第44回 「 黄色い手 」2001.03.04

 わたしは子供のころ、たいそうミカンが好きでして、冬休みの宿題をしながらいちどきに20コもたべてしまい、えらく怒られた記憶があるほどです。そしてミカンのシーズンが終わるまで、私の手はミカン色に変色していたのでした。

 さて、なぜミカンを食べ過ぎると、手が黄色くなるのでしょうか。そんなことが昨日ふと話題にのぼり、それを考えはじめたら、やっぱり気になってしまったのです。

 仕事もまだ佳境に入ってないし、ということで、ちょっくら調べてみたところ、なんともフシギなことがわかりました。それは、「みかんに含まれるカロチンが汗とともに排出され、皮膚の脂肪を着色するから」というのです。

 この症状は「柑皮症(かんぴしょう)」といって、みかんだけでなく、カロチンを多く含む食べ物を多量に摂取したり、サプリメントなどを摂取した場合にも起こるそうです。若い女性でダイエットに熱心な人にも多いとか。

 特に子供は、カロチンからビタミンAをつくるはたらきが大人より弱い=一日の必要摂取量が少ないため、一日たった1個のミカンでもカロチンが余り、容易に皮膚が黄色くなってしまうのだそうです。もちろん食べるのをやめれば自然に色は戻るので、心配はいらないのですが。母乳で育てられている赤ちゃんも、お母さんがミカンを食べていると、そのカロチンが母乳中にも含まれるように
り、手足が黄色くなって大慌て、ということがあるそうです。

 牛乳も、青草を食べている牛の乳は黄色っぽく、干し草を食べている牛の乳は白っぽくなり、バターを作ると色の違いがよくわかるそうです。

 ニワトリのタマゴも、カロチンを多く含むエサを食べているニワトリのタマゴの卵黄は、より黄色が強くなるそうです。栄養価的にはほとんど変わりないそうですが、イメージ的に卵黄が山吹色に近い方が人気があるため、パプリカや黄色トウモロコシを与えて色を濃くし、市場価値を高めているそうです。たしかにタマゴ料理は、黄色が強い方がおいしそうですものね。

 さて、ミカンに戻って。汗で皮膚が着色されるのなら、全身まんべんなく黄色くなってもよさそうなものですが、たいていは手のひら、足の裏、鼻のわきといったところが黄色くなることが多いようです。おそらくは、手のひらや足の裏には汗腺が多く、また皮膚も薄いので、黄色が目立つのでしょう。

 調べついでにわかったのは、みかんの薄皮についている白い筋には、ビタミンCが豊富に含まれているのだそうです。カゼ予防にビタミンCをとお考えのみなさま、白い筋はむかずに食べた方が良いようですよ(笑)

 しかし、どんなに「からだにいい」と言われているものでも、過剰摂取は禁物ですから、やはりいちどきにミカン20コはほめられた行為ではありませんね。ハラも冷えるし(笑)なんでもほどほどがいちばん。

 オトナになってからは、さすがにミカン一気食いはしなくなりましたが、いまでも好きな果物ランキングの上位にミカンはくいこんでいます。あとはイチゴとリンゴとバナナと...まるでコドモだ(苦笑)

 今回の参考リンク

みかん色のコンテナ〜みかん豆知識
みかんの雑学いっぱいの個人サイト。

ロバ耳の小部屋トップ | サロンにもどる | ホームにもどる