しけのインチキ論理学

しけ「ちょっと!ハナ!おれがおもしろい論理問題を出してやろう!」
ハナ「ん〜?おもろない問題やったら、やらへんでー!」
しけ「じゃあ、問題です。A、B、Cというラベルが貼られた3つの箱があります。3つの箱の うち1つだけに金貨が入っており、ほかの2つは空です。さて、3つのうちの1つの箱を選ぶ とすると、その中に金貨が入っている確率はいくらか?」
ハナ「なんやそれ?そんなん3分の1に決まってるやん!考えるまでもあらへんなー」
しけ「ふふふ…本当にそうかな?」
ハナ「当たり前やん、そうに決まってる!」
しけ「では、これからおれが、3つの中からどの箱を選んだにかかわらず、それに金貨が入って いる確率は2分の1であることを証明してやろう」
ハナ「うん!?できるものならやってみてよ」
しけ「選んだ箱がAであるとします。金貨はどの箱にも同じ確率で入っているので、もしも、Bが 空ならば、金貨がAに入っている確率は2分の1ですね?」
ハナ「その通りやね」
しけ「また、もしもCが空ならば、金貨がAに入っている確率はやはり2分の1です」
ハナ「確かに…」
しけ「しかし、BかCのうち少なくとも1つは空ですし、どちらが空であっても金貨がAに入って いる確率は2分の1です。よって求める確率は2分の1です。以上証明終了!」
ハナ「うむむ…インチキだ!」
しけ「どこがインチキなんだい?」
ハナ「…わからん、でもインチキに違いないやろ」
しけ「ふっ…ばれないインチキはインチキではないのだよ」
ハナ「くっ!どこかで聞いたようなセリフを…絶対に解いてやる!」

 さて、明らかにしけの論理はインチキですが、一体どこがインチキなのでしょうか?
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解答

 間違った推論は次の部分です。「もしも、Bが空ならば、金貨がAに入っている確率は2分の1 である」書いてあることは正しいのですが、これは「もしも〜ならば〜」という条件つき確率 の文であって、その意味は特殊です。つまり条件がついてない時の確率とは、全く別物だと いうことです!例えば、極端な例をいえば「もしも、BとCが空ならばAに金貨が入っている確率 は100%である」この文章は正しいです!でも、3つの箱の中から1つの箱を選んだ時に金貨が 入っている確率とは無関係ですね〜。

しけ「ははは、インチキがばれてしまったよ」
ハナ「最初からバレバレやって!」
しけ「でも、この問題は明らかにインチキやけど、もっとわかりにくい問題や複雑な問題だった らどうだい?インチキを見破れるかい?」
ハナ「う〜自信ない…」
しけ「ははっ…おれもないよ、とりあえず、うまい話や調子がいい話には気をつけるしかないな」
ハナ「特に悪徳商法の方々や、政治家の方々が多用するみたいやで!やっとれんな〜」
しけ「それはわかっていても言っちゃダメだよ、ははは…それではみなさんもインチキには気をつ けましょう!」
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