第39回 「 すれちがい 」2001.11.07

 先週末、ひさしぶりに実家へ帰りました。いや、先々週末も帰っているのだけれど、夜に帰って早朝には出発してしまうという、ほとんど「寝るだけ」の素泊まり宿状態だったもので、あまり帰ったという実感がなかったのです。

 ともあれ、今回の帰省の目的は、母方の祖母の米寿のお祝い。ひさかたぶりに親戚たちと顔を合わせ、いつのまにか増えていた姪っ子、甥っ子どもを、人間とは別の生き物であるかのように観察していたのでした。パワフルだったなあいつら。(なにしろヒロヒコのいとこは、母方だけで12人いるので、増えるペースが速い)

 久々にきつい塩味の食事をしつつ(mistyに言わせるとフツーらしいが)会合も終えて、私はかねてから母に聞こうと思っていたことを口にしたのでした。

 「ねえ、使ったあとのお茶碗を水につけるのって、『冷やす』っていうよね?」

 misty_rainには、「そんなの言わない、絶対変だ、そんなふうに言うのはおまえのウチだけだろう」と強硬に主張されてやまなかったのですが、どうがんばられても、私の故郷では、食器は使ったあと「冷やす」のです。

 「なんで『冷やす』なんだよー? 冷やすのは温度を下げる、でしょー?」と、mistyはあくまで食い下がりますが、わたくしの見解としては、「すいかやきゅうり、トマトも水につけて『冷やす』。よって、食器を水につける行為を『冷やす』と呼び習わしてもよいではないか」というものなんですが、どーにも納得しないようすです。あまつさえ「そんなふうに言うのはおまえのウチだけだろう」と言われては。

 というわけで、あとかたづけをするとき、私はいつもアタマのなかで、『冷やす−>水につける』と変換してから、「さて、お茶碗を水につけなくちゃ」と口にだすのです。ああ面倒なこと。いやいちいち言わなくてもいいんですけど、なんとなくね。

 しかしあまりにもmisty_rainに「そんなの絶対言わない」と言われるので、一部の間で超有名な「医療人のための群馬弁講座」サイトにて、疑問をぶつけてみたところ、やはり私の実家がある地域では、「冷やす」は一般的でした。ワーイ! これでウチの勝手な造語じゃないことははっきりしただろう! どうだー!>misty_rain

 こんどからロバ耳は群馬弁で書いてみようかな。といっても、口語と文語の違いもあるし、内容の性質上、群馬弁の特徴が出るといっても語尾変化が主になるだろうから、あんまり意味はないかな。なにより、耳で聞かないと、発音の違いがわからないからねー。

 どうしても群馬弁が聞いてみたい、という方は、「医療人のための群馬弁講座」で音声ファイルを聞くか、レース会場でヒロヒコをさがすかしてください(笑)

余談:方言とは全然関係ないけれど、会食で出されたのはまず刺身、魚介のこぶ酢しめ、煮物、エビ塩焼き、茶碗蒸し、と、いっさい米粒のない品揃えだったのですが(食事、というより飲み会に重点をおいたメニューだったのでしょうか)、ほぼシメに入ってから、「トンカツ」が出されました。米粒はなし。お吸い物もみそ汁もなし。しばらくたったらデザートのメロンが登場。
 misty_rainと私の兄と、従兄弟の男どもは揃って「なぜカツだけで出す? 米はどこだ!? 待ってたのに!!」と大騒ぎ。これは地方の慣習じゃない...と思うけどね。

参考サイト

医療人のための群馬弁講座 いんやぁ、群馬の方言がまんず紹介されててよ、 読めば読むほどおんもしれぇサイトなんよ。 群馬っつっても、まっさかいろんな方言があるンだなぁって、感心すらぁね。 ほんでな、群馬弁を音声で聞くのもできるっつんだから はぁ驚いちまうってよ。 いっぺん、いってみ? << 訳 >> あのね、群馬の方言がいっぱい紹介されていて、 読めば読むほどおもしろいサイトなんだよ。 群馬といっても、ほんとにいろいろな方言があるんだなぁって、感心するよ。 それでね、群馬弁を音声で聞くこともできるっていうんだから もう驚いちゃうよ。 一度、いってみなよ。 註:ヒロヒコの群馬弁はちょっとアヤシいです。帰国子女ってカンジ。

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