぶどうの絵が描かれている事が多く、日本人ならワンカップ大関を連想しがち。この形はいかにも飲みやすすぎる。 同行者Sは、ウィーンのホイリゲで、食事中が来るまでに一杯、食事中2杯、締めくくりにさらに一杯飲んで、海外旅行だというのに二日酔い。さらにSには、学習効果がないのか、次のウィーン滞在でも同じ轍を踏んでいた。 ドイツワインよりもすっきりしていて、辛口でフレッシュ。塩味の効いたソーセージやパンにとてもよく合う。週末のホイリゲは観光客も多いが、地元の集まりも多く、マッチョな男ばかり10人程がテーブルを囲み、妙な乾杯の音頭を取った後一気飲みするという、不思議な光景に出会ったことがある。 |
![]() 滞在したオルヴィエートは、ワインの産地だけあって、オルヴィエートワインがとても安くて新鮮でおいしかった。ワインと豆腐に旅をさせてはいけない。普通のレストランで、ボトルで6000リラ(500円?)程度。また、オルヴィエートはもしかしたら、ワインの産地よりも大聖堂で売り出しているのか、ワインを前面に押し出していないのが拍子抜けしていていい感じ。 ベニスでは、日本の近所のスーパー「吉野物産」で700円で売っているヴァルヴォリチェッラや ソアーヴェが、レストランでは3000円前後で売られていた。吉野物産の仕入れ担当者恐るべし、と言うか観光客はなめられすぎている。 島の鉄道駅のセルフサービスレストランではさすがに500円位だったが、ここのレジで「ガシャーン」と、まるでワインを瓶ごと床に落として割ったような音が聞こえたので、音の方を見ると、同行者Sがまさにワインを瓶ごと床に落として割っていた。レジのおばちゃんは「いいから、いいから」と笑顔で言ってくれたらしいが、Sはそれを「お会計がチャラかな?」と思ったあげくに、「気にしなくていいから」という意味だとわかると逆切れしそうになっていた。 |
![]() ウィーンではグリンツィングまで市電で行き、ぶどう畑の中にあるホイリゲに歩いて行く。駅近くにあるものから、ドナウを見下ろせるブドウ畑の只中にあるものまで、いろいろだ。遠方のホイリゲには、「ホイリゲエキスプレス」というオープンバスが走っているが、いつみても老夫婦一組のお客さんしか乗っていない。サクラなのかな・・・。 飲み物はテーブルまで聞きにくるが、食べ物はカウンターに買いに行くという、イギリスのパブと正反対の方式だ。だいたいガラスのショーケースの中に、チーズやサラダ、ソーセージなどのコールドミートが何種類も並べてある。 意外と英語は通じないが、インチキドイツ語と、身振り手振りで何とかなるものです。最初は、知らない会社の社食に行くよりもびくびくするが、どの店員さんも理解するための努力をしてくれるので、気まずい思いをした事がない。ここはひとつフランス人に見習ってほしいもの。 お勘定はすべてその場払い。この方が、メニューを解読するよりも食べたいものにたどり着ける確率は高い。 |
![]() ぶどうが完全に発酵してワインになる前の濁った状態のワイン。Strumは「嵐」で、この発音がなぜか難しく、いまだかつて一発で通ったことがない。「シュトゥームと発音すればいい」と、ドナウ観光船のウエイトレスさんに言われたのだが、やっぱり通じないよ・・・。 オーストリアでは、都市でも田舎でも良く見かけたが、ドイツではまだライン川沿いでしか見た事がないし、名前もFederweisser(羽のような白?)とイメージ的にも全然違うが、ほぼ同じものだと思う。 アルコール度数は5度位(推定)で、ジュースとワインのジュース寄り的味。邪道なのか、フランスやイタリアでは見た事がないが、ああ、邪道で結構、結構だとも! 共通した特長としては、旬のものなのでメニューにはなく、貼り紙や手書きのカードでしかアピールしていないことだ。日本で言えば蕎麦屋が そういえば近頃、日本でもシュトルムが飲めるようになった。行きやすいのは勝沼にあるマンズワインのワイナリーで、500ccのカラフェが900円位。ホイリゲ的なぶどう棚の下供されるのだが、食べ物のお品書きはほうとうなどで、クロスオーバーな雰囲気。名前は「もろみワイン」で、もちろん「もろキュウ」への連想が、味への理解を大いに妨げるんですけど。シュトルムよりも酵母の味が強い気がするが、日本で飲めるだけでもありがたいことです。 |
![]() 赤ワインに丁子や他のハーブを抽出させて温めたもので、グリューワイン用のティーバッグも売っている。甘くてよい香りがして、寒い夜は飲んだだけで幸せな気持ちになる。手作りのものにはあまり出会えず、やや甘すぎの、同一規格のものが出てくる。値段は300円位。 ドイツのクリスマスマルクトでは、地名入りのグラスでグリューワインを売っていて、グラスごと持ち帰れるそうだ。 日本では、うちの近くの酒屋さんが年に5本位仕入れ、1リットル千円で小売しているのだが、私が毎年全部買い占めているので、誰もその存在すら知らないであろう。 恐らく私の想像では、ドイツ国内に一大グリューワイン製造業者が寡占状態で存在し、毎年10月ごろから半年ばかり売りに売りまくって、夏季は休業しているのではないだろうか。ドイツ人はタイが大好きと聞くし、夏プーケットでぷらぷらしている白人は、グリューワイン製造業者なのかもしれない。 白いグリュワイン グリューワインはおいしいんだけど、あの甘さが食事には合わない、と思っていたら、ウィーンのフライユンク広場で、白い湯気の立っている白ワインのグラスを飲んでいるカップルを発見。 「どこで買ったか聞いてこい」 「どこで買ったか聞いてきて」 と、互いに肘で命令し合って、いえ、譲り合っていると、隣の屋台からまさにそのグラスを持った人が出てきました。あら、またドイツ語を使う機会を失ってしまったわ〜残念残念。 白いグリューワインは、ほとんど甘さがなく、ぶどうとスパイスの香りがして、とてもおいしい。これ、もっと広まらないかなー。 |
![]() アルコールなのにジュースより安いという、そんな貧乏根性で頼んでしまったRadlerという飲み物は、ビールにジンジャーエールを混ぜる、というぶっちゃけた発想の飲み物だった。なぜかブーツの形のグラスで出てくる確率が高い。恐らく同じ発想の飲み物に、ワインをソーダで割る、ザルツブルク名物のスプリッツァーがある。 ドイツ語メニューにはRADLERとあるが、英語メニューにはSHANDYとある。シャンディなら良く知っている。昔KISSがまだカッコ良かった頃、シャンディという大甘な曲が流行り、当時中学生だった私は未成年なのに、明治屋でSHANDYを見つけて買ってみた。飲んでみた。まずかった。 |
![]() ゲートウェイとして利用する事が多いミュンヘンは、だいたい夕方から夜にかけて着くことが多く、ホテルチェックイン後、何はともあれホフブロイハウスに直行する。何故それほどまで、時差ぼけで疲れた体に鞭打ってまででかけるのか、もはやわからない。 ナチの結党大会が行われたという広大な店内は、楽団のステージがある大きな部屋で踊り狂う人や、歌いだす人などさまざまである。日本人が多いと日本の湿っぽい曲をやり出す。確か荒城の月とか・・・さくらさくらとか…。 噴水のある中庭のテラスや庭向こうの部屋などは静かで、まるで違う店のようだ。確か、団体で予約すると二階に案内される事が多く、ツアー客の中から「もっとにぎやかな雰囲気で食事したかった」というクレームがつくらしい。 |
![]() ミネラルウォーターに炭酸が入ったもの。飲むとすっきりして大好きなのだが、日本人には受けが悪いらしい。自信を持って勧めてみたが、一口飲んで、「あ、もういいです・・・・」とやんわり拒否された添乗員Sは、その後もチーズフォンデュ、黒パンなどもことごとく否定され、自分の味覚にすっかり自信を失って失意のうちに帰国したという。 ちなみに、ガス入りとガスなし、キャップの色が違うだけで、小さくmit gasとか avec gasとか書いてあるだけなので注意が必要だ。ロシアやチェコ、オランダなど見覚えのない字の国に行くと、どっちがガス入りなのか見当もつかず、その場で軽く振ってみて泡立ち方を凝視するのだが、この方法でガス入りを当てられた試しはない。 |
![]() あるイギリスの小説に、『フランクフルトの川辺で、金色のりんご酒を飲んで良い気持ちになり・・・』とあったので、たいへんに期待していたのだが、うーん、日本の『果実いっぱいのりんご酒』みたいな、甘いお酒を想像しないほうがいいです。 確かに色は金色で、豊穣の香りがする。でも、味は、なんとも表現できない。まずいわけでもなく、何杯か飲んでいると病み付きになるのだが、甘くはない。むしろ酸味がある。 フランクフルトのザクセンハウゼン地区に、りんご酒場が集まっていて、昼行っただけでも、かなり楽しげな雰囲気なのだが、有名ではないのだろうか?日本のガイドブックには、詳しい行き方はいっさい書かれていなかった。 『りんご酒列車』という、チューリヒの『すし列車』みたいな専用トラムが街中を走っていたが、真っ赤な車体でちと,乗るのは恥ずかしい。勝沼の『ぶどうバス』、ウィーンの『ホイリゲエキスプレス』に次ぐ三大恥ずかし乗り物のひとつです。 |
![]() 結構有名な、ベルギー産のヴァイツェンビールらしい。知らなかった・・・。それどころか、新宿に「ヒューガルテン」という、ベルギービールのお店まであるそうだ。このイーストの風味が、シュトルムっぽくておいしい。ドイツなど、純粋なビールを好む国では邪道なのかもしれないが、邪道で結構ですとも。 邪道といえば、ベルギーなんてそんなビールばっかり。どこにでもあるクリークというチェリービールなんて、とても万人受けするとは思えないのに、結構飲んでいる人は多い。しかし、日本のビアガーデンで汗だくになってカーッと飲むには適さないお酒。 面白いのは、ビールの銘柄ごとにグラスが違うこと。グラスに書いてあるブランド名と、中身のビールは連動している。ということは、厨房にはそれはそれはたくさんの種類のビールグラスがあるのだろう。デュラレックスのようなヒューガルテンのグラスはともかく、ブランデーグラスみたいなKASTEELのグラスなんかは洗いにくくて、厨房の人間は「キーッ!」とか思っているに違いない。KWAKのグラスなんて、洗う人が気の毒になってくる。 |
![]() そのKWAK。最初、カフェでこれを飲む人を見た瞬間から目が釘付けに。「あれ下さい」と、まさに観光客な注文をしてみた。砂時計のようなこのグラスの形は、馬車の中で飲めるようにと工夫されたそうだ。馬車でビールかよ。 この木の部分を持って飲むのだが、残り少なくなってくると、ほぼ逆さまにしないと最後まで飲みきれない。ほぼ逆さまにすると、今度はグラスが顔に落ちてくるし、馬車の中で飲むにしても、もう少し他の形はなかったものか。 飲んでいる途中で、「もしかして、これは木の台座から外して飲むのでは」と、突然不安になって周りを見回したが、よし、大丈夫、みんなグラスを傾けまくって飲んでいる。それに、グラスの底は球状でテーブルに置くことはできない。あーよかった。こんなことで日本人をナメられちゃかなわない。 街を歩いていると、ショーウィンドウには、これの2人用・4人用などが売られていた。二人用はともかく、4人用など、どんなシチュエーションで、どんな姿勢で飲むのかナゾだ。 |
![]() ケルン特有の地ビール、ケルシュ。ドイツビールの中では軽い味わい。縦長の細いグラスに入って出てくるので、何杯でも飲めるような気がする。現に、周りの人はみなじゃんじゃん飲んでたな。 軽い味わいとは言うものの、スーパードライほどではない。けっこう苦味があり、なぜかはわからないが、飲んでいるうちに胃が軽くなってくるので、油っぽい食事との相性がいいのではないだろうか。 大聖堂の隣にある、「アルト・ケルン」では、2階の窓から大聖堂が見渡せるが、周りのテーブルは、いくら白人とは言えどもみな観光客だ。絶対に間違いない。 |
![]() スイスでしか見たことがないが、スイスのナンバーワン・ソフトドリンクであるリベラRivella。野菜と果物とミルクから作られているそうだが、透明で白ワインっぽく、なのに薬臭く、何がおいしいのか、ちとわかりかねる。 ノーマルなリベラは赤のラベル。他にライトタイプの青ラベル、緑茶味の緑ラベルもある。緑茶味ですって? スイスの飲料はみな高く、これも500ミリリットルのペットボトルで確か250円近く。チューリヒ中央駅の構内で、見るともなしに売店の売れ筋を見ていると、飲料を買う人の3人に1人はリベラを購入。なにが良くて!? |
![]() ![]() ![]() ヤツらはそのグラスを取って変な掛け声をして乾杯をしていました。あまりに興味があったので、向かいの同行者の写真を取るフリして、そのテーブルの上の物体を写しました。写した後に気付きましたが、そのテーブルの人が思いっきりカメラ目線。ちっ、バレてたか。 その2日後、中央広場の別なカフェのメニューを見ていると、そのナゾの液体の写真が。「KAMIKAZE」と書いてあります。ブルーキュラソーとウォッカのカクテルなんですって。アルコール度数だけはカミカゼ的に高そうです。なぜそんなものを山頂のオープンカフェで飲む?で、そんなカクテルを山頂のオープンカフェに置く必要ある? ![]() |
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