ではひきつづき、ちっとばかりサイエンスの匂いをただよわせつつ。 まずは前回の最後でご紹介した、「一酸化二水素」の正体について。 確かに、氷に長時間触れていれば、生物の体組織は壊死するのは真実ですし、水が呼吸器に入れば溺死もします。海岸線や川沿いの地形は、水のちからで侵食されますね。また、海水に棲む生物を真水に入れたら浸透圧の関係などなどで死んじゃいます。 その、「そりゃーアタリマエだよ」という事実の積み重ねが、あの文章では、大仰かつうまく本質から的を外した指摘の数々によって、何の変哲もない「水」を、「人体や地球環境に多大なる悪影響を及ぼす、有害このうえない物質」へと変貌させてしまいました。 前回の最後に書いた「口先にだまされるな。事実のみを告げていても、表現によっては虚偽になる。」というのは、こういうわけだったのです。 そして、あの例文と同じようなロジックでいたずらに消費者の恐怖心をあおるような広告を作り、実際にはたいしたことのない商品を、いかにもすばらしい物であるかのような錯覚に陥らせる業者や、センセーショナルな表現をすれば視聴率が上がる、書籍の販売数が上がる、と、過激にあおりたてるマスコミなどなど‥‥ そんな風潮に踊らされないためにも、ひとりひとりがしっかりと情報を吟味することが大事ですな。ロジックの落とし穴にはご注意を。 てなわけで、今回の「御教訓」ロバ耳は、ちと短かめで終了。はー疲れた。 |
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