前回のロバ耳で「桜の香りの香水なるものを嗅いでみたい」と書いたのですが、そのうちのひとつ、どうやら販売促進用の限定品だったらしい、カ◆ボウの「セント オブ チェリーブロッサム−桜の香り−」を少量、オークションにて150円で落札することができたので、さっそく嗅いでみました。 キャップを開けました。 まあ、香水は肌につけてみないと判断が難しいので、腕にシュッとひと吹きして、しばらく様子を見てみることにしました。 ・・・やっぱりくさい。正直いって、「どこが桜!?」という匂い・・いや臭い。なんとなく粉っぽく甘ったるく、保護者会の席上みたいな匂いがするのです。あの上品ですがすがしく、青みと酸味を含んだ桜の香りが、いったいどこをどういじくったら、こんな匂いになるんだろう? 送料も含めて500円以下だったからまだよかったけれど、やっぱり釈然としないものがあります。 でも、あちこちのサイトを覗いてインプレッションを読んでみると、「おだやかで落ち着く、淡い香り」とか「桜の季節にぴったり、着物が似合いそう」なんて書いてあるんですよねぇ・・・。たしかに着物は似合いそうだけど、どう考えても「桜の花から漂う自然な香り」じゃないぞ。 むかぁし、ともだちが持っていたポ●ラの「サクラガーデン」を嗅がせてもらったときには、こんなに違和感は感じなかった気がするのだけれど。うーん、こんど街へ出たら(いつになるか分からん。数カ月後か?)、カウンターで嗅いでみようかしら。 さて、香水(オーデコロンからオーデトワレ、オーデパルファム、パルファムまで)をつくるときには、調香という作業が行なわれます。これに携わるのが「調香師」とよばれる人々で、訓練によって嗅ぎ分けられる香りの数はなんと6,000種類以上にのぼるといいます。また、私たちになじみ深い、イチゴやブルーベリーなどの食べ物のフレーバーをつくっているのも調香師です。 英語ではPerfumerが香水などの匂いを作るひと、Flavoristが食品用の香料を作るひと(ガムとかペットフードとかいろいろ)、と分けられていますが、日本ではどちらも調香師とよばれているそうです。 さて香水の話に戻って。 調香師は、香水のつけ始めから香りが消えるまでを設計するのがお仕事。イメージに合わせて、さまざまな香料を調合していきます。例えば「バラの香り」といっても、「朝露に濡れる小さな白バラのイメージ」なのか「昼下がりの庭園に咲き誇る大輪のピンクのばらのイメージ」なのか、等々。バラだけでも品種や産地でさまざまな香料がありますが、このほかにも植物や動物由来の香料を混ぜ合わせていき、イメージに近いものをつくりあげていくのだそうです。 香水はつけた瞬間から10分くらいまでがトップノート、30分から1時間くらいまでがミドルノート、3時間くらいがラストノートと、おおまかに三段階に分けられています。 トップノートは、レモンなどの柑橘類の香りやスパイスの香りで、すぐに飛んでしまいます。それから最もその香水の特徴があらわれるのがミドルの時間帯で、花や果物といった香りが中心になります。そしてラストノートでは、ミドルの香調がまろやかになって深みを増し、暖かみのある動物性の香りがあらわれてくる、のだそうです。 同じ香水をつけても人によって香りが違ってくるのは、その人の体温や皮膚表面の酸性度などによるものだそうですが、ヒロヒコは同じ香水をつけてる複数の人を同時に嗅いだことがないので、よくわかりません(苦笑)。雨の匂いならかなりの確率でわかるんだけど。となりんちの夕御飯はカレーだ、とか。 それにしても「桜の香り」は解せないなぁ・・・「桜をイメージした香り」ならまだしも、「桜の花から漂う自然な香り」って書いてあるのに、なんでこんな香りになるかなぁ? これならまだ「開けたら桜餅の香りだった」のほうが、ショックが少なかったなぁ・・・あんこフレーバー。 |